ビルメンテナンス・清掃業のM&A仲介会社おすすめ10選|手数料・登録承継・規模別の選び方を比較【2026年版】
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ビルメンテナンス・清掃業のM&A仲介会社おすすめ10選|手数料・登録承継・規模別の選び方を比較【2026年版】

ビルメンテナンス・清掃会社の売却に強いM&A仲介会社10社を、最低報酬額・成功報酬の算定基準・業界での立ち位置で比較。建築物清掃業登録や清掃作業監督者の承継、公共入札資格の扱いまで踏まえ、年商規模別に最適な相談先を解説します。

M&A比較レビュー編集部2026/8/2717分で読める

ビルメンテナンス・清掃会社の売却で仲介会社を選ぶときに効くのは、「建築物清掃業などの登録と有資格者をどう承継するか設計できるか」と「自社の譲渡価格に最低報酬額が見合っているか」の2点です。 会社の規模や知名度ではなく、この2点の適合で結果が変わります。

登録や有資格者の設計を理解していない担当者に任せると、成約後に登録の人的基準を満たせなくなり、特定建築物の管理契約や官公庁の入札案件を継続できないという事態が起こり得ます。もう一方の落とし穴が費用です。成功報酬には最低報酬額が設定されており、譲渡価格1億円台の地場ビルメン会社が最低報酬2,000万円の会社に依頼すれば、実質的な手数料率は20%に届きます。

この記事では、ビルメンテナンス・清掃業の売却に対応する仲介会社・サービス10社を、最低報酬額・成功報酬の算定基準・業界での立ち位置・対象規模の4つの比較ポイントで整理します。

この記事でわかること:

  • 年商規模別に、どこへ相談すべきかの振り分け
  • ビルメン・清掃業に対応する仲介会社10社の手数料と特徴の比較
  • 建築物清掃業登録・清掃作業監督者・公共入札資格・特定技能外国人の承継がスキームでどう変わるか
  • 同じ「5%」でも報酬が倍近く変わる、レーマン方式の算定基準の違い
  • ビルメン・清掃会社の売却価格を左右する5つの要素

こんな方に向けた記事です:

  • 清掃・設備管理・警備を請け負うビルメンテナンス会社のオーナー経営者
  • 病院清掃・商業施設清掃・官公庁案件を持つ清掃会社の経営者
  • 人手不足や後継者不在で単独存続に不安があり、売却を検討し始めた方
  • 登録や有資格者の問題をきちんと設計してくれる相談先を知りたい方

※本記事の手数料・実績・統計は2026年8月時点で各社公式サイト・行政および業界団体の公表資料を確認したものです。改定される可能性があるため、最終的な条件は必ず各社にご確認ください。

結論:ビルメン・清掃会社の規模別・相談先の早見表

ビルメンテナンス・清掃業の現場イメージ。規模別にM&A仲介会社の相談先を選ぶ

まず結論として、ビルメン・清掃会社の売却は「年商・想定譲渡価格」で相談すべき先がはっきり分かれます。 「業界に強いかどうか」より先に、この規模の適合性を確認してください。規模が合っていない会社に相談しても、受任されないか、手数料負担で手取りが大きく削られます。

自社の規模

想定譲渡価格の目安

第一候補

次の候補

理由

年商1億円未満/従業員20名未満

数百万〜3,000万円

事業承継・引継ぎ支援センター(無料)、バトンズ/TRANBI

日本財務戦略センター

最低報酬額が手取りを直撃する規模帯。大手仲介は受任されにくい

年商1〜3億円/従業員20〜60名

3,000万〜1.5億円

日本財務戦略センター、M&A総合研究所

経営承継支援、バトンズ

完全成功報酬・低ミニマムフィーの中小特化系がボリュームゾーン

年商3〜10億円/従業員60〜200名

1億〜5億円

インテグループ、M&A総合研究所

日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ

同業大手・ファンドの両方に打診できる先が必要

年商10億円以上/従業員200名以上

数億円〜

日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ

ストライク、インテグループ

上場ビルメン企業・異業種大手への打診ネットワークが効く

この表の使い方: 自社の行に載っている2〜3社に無料相談を申し込み、後述する「ビルメン・清掃業ならではのチェックリスト」を同じ質問で全社にぶつけて回答を比べるのが最短ルートです。

ビルメン・清掃業に対応するM&A仲介会社10社の比較一覧

本記事で扱う10社・サービスの主要スペックを一覧にしました。この業界で実質的な費用を決めるのは「最低報酬額」と「レーマン方式の算定基準」です。 「完全成功報酬かどうか」だけを見ても費用は比較できません。

会社・サービス

タイプ

着手金・中間金

成功報酬の算定基準

最低報酬額

ビルメン・清掃業での位置づけ

対象規模の目安

インテグループ

中小・中堅特化

着手金・中間金・月額すべて0円

株価レーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)

1,500万円(税別)

ビルメンテナンス業界の支援ページを運営。ファンド・ロールアップ勢への譲渡実績を公開

売上3億円程度〜(専門特化ならより小規模も可)

日本財務戦略センター

ビルメン・清掃特化のページを運営する中小特化

着手金0円

完全成功報酬(料率は要確認)

700万円

ビルメン・清掃業専用の相談窓口を都道府県別に運営

年商2億〜4億円・従業員35〜60名が主対象。譲渡対価1,000万円台の案件も対応

経営承継支援

中小特化

相談無料・着手金無料と明記

要確認

公式に明示なし(要問い合わせ)

業種別コラムでビルメン・清掃を扱う

中小企業全般

日本M&Aセンター

大手・東証プライム

着手金あり(企業評価料等)、基本合意時に中間金

移動総資産レーマン方式

公式に明示なし(要確認)

ビルメンテナンス業界の専門ページ・業界M&Aニュースを継続更新

中堅〜大型

M&Aキャピタルパートナーズ

大手・東証プライム

着手金・月額報酬無料/中間金は手数料総額の約10%

株価レーマン方式

公式に明示なし(要確認)

