中小M&A資格試験(仮称)とは、中小企業のM&A支援に携わる「個人」の知識・スキルと倫理観を公的に証明するために、中小企業庁が運営主体となって新たに創設する資格試験です。 現時点で公表されている試験の形は「4科目・60問程度・120分・CBT方式・合格基準は総得点の70〜80%程度」で、2026年5月1日に実施委託先として株式会社銀行研修社が採択されています(出典: 中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」2026年3月17日、同「委託先の採択結果」2026年5月1日/確認日 2026-08-30)。
ただし、初回試験の実施日・受験料・受験資格は2026年8月30日時点で未公表です。ネット上には「2027年1〜2月実施」「5科目」「約50問」といった記述も見られますが、中小企業庁の一次資料には根拠がありません。この記事では、一次資料に書かれていることと、まだ書かれていないことを明確に分けて整理します。
この記事でわかること
- 中小M&A資格試験の制度概要と、業務独占資格ではないという位置づけ
- 4科目の出題割合と、60問とした場合の科目別出題数の目安
- 試験範囲を「特に重要度が高く優先的に出題する項目」まで科目別に収録
- 本試験最大の特徴である「禁忌肢」の仕組みと、公開されているサンプル問題の中身
- 日程・受験料について、確定していることと未公表のことの線引き
- 出題割合から逆算した学習配分と対策の考え方
- 会社売却を考える経営者が、この資格をアドバイザー選びでどう見るべきか
対象読者: これから受験を検討しているM&A仲介・FA・金融機関・士業の実務担当者と、会社の売却を検討していてアドバイザーの質を見極めたい経営者の方です。
重要な前提: 以下で紹介する試験制度の内容は、すべて2026年3月17日に中小企業庁が公表した「現状案」です。資料3(試験科目一覧)の冒頭にも「あくまで来年度以降の試験実施に向けた現状案であり、今後、試験実施に係る試験案内等で公表する際には変更が生じうる点に留意」と明記されています。最終的な内容は公式の試験案内で必ず確認してください。
中小M&A資格試験とはどんな試験か

中小M&A資格試験は、中小企業庁が制度設計・運営主体となり、実際の試験実施は毎期の公募で選ばれた民間団体に委託されるという形をとります。2025年4月に中小企業庁が公表した「【中小M&A専門人材(個人)向け】使命、倫理・行動規範、知識スキルマップ」を土台に設計されており、試験と一体で「合格者登録制度」を運用する予定です。
試験の基本スペック(現状案)
項目 | 内容 |
|---|---|
名称 | 中小M&A資格試験(仮称)※正式名称は未確定 |
運営主体 | 中小企業庁(試験実施は民間団体へ委託。毎期、公募で選定) |
2026年度の実施受託事業者 | 株式会社銀行研修社(2026年5月1日採択/応募3件) |
試験科目 | 4科目(M&A実務/財務・税務/法務/倫理・行動規範) |
設問数 | 60問程度 |
試験時間 | 120分を想定 |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式。ただし各回は一斉実施 |
実施回数 | 立ち上げ期は年3回程度の受験機会 |
合格基準 | 総得点の70〜80%程度の得点率 |
科目別最低基準 | 50%程度を設定する想定 |
禁忌肢 | 「倫理・行動規範」で設定する方針 |
科目免除 | 立ち上げ期は設定しない(士業でも免除なし) |
難易度の想定 | 一般的な社会人が一定期間の学習を行えば合格できる水準 |
受験料 | 未公表(2026-08-30時点) |
受験資格 | 未公表(2026-08-30時点) |
出典: 中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」(第4回 中小M&A市場の改革に向けた検討会 資料2、2026年3月17日)、同「中小M&A資格試験実施事業 委託先の採択結果」(2026年5月1日)/確認日 2026-08-30
なぜこの資格が作られるのか
創設の背景は、中小企業庁が2026年3月27日に公表した公募要領の「事業目的」に整理されています。要点は次の5つです。
- 中小企業経営者に占める60〜70歳以上の割合が依然として高く、事業承継支援の強化が必要である
- 事業承継・引継ぎ支援センターだけで全中小企業を支援するのは現実的でなく、民間のM&A支援機関の力が不可欠である
- 市場拡大に伴う新規参入増で、不慣れな中小企業者への説明不足や、利益相反状態のまま取引が進む事案など、不適切な支援が発生している
- 経営者保証が解除されないなど、不適切な買い手が排除されない問題が報道等でクローズアップされている
- そこで、質の高い支援ができる専門人材を増やし、外から可視化する仕組みとして本試験を実施する
実際、M&A支援機関登録制度の情報提供受付窓口に寄せられた情報提供数は、2021年度19件 → 2022年度35件 → 2023年度32件 → 2024年度91件 → 2025年度48件(2026年2月現在)と推移しており、中小企業庁は「より深刻なトラブルに繋がりやすい営業以外に関する事案については減少していない」と評価しています(資料2 p21)。
制度の背景をより深く理解したい方は「中小M&Aガイドラインとは?第3版の改訂ポイント」「中小M&A市場改革の方向性」も併せてご覧ください。試験の倫理・行動規範科目は、このガイドラインの内容がそのまま出題母体になっています。
業務独占資格ではない点に注意
合格しても、弁護士・公認会計士・税理士等の士業だけができる独占業務を行えるようにはなりません。 資料2 p5には「本資格試験の合格は、既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではないため、合格者が実務を行う上では、業法に基づく独占業務に抵触しないよう留意を要する」と明記されています。
また、「国家資格」と断定できる根拠も現時点の一次資料にはありません。位置づけとしては「中小企業庁が運営主体となる資格試験+合格者登録制度」であり、宅地建物取引士の重要事項説明のような法律上の独占業務は付与されていません。
ただし資料2 p3には、中小M&Aガイドラインを通じて「M&A支援機関登録制度の登録機関に対して、自社の担当者への当該資格取得の推奨や重要事項説明を当該資格保持者が行うことを求める」ことを検討する、との記載があります。将来的に「重要事項説明は有資格者が行う」という運用に進む可能性はありますが、現時点ではあくまで検討段階です。
4科目の出題割合と配点の考え方

科目は4つで、出題割合は均等ではありません。「M&A実務」と「倫理・行動規範」の2科目だけで全体の6割超を占めます。 ここを知らずに財務・法務から手をつけると、学習配分を誤ります。
試験科目 | 出題割合 | 60問とした場合の目安 |
|---|---|---|
M&A実務(うち中小M&A市場動向・中小企業政策) | 35〜40%程度(うち5%) | 21〜24問程度(うち3問) |
財務・税務(うち税務) | 20〜23%程度(うち3〜5%) | 12〜14問(うち2〜3問) |
法務 | 17〜18%程度 | 10〜11問 |
倫理・行動規範 | 25%程度 | 15問程度 |
合計 | 100% | 60問 |
出典: 中小企業庁 資料2 p11(2026年3月17日公表)/確認日 2026-08-30
中小企業庁は、この配分について「M&A実務と倫理・行動規範の出題割合を他科目より高く設定した」「財務・税務は税務を含むため法務より高く設定した」と説明しています。
各科目が何を測ろうとしているか