業界ニュースは掲載。ビルメン領域の自社成約実績は公式で確認できず

中堅〜大型

M&A総合研究所

大手・東証グロース

譲渡企業は着手金・中間金・月額0円

譲渡代金ベースの完全成功報酬

公式に明示なし(要確認)

ビルメンテナンス専用ページを運営。対象は売上約1億〜約100億円と明記

中小〜中堅

ストライク

大手・東証プライム

着手金0円/基本合意時に中間金

オーナー受取額レーマン方式

仲介2,000万円/FA3,000万円

上場企業案件を含む幅広い業種に対応

中堅〜大型

M&Aベストパートナーズ

業界特化型(製造・建設・不動産・医療・物流・IT)

着手金・月額0円/中間金250万円または成功報酬の10%

株式価値ベースのレーマン方式

「あり」と記載、具体額は非公開

ビルメン・清掃は公式の注力業界に明記されていない

中堅〜

バトンズ/TRANBI

マッチングプラットフォーム

売り手は原則無料(買い手課金)

売り手は原則無料

ビルメン関連の売却案件を多数掲載(後述)

譲渡価格 数百万〜数千万円が中心

事業承継・引継ぎ支援センター

公的機関(全国47都道府県)

原則無料

無料

令和6年度の第三者承継成約2,132件(全業種・過去最高)

小規模・地方

※手数料は2026年8月時点の各社公式サイト等の公開情報に基づきます。ストライクの最低報酬額は中小企業庁のM&A支援機関登録制度データベース公表値(2026年5月23日時点)を参照しています。

この一覧は口コミや評判ではなく、公式サイトおよび公的データベースで確認できた事実のみを並べています。 「公式に明示なし」「要確認」と書いた項目を推測で埋めるべきではありません。初回面談で必ず書面ベースで確認してください。

※ビルメン・清掃特化をうたうWebサービスの中には、運営法人名・所在地・成約実績がサイト上で確認できないものもあります。相談前に運営会社の実体と、中小企業庁のM&A支援機関登録の有無を確認することをおすすめします。

関連記事: 手数料の仕組みそのものを先に押さえたい方は「M&A費用の相場と手数料の仕組み」「レーマン方式とは?計算例付きで解説」もあわせてご覧ください。

ビルメン・清掃業の売却で「登録と有資格者」が最大の論点になる理由

ビルメンテナンス・清掃業のM&Aが一般的な中小企業M&Aと違うのは、事業価値の土台が「登録(許認可)」と「有資格者の在籍」に載っている点です。 建物や設備ではなく、登録と人が価値を支えているため、スキーム選択を間違えると価値そのものが移転しません。

建築物清掃業登録は、株式譲渡と事業譲渡で扱いが真逆になる

建築物清掃業の登録は都道府県知事(保健所設置市を含む)が事業者に対して与えるもので、有効期間は6年の更新制です。どちらのスキームを選ぶかで結論が変わります。

論点

株式譲渡

事業譲渡

建築物清掃業登録(有効期間6年・更新制)

法人格が存続するため登録は継続。新規申請は不要

登録は承継されない。譲受側が登録を持たなければ新規登録申請が必要

清掃作業監督者の配置

継続。ただし当人が退職すると人的基準を満たせなくなる

譲受側の営業所ごとに配置が必要

公共入札参加資格(全省庁統一資格・自治体独自資格)

原則維持。ただし代表者・所在地・資本金等の変更届が必要

再申請が必要。取得までの期間と等級の再評価が発生

特定技能「ビルクリーニング」・技能実習の外国人材

在留資格は原則維持

雇用契約の再締結・各種届出が個別に必要

実務での選ばれ方

ビルメン・清掃業M&Aでは株式譲渡が選ばれやすい

譲受側がすでに登録を持つ同業、または事業の一部だけを切り出す場合に限られる

出典:東京都健康安全研究センター「建築物清掃業」(登録の有効期間・清掃作業監督者の兼務禁止・物的基準・従事者研修の実施義務)、日本財務戦略センター ビルメン・清掃業M&Aページ(いずれも2026年8月確認)
※登録要件や手続きの運用は管轄の都道府県・保健所設置市によって異なります。 最終的な確認は管轄自治体および行政書士・弁護士にご相談ください。

有資格者が「1人だけ」の会社は減額・破談の火種になる

ビルメン・清掃業では、資格者の頭数が事業継続の前提条件になります。買い手が最も丁寧に見るのもここです。

  • 清掃作業監督者は登録営業所ごとの配置が必要で、他の登録営業所・他の登録業種との兼務ができません。 講習会修了証書の有効期限管理も求められます。
  • 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、延床面積3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)の特定建築物で選任が義務づけられています。この資格者を確保できているかが、特定建築物の管理契約を維持できるかに直結します。
  • ビル管理士試験の合格率は、例年10〜20%台で推移してきました。第55回(令和7年度)は受験者7,131人・合格者2,180人で合格率30.6%と例外的に高い年でしたが、中途採用市場で確保しやすい資格ではありません。

出典:日本建築衛生管理教育センター 第55回(令和7年度)建築物環境衛生管理技術者試験 合格者発表(2026年8月確認)

実務上ありがちなのが、有資格者がオーナー社長本人、あるいは高齢の役員1名だけというケースです。この場合、買い手は「クロージング後に登録要件を満たせなくなる」リスクを織り込むため、価格の減額交渉や、オーナーの一定期間の在籍(ロックアップ)を条件に持ち出してきます。

管理受託契約のCOC条項は、株式譲渡でも解除リスクになる

ビルメン・清掃業の事業価値の中核は、ビルオーナー・不動産管理会社・病院・自治体との継続的な管理受託契約です。ここで見落とされやすいのが、契約書にチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項が入っているケースです。