- M&A実務: 初期相談からクロージング後の統合(PMI)に至る各段階の専門知識。加えて中小M&A市場の最新動向、中小企業基本法や事業承継支援制度(補助金・税制等)の政策理解。なお「中小M&A市場動向・中小企業政策」に関する設問は必ず出題する想定とされています(資料2 p9 脚注)。
- 財務・税務: 財務・税務リスクを理解し、公認会計士・税理士と適切に連携するための基礎知識。自分で高度な分析をする力ではなく、「論点に気づき、専門家につなげる力」を測る設計です。
- 法務: 会社法・民法・労働法・契約法の基礎に加え、秘密保持・表明保証・クロージング条項といったM&A特有の契約条件の理解。弁護士・司法書士との連携が前提です。
- 倫理・行動規範: 善管注意義務・職業倫理、利益相反の防止、情報管理、法令遵守、広告・営業活動の規範、反社会的勢力の排除など。
合格者像として資料2が挙げているのは「依頼者の意向を把握し、財務・税務、法務の基礎的な知識をもって、M&Aプロセスを進める際に検討が必要な論点を見極め、士業専門家と連携できる水準」です。専門家の代わりになる力ではなく、専門家を適切に呼べる力が問われます。
試験範囲の全体像|科目別・優先出題項目つき
公表されている「試験科目一覧」(資料3)では、範囲が大項目/中項目/小項目の3階層で示され、「●」印で「特に重要度が高く優先的に出題する項目(現状案)」が明示されています。ここでは科目別に、●が付いた優先項目を中心に整理します。
以下はすべて2026年3月17日公表の現状案です。正式な試験案内で変更される可能性があります。
① M&A実務の試験範囲
中項目は次のとおりです。M&A実務の基礎/事前相談/秘密保持契約/アドバイザリー(仲介・FA)契約/バリュエーション/マッチング/意向表明・基本合意/DD(全体・個別)/最終契約/クロージング/クロージング後(PMI)/中小M&A市場動向/中小企業政策。
優先的に出題される項目(●)
- 仲介とFAの違い
- M&Aの提案(M&Aプロセスの目的、支援内容等)
- スキームの初期的な検討:株式譲渡・取得/事業譲渡・取得/会社分割
- 秘密保持契約・アドバイザリー契約における重要事項説明
- バリュエーション:コストアプローチ/金額の算定
- 企業概要書(IM)の作成
- 不適切な譲り受け側に関する調査
- 基本合意書に関する譲り渡し側・譲り受け側への説明・確認
- 実施するDD(財務・税務、法務、ビジネス、IT、環境、不動産等)の種類の検討
- 財務・税務DD/法務DD/人事・労務DDの主な検出事項と対応方法
- 最終契約:リスクの抽出・評価と対応方針/譲り渡し側の経営者保証の扱い/譲渡額/表明保証条項/クロージング条項/クロージング後の誓約事項/リスク事項説明/最終契約の締結
- クロージングの前提条件
- PMIに関する必要な知識・スキル
中小M&A市場動向(中項目)の小項目
- 市場構造: 経営者高齢化と後継者不在の実態/事業承継の選択肢としてのM&Aの定着度合い
- 市場動向: 中小M&A件数(規模別・業種別等)
- プレイヤーと役割: 士業等専門家/金融機関/商工団体/M&Aプラットフォーマー
- ● 中小M&A市場における問題: 不適切な譲り受け側事業者・不適切なM&A取引
中小企業政策(中項目)の小項目
- 中小企業基本法(中小企業者の定義=資本金・従業員数、小規模企業者・みなし大企業等)、小規模企業振興基本法
- ● M&A支援機関登録制度
- ● 事業承継・M&A支援補助金制度
- 経営承継円滑化法(事業承継税制等)/その他制度
- ● 各種ガイドライン
- ● 事業承継・引継ぎ支援センター/中小企業活性化協議会/よろず支援拠点(中小機構)/事業承継ネットワーク
政策分野は範囲としては小さい(3問程度)ものの、「必ず出題する想定」と明記されているため、取りこぼしが痛い領域です。制度の中身は「事業承継・引継ぎ支援センターとは」「事業承継・M&A補助金ガイド」で概要をつかめます。
② 財務・税務の試験範囲
中項目は【財務】財務基礎/スキームの初期的な検討(財務上の留意事項)/バリュエーション/財務DD/最終契約、【税務】税務基礎/スキームの初期的な検討(税務上の留意事項)/税務DD/最終契約です。
優先的に出題される項目(●)
- 簿記原理、会計帳簿、決算処理
- 損益計算書(PL)/貸借対照表(BS)/キャッシュ・フロー計算書(CF)
- 会計基準に関する基礎知識のうち税務基準
- バリュエーションに関する財務知識
- 財務DDの調査事項に関する財務知識
- 最終契約における譲渡額に関する財務知識
- 各種税金の基本部分(法人税・所得税〈株式譲渡課税、事業譲渡課税等〉・消費税・贈与税・相続税・印紙税・不動産取得税・登録免許税等)
- 役員退職金に関する税務知識
- スキーム別の税務面の考え方のうち株式譲渡
- 税務DDの調査事項に関する税務知識
●が付いていないものの範囲には含まれる項目として、原価計算、資金管理、中小企業会計基準、企業結合会計(PPA・のれん)、連結会計、銀行融資・公的融資、LBOローンの基本概念、組織再編税制、グループ通算制度、グループ法人税制などがあります。範囲は広いですが、優先度は明確に「中小企業の実務で使う基礎」に寄せられています。
なお、税務の具体的な判断は個別事情で大きく変わります。※税務の詳細は税理士への相談をおすすめします。基礎知識の整理には「会社売却の税金・節税ガイド」「株式譲渡とは」が使えます。
③ 法務の試験範囲
中項目は法務基礎(関連法令の基本)/秘密保持契約/アドバイザリー(仲介・FA)契約/意向表明・基本合意/最終契約/クロージング/リスク・係争です。
優先的に出題される項目(●)
- 商法・会社法/民法/労働法/弁護士法
- 秘密保持に関する法律知識
- アドバイザリー(仲介・FA)契約に関する法律知識
- 基本合意に関する法律知識
- 法務DDの調査事項に関する法律知識
- 最終契約に関する法律知識
- クロージングに関する法律知識
- リスク事項に関する法律知識
●なしで範囲に含まれるのは、独占禁止法、金融商品取引法、外為法、不正競争防止法、商業登記法、不動産登記法、倒産法、不動産関連法、個人情報保護法、意向表明に関する法律知識、表明保証に関する法律知識、M&A判例・係争、許認可・コンプライアンスなどです。
法務科目で目を引くのが、弁護士法が優先項目に入っている点です。後述するサンプル問題でも、非弁行為・非税理士行為の線引きが正面から問われています。「専門家に任せるべき業務を自分でやってしまう」ことが実務上のリスクとして強く意識されていることの表れです。
※ここで扱うのはあくまで試験範囲としての法務知識です。実際の契約・法的判断については弁護士への相談をおすすめします。
④ 倫理・行動規範の試験範囲

中項目は使命/仲介者・FAの選定等/基本原則/善管注意義務・職業倫理/広告・営業/品位/法令等の遵守/不適切な個人・組織、反社等との関係/情報管理/その他禁止行為/支援機関向けの基本姿勢です。
優先的に出題される項目(●)
- 使命:顧客・関係者への貢献
●が1つしか付いていませんが、これは「どこも重要でない」という意味ではなく、科目全体が中小M&Aガイドラインとスキルマップからの出題で構成されるためと読むのが自然です。主な小項目は以下のとおりです。
- 善管注意義務/支援の質の向上/顧客利益の優先・意思の尊重/利益相反の防止(仲介者が対象)/報告義務
- 広告・営業: 虚偽・誤解を与える文言使用の禁止/不適切な営業活動の禁止
- 品位の保持/法令等の遵守/反社等との関係/情報の取り扱い/関係者の指導監督/不適切行為の禁止
- 支援機関向けの基本姿勢: 依頼者の利益の最大化/役割に応じた適切な支援/支援機関間の連携
- M&A専門業者: 善管注意義務(忠実義務)・職業倫理/経営トップの意識/士業等専門家との連携/知識・能力の向上のための取組