COC条項があると、株式譲渡で支配権が移った時点で、発注者の事前承諾が必要になったり、発注者側が契約を解除できたりします。株式譲渡なら契約は自動的に承継されるという一般論だけで進めると、成約後に主要顧客を失うことがあります。

  • 売却を検討し始めたら、売上上位の顧客から順に契約書のCOC条項の有無を確認する
  • 条項がある場合、いつ・誰が発注者に説明するかを仲介会社と事前に設計する
  • 官公庁・病院案件は、契約変更に議会承認や院内手続きが必要な場合があり、想定より時間がかかる

※契約書の解釈や発注者との交渉方法は個別性が高いため、契約条項の最終判断は弁護士にご相談ください。

関連記事: COC条項の仕組みは「チェンジオブコントロール(COC)条項とは」、スキーム選択そのものは「株式譲渡 vs 事業譲渡|どっちがいい?」で詳しく解説しています。

初回面談で「この論点を先に持ち出してくるか」で見分ける

仲介会社がこの業界に慣れているかどうかは、初回面談で簡単に判別できます。こちらが説明する前に、登録の承継・清掃作業監督者の後任・入札資格の変更届・主要契約のCOC条項について質問が出てくるかどうかです。財務数値の話しかしない担当者は、ビルメン・清掃業の実務経験が乏しい可能性があります。

相談先は4タイプに分かれる

ビルメン・清掃会社の売却を支援してくれる相手は、大きく4つに分類できます。得意な規模帯が明確に違うため、「良い会社」ではなく「自社の規模に合う会社」を選ぶ発想が重要です。

タイプ1:業界特化・中小特化型(インテグループ/日本財務戦略センター/経営承継支援)

中小企業のM&Aを主戦場とし、ビルメン・清掃業向けの専用ページや相談窓口を持つタイプです。

  • メリット: 最低報酬額が大手より低い水準に設定されていることが多く、譲渡価格1億円前後の案件でも手数料率が現実的に収まる。登録・資格者の論点に慣れている担当者に当たりやすい
  • デメリット: 買い手候補の母数は大手に劣る場合がある。会社によって手数料の開示度合いに差がある

タイプ2:大手・上場仲介型(日本M&Aセンター/M&Aキャピタルパートナーズ/M&A総合研究所/ストライク)

全業種を扱う上場仲介会社です。ビルメン業界の専門ページやニュースを継続的に更新している会社もあります。

  • メリット: 上場ビルメン企業・警備大手・不動産管理会社・PEファンドなど、異業種を含む買い手に打診できる幅が最大の強み。地銀・会計事務所ネットワークを持つ会社は地方案件の買い手探索にも厚みがある
  • デメリット: 最低報酬額が高く、公式に明示していない会社が多い。着手金や移動総資産ベースのレーマン方式を採用する会社では、費用負担が最も重くなりやすい

タイプ3:マッチングプラットフォーム(バトンズ/TRANBI)

売り手が案件を掲載し、買い手が直接アプローチする形式です。売り手は原則無料で利用できます。

  • 2026年8月28日時点で、バトンズの「ビルメンテナンス」カテゴリには141件の売却案件が掲載されており、譲渡希望価格は200万円〜17億円と幅があります。地域別では関東68件、関西26件、東海14件などです。
  • TRANBIの「不動産管理・清掃・ビルメンテナンス」カテゴリには73件が掲載され、価格帯は0円〜7億5,000万円。海外案件も含まれます。
  • 注意点: 登録の承継設計・入札資格の変更届・COC条項の交渉は、自力または別途専門家に依頼する必要があります。手数料は安く済んでも、実務の負担は売り手側に残ります。

出典:バトンズ ビルメンテナンス売却案件一覧、TRANBI 不動産管理・清掃・ビルメンテナンスカテゴリ(いずれも2026年8月28日確認。掲載件数は日々変動します)

タイプ4:公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)

全国47都道府県に設置された公的窓口で、相談は原則無料です。令和6年度の第三者承継(M&A)成約は2,132件と過去最高を記録しています(全業種)。

まず相場観と選択肢を知りたい段階、あるいは譲渡価格が数百万〜数千万円規模で民間仲介の最低報酬に見合わない場合の現実的な選択肢です。

出典:中小機構「令和6年度 事業承継・引継ぎ支援センターの実績」(2026年8月確認)

関連記事: 公的窓口の使い方は「事業承継・引継ぎ支援センターとは?活用ガイド」、プラットフォームの比較は「M&Aマッチングプラットフォーム比較」で解説しています。

各社の詳細解説|業界特化・中小特化型

完全成功報酬制の中小企業向けM&A仲介会社 M&A総合研究所の公式サイトイメージ

インテグループ|完全成功報酬+株価レーマンで、中堅ビルメンの手数料が読みやすい

インテグループは中堅・中小企業のM&Aを手がける仲介会社で、ビルメンテナンス業界の支援ページを別途運営しています。着手金・中間金・月額報酬がすべて0円で、費用が発生するのはクロージング完了時のみです。

項目

内容

着手金・中間金・月額報酬

すべて0円

成功報酬

株価レーマン方式(5億円以下5%/5〜10億円4%/10〜50億円3%/50〜100億円2%/100億円超1%)

最低報酬額

1,500万円(税別)

算定基準

株価(負債を含まない)

対象規模

一般的なビルメン会社なら売上3億円程度から。病院清掃・大規模商業施設など専門特化ならより小規模でも対応可と明記

出典:インテグループ公式サイト 手数料ページ・ビルメンテナンス業界ページ(2026年8月確認)

強み:

  • 算定基準が「株価」。負債を含む移動総資産ベースの会社と比べ、車両・清掃機材のリースや運転資金借入を抱えるビルメン会社では手数料に大きな差が出ます
  • 成約例として「売上16億円の企業を投資ファンドへ譲渡」「売上6億円の企業をロールアップ戦略を進める投資会社へ売却」を公開しており、ファンド・ロールアップ勢の買い手を持っている点が実務的な強み
  • 最低報酬1,500万円は、本記事で公表値を確認できた上場仲介(ストライクの仲介2,000万円)より低い水準です。ただし最低報酬を公表していない大手もあるため、横並びの断定はできません

注意点:

  • 最低報酬1,500万円のため、譲渡価格が1.5億円を下回ると手数料率が実質10%を超えます。 年商1〜2億円の会社には向きません
  • 対象規模の目安が売上3億円程度からとされており、小規模案件は専門特化の有無で判断が分かれます

こんな会社におすすめ: 年商3億円以上で、同業だけでなくファンドやロールアップ投資会社への譲渡も選択肢に入れたいビルメン会社

日本財務戦略センター|最低報酬700万円。地場ビルメン・清掃会社のボリュームゾーンに合う

日本財務戦略センターは、ビルメン・清掃業M&A専用のページ(都道府県別ページを含む)を運営する中小特化の支援会社です。完全成功報酬制で、最低報酬額を700万円と公表しています。

項目

内容

着手金

0円

成功報酬

完全成功報酬制

最低報酬額

700万円

主対象

年商2億〜4億円・従業員35〜60名規模の地場ビルメン会社。譲渡対価1,000万〜3,000万円のスモール案件にも対応と明記

業界固有の訴求

建築物清掃業登録の承継、清掃作業監督者・ビル管理士の継続配置、公共入札参加資格の変更届、外国人材の在留資格を一体で設計

出典:日本財務戦略センター ビルメン・清掃業M&Aページ(2026年8月確認)

強み:

  • 最低報酬700万円は、本記事で公表値を確認できた中では低い水準。譲渡価格1億円前後の案件で手数料率が現実的に収まります
  • ビルメン・清掃業に固有の論点(登録・資格・入札・外国人材)を公式ページで明示しており、初回面談での認識合わせが早い
  • 同社はM&A支援機関の手数料を比較できる自社運営サイトも公開しており(2026年8月確認)、費用開示に対する姿勢は確認しやすい部類です

注意点:

  • 中間金の有無・成功報酬の具体的な料率は公式で確認できませんでした。契約前に書面で確認が必要です
  • 上場大手と比べると、大企業・上場企業を買い手とする案件でのネットワークは要確認

こんな会社におすすめ: 年商1〜4億円で、登録・有資格者の承継をきちんと設計してもらいながら、手数料負担を抑えたい地場のビルメン・清掃会社

経営承継支援|相談・着手金無料。ただし手数料の詳細は要確認

経営承継支援は中小企業のM&Aを扱う支援会社で、公式サイトで相談無料・着手金無料を明記しています。業種別コラムでビルメン・清掃業を扱っています。

ただし、成功報酬の料率・中間金の有無・最低報酬額は公式サイトで確認できませんでした(2026年8月時点)。 本記事では金額を断定しません。比較検討する場合は、初回面談で必ず手数料体系表を書面で受け取り、他社と同じ条件で比較してください。

こんな会社におすすめ: まず着手金なしで複数社に並行相談したい段階の会社。ただし最低報酬額を確認するまでは他社と横並びで比較できない点に留意

なお、ビルメン・清掃業の業種別コラムを運営する仲介会社は他にもありますが、自社の料金体系を公開していないケースが少なくありません。料金非公開の会社を候補に入れる場合は、必ず初回面談で書面提示を求めてください。

各社の詳細解説|大手・上場仲介型

大手M&A仲介会社の代表格である日本M&Aセンターの公式サイトイメージ

日本M&Aセンター|買い手の幅は最大。ただし手数料負担も最も重くなりやすい

日本M&Aセンター(東証プライム)は、ビルメンテナンス業界の専門ページと業界M&Aニュース一覧を継続運営している最大手です。ハリマビステム、イオンディライトなど上場企業案件の動向も更新しています。公式サイトでは累計成約10,000件超、M&A成約支援件数でギネス世界記録に5年連続認定と公表しています(出典:日本M&Aセンター公式サイト、2026年8月確認)。

強み:

  • 地銀・会計事務所ネットワークが厚く、地方のビルメン会社でも買い手候補を広く探索できる
  • 上場ビルメン企業・警備大手・不動産管理会社など、異業種を含む買い手への打診力
  • 業界再編ニュースを継続的に追っており、同業の動向に関する情報量が多い

注意点:

  • 着手金が発生します(企業評価料・企業概要書作成費用・データシステム料を含む形で、譲渡側は調査・資料作成の開始時)。具体額は案件により設定され、公式には明示されていません
  • 成功報酬の算定基準が移動総資産ベース。株価ベースの会社と比べ、負債を抱えるビルメン会社では報酬総額が膨らみやすい構造です
  • 最低報酬額は公式に明示されていません(要確認)

こんな会社におすすめ: 年商10億円以上で、上場企業や異業種大手を含む幅広い買い手を検討したいビルメン会社

関連記事:日本M&Aセンターとは?手数料・強み・評判を徹底解説

M&Aキャピタルパートナーズ|着手金無料・株価レーマン。ビルメンの自社実績は公式で確認できず

M&Aキャピタルパートナーズ(東証プライム)は、着手金・月額報酬が無料で、成功報酬は株価レーマン方式を採用しています。算定基準が株価であるため、負債を抱える会社では移動総資産ベースより報酬が抑えられます。

強み:

  • 着手金・月額報酬が無料で、買い手候補が見つかるまで費用が発生しない
  • 株価レーマン方式のため、リース債務・借入金の多いビルメン会社でも報酬が読みやすい

注意点:

  • 中間金として手数料総額の約10%が基本合意時に発生します
  • 同社はビルメンテナンス業界のM&Aニュースを掲載していますが、同社がビルメン・清掃業で支援した成約実績は、本記事の調査では公式に確認できませんでした。 業界実績を重視する場合は、初回面談で自社支援案件の有無を直接確認してください
  • 最低報酬額は公式に明示されていません(要確認)

こんな会社におすすめ: 年商10億円規模以上で、着手金リスクなく大手に相談したい会社。ただしビルメン領域の担当実績は面談で確認が必要

関連記事:M&Aキャピタルパートナーズとは?特徴・手数料・評判

M&A総合研究所|譲渡企業は完全成功報酬。ビルメン専用ページで対象規模を明示

M&A総合研究所(東証グロース)は、ビルメンテナンス専用ページを運営し、対象を売上約1億円〜約100億円と明記しています。譲渡企業側は着手金・中間金・月額報酬がすべて0円の完全成功報酬制です。

強み:

  • 譲渡企業は完全成功報酬制で、成約しなければ費用が発生しない
  • 対象規模を売上約1億円からと明示しており、年商1〜3億円の地場ビルメン会社でも受任の可能性がある点は大手の中では珍しい
  • 成約スピードの指標として「最短43日/平均7.2ヶ月」を公表(出典:M&A総合研究所公式サイト、2026年8月確認)

注意点:

  • 最低報酬額は公式に明示されていません(要確認)。完全成功報酬でも、最低報酬が高ければ小規模案件では割高になります
  • 買収企業側からは中間金と成功報酬を徴収する体系です
  • ビルメン・清掃業に特化した専門チームの有無は公式で確認できませんでした

こんな会社におすすめ: 年商1〜10億円で、着手金ゼロかつスピード重視で進めたいビルメン・清掃会社

関連記事:M&A総合研究所とは?手数料・評判・特徴を徹底解説」「M&A総合研究所(クオンツ総研HD)の最新動向

ストライク|オーナー受取額レーマンは有利。ただし最低報酬2,000万円がハードル

ストライク(東証プライム)は着手金無料で、成功報酬の算定基準にオーナー受取額を採用しています。売り手が実際に受け取る金額をベースにするため、算定基準としては売り手に有利な部類です。

注意点として最も大きいのが最低報酬額です。 中小企業庁のM&A支援機関登録制度データベースの公表値(2026年5月23日時点)では、仲介2,000万円/FA3,000万円とされています。譲渡価格が数億円以下の案件では、算定基準の有利さを最低報酬が打ち消してしまいます。

こんな会社におすすめ: 譲渡価格4億円以上が見込め、算定基準の有利さを活かせる規模のビルメン会社

関連記事:ストライクとは?M&A仲介の特徴・手数料・評判

M&Aベストパートナーズ|株式価値ベースだが、ビルメンは公式の注力業界に含まれない

M&Aベストパートナーズは、製造・建設・不動産・医療・物流・ITを注力領域とする業界特化型です。着手金・月額報酬0円、成功報酬は株式価値ベースのレーマン方式、中間金は基本合意時に250万円または成功報酬の10%です。

ビルメンテナンス・清掃業は公式の注力業界リストに明記されていません。 隣接する不動産・建設の知見を活かせる可能性はありますが、業界実績を重視するなら初回面談でビルメン領域の担当実績を確認してください。最低報酬額は「あり」と記載されているものの、具体額は非公開です。

手数料は「完全成功報酬かどうか」より「算定基準」で決まる

レーマン方式の算定基準と最低報酬額を電卓と資料で比較検討するイメージ

ビルメン・清掃業のM&Aでは、同じ料率5%でも、算定基準の違いで報酬が倍近く変わることがあります。 車両・清掃機材のリース債務や運転資金借入を抱えやすい業界だからです。ここは他業種以上に確認が必要なポイントです。

算定基準は主に4種類ある

算定基準

何に料率をかけるか

売り手にとっての有利さ

採用例

株価/オーナー受取額

株式の譲渡価格(=オーナーが受け取る金額)

最も有利

インテグループ、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク

株式価値

株式の評価額

有利

M&Aベストパートナーズ

企業価値

株価+有利子負債

不利

会社により採用

移動総資産

株価+負債総額

最も不利

日本M&Aセンター ほか

年商3億円のビルメン会社での試算

前提を置いて比較します。譲渡価格(株価)1.5億円/有利子負債5,000万円/負債総額1.2億円(買掛金・未払費用・リース債務を含む)のケースです。料率はいずれも5億円以下の区分5%とします。

算定基準

計算式

成功報酬(計算値)

株価/オーナー受取額

1.5億円 × 5%

750万円

企業価値(株価+有利子負債)

2.0億円 × 5%

1,000万円

移動総資産(株価+負債総額)

2.7億円 × 5%

1,350万円

同じ「5%」でも、株価ベースと移動総資産ベースで600万円の差が出ます。

さらに最低報酬額が上書きする

上の試算はあくまで料率計算の結果です。実際には最低報酬額が設定されていれば、そちらが適用されます。

会社

最低報酬額(公表値)

この案件での実際の報酬

実質手数料率

日本財務戦略センター

700万円

計算値が上回れば計算値、下回れば700万円

約5%

インテグループ

1,500万円

1,500万円(計算値750万円を上回るため)

約10%

ストライク

2,000万円(仲介)

2,000万円

約13%

日本M&Aセンター等

公式に明示なし

要確認

要確認

譲渡価格1.5億円のケースでは、「株価レーマンで有利」なはずのインテグループの方が、最低報酬の低い会社より実質負担が重くなります。 算定基準と最低報酬額はセットで確認しないと、比較になりません。

初回面談では、次の4点を必ず書面で確認してください。

  1. 成功報酬の算定基準(株価/オーナー受取額/企業価値/移動総資産のどれか)
  2. 最低報酬額(税別か税込か)
  3. 着手金・中間金・月額報酬の有無と金額、返還条件
  4. 成功報酬以外の実費(デューデリジェンス費用、企業概要書作成費、交通費など)