- 各工程の行動指針: 広告・営業の停止/仲介契約・FA契約の締結(手数料・提供業務内容の説明、相手方の手数料の開示)/バリュエーション/マッチング/交渉/基本合意/DD/最終契約/クロージング/ポストM&A
- 法令遵守行為: 独占業務違反/仲介者における利益相反のリスクと現実的な対応策
- 不適切な譲り受け側の排除に向けた取組: 譲り受け側に対する調査/不適切行為の情報取得時の対応/業界内での情報共有の仕組み
- 専任条項の留意点/直接交渉の制限に関する条項の留意点/テール条項の留意点
この最後の3項目は、実務で最もトラブルになりやすい契約条項です。それぞれ「専任契約と非専任契約の違い」「M&Aのテール条項とは」「M&A仲介の利益相反問題とは」で詳しく整理しています。
本試験最大の特徴「禁忌肢」とは
禁忌肢とは、選んだ時点で不合格になりうる誤答選択肢のことです。 中小企業庁は「倫理・行動規範に著しく反するような支援者を排除する目的で、それを正しいと理解することに大いに問題がある誤答肢について、禁忌肢を設定する」としています(資料2 p7)。
設計の考え方は次のとおりです。
- 実際に支援機関と依頼者の間でトラブルに至った事例を参考にする
- 中小M&Aガイドラインに明らかに違反する行為や、トラブルに繋がる確度が相当に高い行為を禁忌肢にする
- 複数の禁忌肢設問を設け、一定数を誤答すると不合格とする設計を想定
- 作問技術や試験システム上の制約で禁忌肢設定が難しい場合は、代替策として倫理科目の合格最低基準を引き上げる、または当該設問の配点を高くする
つまり、総得点が合格ラインを超えていても、倫理を外すと落ちる可能性がある試験です。これは医師国家試験などで採用されている考え方に近く、M&A支援の資格試験としては異例の設計といえます。
公開されているサンプル問題から読み取れる出題の質感
資料2には各科目1問ずつ、計4問のサンプル問題が掲載されています。ここから読み取れるのは、単なる用語暗記ではなく「実務場面でどう判断するか」を問う設計だという点です。
倫理・行動規範(禁忌肢を含む問題)
仲介者として、譲り渡し側A社社長に対し、譲り受け側B社の適格性やクロージング後のリスクを説明する必要がある場面を想定した問題です。
選択肢 | 内容の要旨 | 判定 |
|---|---|---|
① | B社の調査結果をA社へ報告し、最終契約締結前に契約後・クロージング後にトラブルとなり得るリスクを説明する | 正答 |
② | B社社長と反社会的組織との交友関係を確認していたが、成約や手続進行を優先し、A社社長に説明せずに取引を進める | 禁忌肢 |
③ | 譲り受け側の適格性はB社提供情報や会社案内で判断すれば足りるとして追加調査・検証を行わない | 誤答 |
④ | 依頼者への説明は仲介手数料の算定方法や金額を中心に行い、プロセスごとの業務内容やリスク事項の詳細説明は行わない | 誤答 |
②は中小M&Aガイドライン第2章Ⅱ.5「仲介者における利益相反のリスクと現実的な対応策」に抵触する行為として、禁忌肢に位置づけられています。
他3科目のサンプル問題
- M&A実務: 株式譲渡と事業譲渡の比較(契約・許認可の取扱い/偶発債務の承継/手続の煩雑さ)を問う穴埋め4択
- 財務・税務: 営業利益100百万円、減価償却費10、売上債権増加15、棚卸資産増加8、仕入債務減少2、設備投資20、実効税率40%からフリーキャッシュフローを計算する問題(正答は25百万円)
- 法務: アドバイザリー契約の免責事項の有効性を問う問題(正答は「免責条項があっても、正確かつ適切な情報提供義務が直ちに消えるわけではない」)/非有資格者が行える行為の判定問題(弁護士法・税理士法・弁理士法の独占業務違反。正答は「ア・イ・ウ・エすべて適法には行えない」)
財務・税務は電卓レベルの計算で解ける水準ですが、キャッシュフローの構成要素を正確に理解していないと落とします。法務は条文の丸暗記より、「その行為を自分がやってよいのか」の線引きを問う設計です。
日程・スケジュール|確定していることと未公表のこと

結論から言えば、2026年8月30日時点で初回試験の具体的な日付は公表されていません。 ここは誤情報が最も多い箇所なので、確定事実と未公表事項を分けて整理します。
すでに確定している事実
日付 | 内容 |
|---|---|
2024-08-30 | 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」公表。重要事項説明の書面交付、手数料と業務内容の詳細説明、利益相反、経営者保証、不適切な譲り受け側の排除、ネームクリア・テール条項の規律などを拡充 |
2025-04 | 中小企業庁「【中小M&A専門人材(個人)向け】使命、倫理・行動規範、知識スキルマップ」公表。本試験の設計母体 |
2025-11〜2026-02 | 資格制度ワーキンググループ(全3回)でコンセプト・試験科目・難易度・合格基準・サンプル問題を討議 |
2026-03-17 | 第4回 中小M&A市場の改革に向けた検討会で資格制度概要を公表(資料2・資料3) |
2026-03-27 | 中小M&A資格試験実施事業の企画競争(公募)を開始 |
2026-04-22 | 公募締切(応募3件) |
2026-05-01 | 委託先として株式会社銀行研修社を採択 |
出典: 中小企業庁 各公表資料/確認日 2026-08-30
中小企業庁が示す想定スケジュール
時期 | 内容 |
|---|---|
令和7年度(〜2026年3月) | 資格制度の検討 → 資格制度概要の公表(2026年3月17日に実施済み) |
令和8・9年度(2026年4月〜2028年3月) | 民間の試験実施団体へ委託し、中小M&A資格試験を実施(受験案内の作成、受験申込等の手続整備・運営、合否判定、CBT方式での試験実施等)。並行して合格者の登録・管理制度の詳細を検討 |
令和10年度以降(2028年4月〜) | 合格者登録・管理制度の運用開始。適切な試験実施のあり方は継続検討 |
出典: 中小企業庁 資料2 p18/確認日 2026-08-30
2026年8月30日時点で未公表の事項
項目 | 状態 |
|---|---|
初回試験の実施日 | 未公表 |
申込受付期間・申込方法 | 未公表 |
受験料 | 未公表 |
受験資格(学歴・実務経験要件の有無) | 未公表 |
公式テキスト・公式問題集の有無 | 未公表 |
CBT会場・実施都市 | 未公表 |
資格の正式名称(「(仮称)」が取れるか) | 未確定 |
登録料・更新料 | 未公表 |
一部のメディアやブログでは「初回試験は2027年1〜2月頃」と書かれていますが、中小企業庁の一次資料にこの日付の記載はありません。同様に「5科目」「約50問」といった数字も一次資料の「4科目・60問程度」とは異なります。受験を検討している方は、中小企業庁の検討会ページと、実施受託事業者からの正式発表を待つのが確実です。
なぜ「年3回・一斉実施」なのか
CBT方式であれば任意のタイミングで受験できるようにするのが自然に思えますが、資料2 p11では次のように説明されています。
初回試験においては、試験問題等に関する情報の価値が高く、一定期間任意のタイミングで受験可能とした場合に、問題が出回ってしまい、不正が行われるリスクがある。従って、少なくとも立ち上げ期においては、年3回程度の複数の受験機会を設けた上で、一斉実施を想定
つまり、受験日を自分で自由に選べる試験ではない可能性が高い点は、学習計画を立てるうえで押さえておく必要があります。
試験を実施する株式会社銀行研修社とは
2026年5月1日、中小企業庁は中小M&A資格試験実施事業の委託先として株式会社銀行研修社を採択しました(応募3件、外部有識者による審査委員会で審査)。