なお、成功報酬には別途消費税が課されます。手取り額を試算する際は税込ベースで考えてください(詳しくは「M&A仲介手数料の消費税・インボイス対応ガイド」)。税務上の取り扱いの詳細は税理士にご相談ください。

また、中小企業庁のM&A支援機関登録制度のデータベースでは、登録業者の手数料体系が公表されています。公式サイトで最低報酬額を開示していない会社でも、ここで確認できる場合があります。

関連記事:最低報酬が安いM&A仲介会社 比較」「M&A仲介会社の手数料比較 完全ガイド

買い手のタイプで、選ぶべき仲介会社が変わる

ビルメン・清掃業のM&Aで見落とされがちなのが、買い手の顔ぶれが同業だけではないという点です。誰に売るかを想定してから仲介会社を選ぶと、ミスマッチが減ります。

直近の業界再編で見えている買い手の広がり

時期

案件

内容

2026年7月

シンメンテホールディングス × 三機サービス

株式交換による対等の精神での経営統合

2025年7月

ハリマビステム → 武蔵野通信

電気工事・電気通信工事会社を株式譲渡で取得。周辺領域への拡大

2025年4月

イオン → イオンディライト

TOB成立により上場廃止見込み。ビルメン最大手の非公開化

2025年4月(発表3月)

ハリマビステム(9780) → アイワサービス

関西の病院清掃主力企業(売上高10億7,000万円・営業利益1億6,400万円/2024年6月期)の全株式取得。取得価額は非公表

2024年10月

ハリマビステム → エヌケー建物管理

株式追加取得による完全子会社化

2024年9月

ALSOK(綜合警備保障) → カンソー

大阪のビルメン+警備会社を完全子会社化

2023年4月

イオンディライト → アスクメンテナンス(熊本市)

九州の事業基盤拡大

2020年12月

穴吹ハウジングサービス → 建衛工業(札幌)

北海道エリア拡大

出典:ハリマビステム公式リリース、日本M&Aセンター 業界M&Aニュース、各社公表資料(2026年8月確認)。2020〜2024年の一部案件は業界メディア報道に基づく二次情報のため、詳細条件は各社の公表資料でご確認ください。

買い手タイプ別・相性のよい相談先

想定する買い手

買収の狙い

相性のよい相談先

同業のビルメン大手(イオンディライト、日本管財、ハリマビステム等)

エリア拡大・業務区分の補完

業界特化型、大手上場仲介のいずれも可

警備・設備工事・不動産管理などの隣接業種

クロスセル・複合管理の実現

大手上場仲介(異業種への打診力が必要)

PEファンド・ロールアップ投資会社

業界再編・複数社の統合

インテグループなどファンド案件の実績がある会社

地場の同業・取引先

人員と契約の確保

事業承継・引継ぎ支援センター、プラットフォーム

年商5億〜15億円のビルメン会社は、上場ビルメン企業によるロールアップ型買収の対象になりやすい規模帯です。この規模なら、同業大手とファンドの両方に打診できる先を選ぶ価値があります。

関連記事: 隣接業種のM&A事情は「警備業のM&A仲介会社 おすすめ」「電気工事・設備工事業のM&A仲介会社 おすすめ」「不動産業のM&A仲介会社 おすすめ」も参考になります。

ビルメン・清掃会社の売却価格の目安と、評価を上げる5つの要素

ビルメン・清掃会社の譲渡価格は、実務上「時価純資産+営業権(営業利益またはEBITDAの数年分)」で組み立てられることが多いとされています。ただしこれは目安であり、実際の価格は買い手のシナジーと交渉で決まります。

算定の考え方

目安

年買法

時価純資産 + 営業利益の2〜5年分

EBITDAマルチプル

EBITDA×5〜7倍とする解説もあるが、中小案件のボリュームゾーンは3〜5倍

出典:業界メディア各社の解説(2026年8月確認)。いずれも二次情報であり、実際の評価は個別案件ごとに大きく変動します。 正確な評価は仲介会社・公認会計士・税理士など専門家の査定をご利用ください。

実際の掲載事例では、バトンズのビルメンテナンスカテゴリで譲渡希望価格200万円〜17億円と広い分布が確認できます(2026年8月28日時点)。

価格が上がる5つの要素

ビルメン・清掃業で買い手が高く評価するのは、次の5点です。このうち複数を売却前に整えられるかどうかで、提示額が変わります。

  1. 長期の管理受託契約の存在 — 特定建築物・病院・官公庁など、解約されにくい契約を持っているか
  2. 有資格者の在籍と残留意思 — ビル管理士・清掃作業監督者が複数名いるか、M&A後も残る意思があるか
  3. 公共入札の等級と実績 — 官公庁案件の受注実績と等級は、買い手が自力で得るのに時間がかかる資産
  4. 離職率の低さと人員充足率 — 現場が回っている会社であること自体が価値になる
  5. 単一顧客への依存度の低さ — 1社で売上の大半を占める構造は、COC条項リスクとセットで減額要因になりやすい

逆に、有資格者がオーナー1名のみ、主要顧客1社への依存度が高い、現場の欠員が常態化しているといった状態は、価格交渉で不利に働きます。売却の1年前から改善に着手する価値があります。

関連記事:M&A 売却価格を上げる方法」「会社売却 準備チェックリスト

ビルメン・清掃業界の現状データ(2025〜2026年)

ビルメンテナンス・清掃業界の市場規模と人手不足に関する統計データのイメージ

売却の判断材料として、業界の足元の数字を整理します。価格転嫁が進む一方で人手不足が構造的に続いているのが現在の姿です。

売上は伸びているが、経営課題の1位は13年連続で人員確保

全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2026」(第56回実態調査、調査期間2025年10月24日〜12月5日、回収1,060事業所)によれば、