項目 | 内容 |
|---|---|
社名 | 株式会社銀行研修社(Banking Education CO.,LTD) |
法人番号 | 8013301003308 |
設立 | 1963年(昭和38年)9月25日 |
本社 | 東京都豊島区北大塚3-10-5(大阪営業所: 大阪市北区) |
事業内容 | 金融機関行職員向けの書籍・雑誌・通信講座・検定試験・eラーニングの開発提供 |
検定試験の実績 | 金融検定協会と連携した検定試験で「60万人の受験者を送り込み35万人に上る合格者を輩出」と公表 |
出典: 中小企業庁「委託先の採択結果」(2026年5月1日)、株式会社銀行研修社 公式会社案内/確認日 2026-08-30
金融機関向けの検定試験を60年以上運営してきた実績があり、CBT試験の運営ノウハウという点では自然な選定といえます。ただし、2026年8月30日時点で同社サイト上に中小M&A資格試験に関する公式告知は確認できていません。試験案内の公表を待つ段階です。
なお、委託先は「毎期、公募により選定」される仕組みのため(資料2 p18)、銀行研修社が今後も継続して実施機関である保証はない点にも留意が必要です。
合格後の登録制度|合格して終わりではない

この試験は、合格後に「合格者登録制度」への登録と定期講習の受講が組み込まれた設計です。 取得したまま放置すると登録が維持できません。
登録要件(資料2 p3)
- 倫理規程の遵守
- 倫理規程に違反した場合の処分(氏名公表等)に同意すること
- 登録時の講習および定期的な講習の受講(1〜2年ごと等を想定)
登録のメリット
- データベース上で「倫理規程を遵守する資格保有者」として氏名が公表される
- 資格証が交付される
登録・管理のプロセス(想定)
中小企業診断士制度・宅建士制度を参考に、次の流れが想定されています(資料2 p17)。
- 試験合格
- 登録講習の受講(または免除要件の充足)
- 資格取得者名簿に登録
- 更新希望者は更新講習を受講/更新を希望しない場合は休止・登録解除・失効
- 倫理・行動規範等の違反時は登録停止・取消等
既存のM&A関連民間資格の多くが「取得したら終わり」であるのに対し、継続的な倫理教育と、違反時の氏名公表という実効性のある仕組みが組み込まれている点が大きな違いです。既存資格との詳しい比較は「M&Aアドバイザー資格制度とは?既存6資格との比較」で整理しています。
出題割合から逆算した対策の考え方
公式テキスト・問題集は2026年8月30日時点で未公表です。そのため現時点で確実にできる対策は、出題母体になっている公表資料を読み込むことに尽きます。ここでは出題割合と合格基準の構造から、学習配分の考え方を整理します。
1. 学習時間はM&A実務と倫理・行動規範に厚く配分する
科目 | 出題数の目安 | 学習配分の目安 | 理由 |
|---|---|---|---|
M&A実務 | 21〜24問 | 約35〜40% | 最大配点。範囲は広いが優先項目が明示されている |
倫理・行動規範 | 15問程度 | 約25〜30% | 禁忌肢がある唯一の科目。落とすリスクが非対称 |
財務・税務 | 12〜14問 | 約20% | 基礎レベル。簿記・税金の基本部分が中心 |
法務 | 10〜11問 | 約15% | 最小配点。ただし科目別最低基準50%は必ず超える必要がある |
捨て科目を作れない設計である点が重要です。科目別最低基準50%程度が設定される想定のため、「法務は配点が低いから捨てる」という戦略は成立しません。10〜11問中5〜6問は確実に取る必要があります。
2. 倫理は「知識」ではなく「やってはいけない行動」で覚える
禁忌肢がある以上、倫理科目は暗記量よりも判断の方向性が問われます。中小M&Aガイドライン(第3版)と、中小企業庁が公表したスキルマップを、次の観点で読むのが効率的です。