  • 2024年度のビルメンテナンス業務平均売上高は約19.4億円(前年度比+4.7%)、2025年度見通しは+6.3%
  • 契約改定率(2025年度)は官公庁6.2%/民間10.0%と、前回調査を大きく上回る価格転嫁の進展
  • 経営課題の1位は「現場従業員が集まりにくい」88.5%で、13年連続の1位。 「現場管理者が育ちにくい」55.1%、「専門技術者の確保」47.1%が続く
  • パートタイマー時給は過去最高を更新(一般清掃1,128円/警備1,176円)

出典:全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2026」(2026年8月確認)

市場規模は「定義」で数字が2倍以上変わる

  • 矢野経済研究所「2025年版 ビル管理市場の実態と展望」では、2024年度の国内ビル管理市場規模は5兆1,615億円(前年度比106.9%)
  • 一方、全国ビルメンテナンス協会の会員ビルメン業務売上ベースの推計では、媒体により約2.2兆円〜約4.6兆円と幅があります

「ビルメン市場は◯兆円」という数字を目にしたら、どの定義に基づくかを必ず確認してください。 買い手側の資料でも定義がずれていることがあります。

労働集約型サービス業全体で人手不足倒産が過去最多

帝国データバンクの調査では、2025年度の人手不足倒産は441件(前年度比1.3倍)で過去最多、「従業員退職型」も118件で過去最多となりました。建設・道路貨物運送・老人福祉・飲食・労働者派遣といった労働集約型の業種で顕著です。

※ビルメン・清掃業に限定した倒産件数は公表資料で確認できなかったため、労働集約型サービス業全体の傾向としてご覧ください。

また、全国の後継者不在率は50.1%(2025年、7年連続改善・過去最低)まで下がっていますが、依然として2社に1社は後継者が決まっていない状況です。

出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」(いずれも2026年8月確認)

外国人材の在籍は、売却時の実務論点になる

特定技能「ビルクリーニング」分野の在留外国人は、2024年末時点で6,140人(2023年末3,520人から約74%増)と急増しています。株式譲渡なら在留資格は原則維持されますが、事業譲渡では雇用契約の再締結や届出が個別に必要です。

外国人材を雇用している会社は、受入れ機関としての届出内容・支援計画の引き継ぎを仲介会社と早い段階で共有してください。数値は出入国在留管理庁の公表値に基づく二次引用のため、最新の人数は同庁の公表資料でご確認ください。手続きの詳細は行政書士・社会保険労務士への相談をおすすめします。

仲介会社を選ぶときの7つのチェックリスト

複数社に相談する際は、全社に同じ質問をして回答を並べるのが最も効率的です。以下の7項目をそのまま面談で使えます。

  1. 登録の承継設計 — 「建築物清掃業登録は、株式譲渡と事業譲渡でどう扱いが変わりますか」。この質問に即答できない担当者は業界経験が浅い可能性があります
  2. 有資格者の後任確保 — 「清掃作業監督者・ビル管理士が退職した場合、買い手はどうリスクを見ますか」。減額交渉の材料になる論点を先回りできるか
  3. 公共入札資格の扱い — 官公庁案件がある場合、「変更届で維持できるか、再申請が必要か」を案件ごとに整理してくれるか
  4. 主要契約のCOC条項 — 「上位顧客の契約書を確認すべきという指摘」が向こうから出てくるか
  5. 手数料の算定基準と最低報酬額 — 株価か移動総資産か、最低報酬はいくらか。書面での提示を求める
  6. 買い手候補の顔ぶれ — 同業だけか、警備・設備・不動産管理・ファンドまで打診できるか。実際の打診先リストのイメージを聞く
  7. 契約条件 — 専任義務の有無、テール条項の期間と範囲、中小M&Aガイドライン(第3版)の遵守宣言をしているか

特に7番は軽視されがちです。 ビルメン・清掃業は地場の同業や取引先のビルオーナーから直接打診が来ることもあり、専任契約の縛りが不利に働く場面があります。専任契約を結ぶ場合は、期間とテール条項の範囲を必ず確認してください。

関連記事:M&A仲介会社の選び方ガイド」「M&A 専任契約 vs 非専任契約」「M&A テール条項とは

仲介手数料は補助金の対象になる場合がある

中小企業庁の事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)では、M&A仲介手数料・FA費用・デューデリジェンス費用が補助対象になります。枠の組み合わせにより最大2,000万円が上限です。

ここで重要なのが、補助対象になるのは中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された仲介会社・FAに支払った手数料に限られるという点です。未登録の業者に依頼すると、補助金は使えません。

  • 直近では2026年の15次公募について、公募要領の公開と申請受付(2026年6月中旬〜7月下旬)が実施されました
  • 本記事の確認時点(2026年8月)では、次回公募の時期は公表されていません。 公募回・締切・要件は年度ごとに変わるため、最新情報は必ず中小企業庁および補助金事務局の公式サイトでご確認ください

出典:中小企業庁/ミラサポplus 事業承継・M&A補助金(2026年8月確認)

登録の有無は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度データベースで検索できます。仲介会社を絞り込む前に、候補全社の登録状況を確認しておくと無駄がありません。

関連記事:事業承継・M&A補助金(2026年最新)

こんなビルメン・清掃会社にM&Aはおすすめ

以下に当てはまる場合、売却の検討を始める価値があります。

  • 後継者が決まっておらず、オーナー自身が現場の有資格者を兼ねている — 事業継続の前提が1人に依存しており、時間が経つほど選択肢が狭まります
  • 募集をかけても現場の人員が集まらず、受注を断っている — 大手傘下に入ることで採用力と教育体制を確保できるケースがあります
  • 官公庁・病院など安定した長期契約を持っている — 買い手が最も評価する資産があり、条件交渉で優位に立てます
  • 年商5億〜15億円で、エリア内に一定の顧客基盤がある — 上場ビルメン企業のロールアップ対象になりやすい規模帯です
  • 設備投資(機材更新・システム化)の負担が重くなっている — 資本力のある買い手の傘下で解決できる可能性があります

おすすめしないケース

一方、次の場合は先に別の手当てを検討したほうが結果が良くなります。

  • 有資格者がオーナー1名のみで、後任の目処が全くない — この状態で売りに出すと、登録維持リスクを理由に大幅な減額を受けやすい。まず資格者の採用・育成に着手してから交渉するほうが有利です
  • 売上の大半を1社に依存し、その契約にCOC条項がある — 承諾が得られるかを確認しないまま進めると、成約後に事業が空洞化します
  • 現場の欠員が常態化し、契約の履行が不安定 — 買い手はデューデリジェンスで必ず気づきます。人員体制を立て直してからのほうが評価は上がります
  • 親族・従業員に承継の意思がある — 親族内承継や従業員承継(MBO・EBO)のほうが、税制の特例を含めて有利になる場合があります(適用可否は税理士にご確認ください)
  • 単に「高く売りたい」だけで、従業員の処遇に関心がない — ビルメン・清掃業の価値は現場の人員そのものです。人が残らない前提の売却は買い手が付きません

関連記事:事業承継とは?M&Aとの違い」「M&Aか廃業か 比較・判断基準

よくある質問(FAQ)

Q. 事業譲渡で売る場合、建築物清掃業登録はどうなりますか?

登録は承継されません。 譲受側がすでに同じ登録を持っていれば問題ありませんが、持っていない場合は新規登録申請が必要になります。申請から登録までの期間中は、その法人として登録業者の表示ができないため、特定建築物の管理契約に影響が出る可能性があります。ビルメン・清掃業で株式譲渡が選ばれやすいのはこのためです。実際の手続きと所要期間は管轄自治体によって運用が異なるため、管轄の都道府県・保健所設置市および行政書士にご確認ください。

Q. 官公庁の入札案件が多いのですが、株式譲渡なら等級は維持されますか?

株式譲渡であれば法人格が継続するため、入札参加資格は原則として維持されます。ただし代表者・所在地・資本金などが変わる場合は変更届が必要です。事業譲渡の場合は譲受側での再申請となり、等級の再評価が発生します。全省庁統一資格と自治体独自資格で手続きが異なるため、主要な発注機関ごとに個別確認が必要です。

Q. パート・アルバイトが多い会社ですが、雇用は引き継がれますか?

株式譲渡であれば、雇用形態にかかわらず雇用契約はそのまま継続します。事業譲渡の場合は、個々の従業員の同意を得たうえで新たに雇用契約を結ぶ必要があります。ビルメン・清掃業では現場人員の確保そのものが買収動機になっているケースが多く、実務上は雇用継続が交渉の前提になることがほとんどです。労務条件の変更を伴う場合は、社会保険労務士・弁護士への相談をおすすめします。

Q. 赤字が続いていますが売却できますか?

赤字でも成約する例はあります。ビルメン・清掃業の場合、買い手が評価するのは利益だけでなく、管理受託契約・有資格者・入札実績・現場人員だからです。ただし赤字の理由(一時的な受注減か、構造的な採算割れか)で評価は大きく変わります。契約単価の見直し余地があるなら、価格転嫁を進めてから交渉するほうが条件は良くなります。詳しくは「赤字・債務超過会社の売却は可能か」もご覧ください。

Q. 仲介会社に相談すると、従業員に知られてしまいませんか?

正式なアドバイザリー契約を結ぶ前の相談段階では、社名を伏せた形で進めるのが通常です。ビルメン・清掃業は地域内の同業ネットワークが密で、情報が伝わりやすい業界でもあります。買い手候補への打診リストを事前に共有してもらい、打診してほしくない先を除外できるかを初回面談で確認してください。

Q. 複数の仲介会社に同時に相談してもいいですか?

初回相談の段階では複数社への相談が推奨されます。手数料の算定基準や最低報酬額は面談で初めて開示されることが多く、比べないと判断できないためです。ただし専任契約を結ぶと他社への依頼ができなくなるため、契約書の専任条項とテール条項の内容を確認したうえで締結先を決めてください。

まとめ

ビルメンテナンス・清掃会社の売却で仲介会社を選ぶ際の要点を整理します。

規模別の考え方:

  • 年商1億円未満 → 事業承継・引継ぎ支援センター(無料)、バトンズ・TRANBI
  • 年商1〜3億円 → 日本財務戦略センター、M&A総合研究所などの低ミニマムフィー・完全成功報酬型
  • 年商3〜10億円 → インテグループ、M&A総合研究所に加え、大手上場仲介も比較対象
  • 年商10億円以上 → 日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズなど買い手の幅で選ぶ

業界固有で必ず確認すること:

  1. 建築物清掃業登録がスキームごとにどう扱われるか
  2. 清掃作業監督者・ビル管理士の後任をどう確保するか
  3. 公共入札参加資格は変更届で維持できるか、再申請が必要か
  4. 主要な管理受託契約にCOC条項が入っていないか
  5. 特定技能・技能実習の外国人材の在留資格・支援体制をどう引き継ぐか

費用で必ず確認すること:

  • 成功報酬の算定基準(株価/オーナー受取額/企業価値/移動総資産)
  • 最低報酬額(公式非開示なら書面での提示を求める)
  • 着手金・中間金・実費の有無
  • 中小企業庁のM&A支援機関登録の有無(補助金の可否に直結)

次にやること: 自社の年商規模の行に載っている2〜3社に無料相談を申し込み、本記事の7つのチェックリストを同じ順番で質問してください。回答の具体性に、そのまま業界経験の差が出ます。

※本記事は公開情報をもとにした一般的な解説です。登録・入札資格・税務・契約に関する最終的な判断は、管轄自治体および行政書士・税理士・弁護士など専門家にご相談ください。

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