- 依頼者に説明すべきことを説明しない → ほぼ確実に誤り
- 成約や手続きの進行を、依頼者への説明より優先する → ほぼ確実に誤り
- 相手方から提供された情報だけで適格性を判断し、追加の調査・検証をしない → 誤り
- 手数料の説明だけして、業務内容・リスクの説明を省く → 誤り
この4パターンは、公開されているサンプル問題の誤答肢がすべて該当しています。「説明を省く」「調査を省く」「成約を優先する」方向の選択肢は疑ってかかる、という判断軸を身につけるのが実戦的です。
3. 一次資料を優先して読む
現時点で公表されている、出題母体に直結する資料は次のとおりです。
- 中小M&Aガイドライン(第3版、2024年8月30日改訂)— 倫理・行動規範科目のほぼ全域とM&A実務の一部
- 【中小M&A専門人材(個人)向け】使命、倫理・行動規範、知識スキルマップ(2025年4月)— 試験の設計母体そのもの
- 中小PMIガイドライン — M&A実務のPMI領域
- 中小企業庁 資料2・資料3(2026年3月17日)— 試験制度と試験範囲の一次情報
- M&A支援機関登録制度の公式サイト(https://ma-shienkikan.go.jp/)— 中小企業政策分野
4. 士業の方も全科目対策が必要
立ち上げ期は科目免除が設定されません。 弁護士・公認会計士・税理士等の国家資格保有者でも全4科目を受験します。中小企業庁は理由として、①国家資格者もM&A関連の全知識に精通しているわけではない、②免除対象になり得る科目は全体の一部で負担は限定的、③CBTの科目別受験方式の設計・カスタマイズにコストがかかる、の3点を挙げています(資料2 p6)。
税理士の方であれば財務・税務は有利ですが、配点が最も大きいM&A実務と、禁忌肢のある倫理・行動規範は別途の対策が必要です。
5. 進め方の目安
- 中小M&Aガイドライン(第3版)を通読し、支援機関の行動基準を把握する
- スキルマップでM&Aプロセス各段階の必要知識を確認する
- 資料3の優先出題項目(●)を基準に、自分の知識の穴を洗い出す
- 財務・税務は簿記3級〜2級相当の基礎と、株式譲渡・事業譲渡・役員退職金の税務を重点的に押さえる
- 法務は会社法・民法・労働法の基礎と、弁護士法・税理士法の独占業務の線引きを確認する
- 正式な試験案内が公表されたら、公式テキストの有無を確認して学習計画を再調整する
なお、試験対策として税務・法務の内容を学ぶことと、実務で判断を下すことは別です。実際のM&A案件では、税務は税理士、法務は弁護士に必ず確認してください。
受験を検討すべき方/急がなくてよい方
早めに準備を始めたほうがよい方
- M&A仲介・FA会社の案件担当者 — 資料2が想定する中心的な受験者像です。将来的に「重要事項説明は有資格者が行う」運用が検討されているため、営業・実務の最前線にいる方ほど影響が大きくなります。
- 地域金融機関のM&A・事業承継担当者 — 中小M&A市場のプレイヤーとして明確に位置づけられており、試験範囲にも金融機関の役割が含まれています。
- M&Aプラットフォーム事業者の担当者 — 中小M&A市場動向の出題対象に含まれます。
- 士業でM&A支援に本格的に関わる方 — 科目免除がないため、自分の専門外科目(特にM&A実務・倫理)の対策時間を確保する必要があります。
- M&A業界への転職を検討している方 — 実務経験がない段階でも、業界の知識体系と倫理規範を体系的に学ぶ機会になります。
現時点で急ぐ必要がない方
- 当面M&Aの予定がない中小企業経営者 — この資格は支援者側の能力を測るものです。経営者ご自身が取得する必要はありません。
- 大企業間のM&Aに関わる方 — 対象は「中小M&A」であり、範囲も中小企業基本法・事業承継支援制度など中小企業政策が中心です。
- 試験日程が確定してから動きたい方 — 受験料・受験資格・公式テキストの有無がすべて未公表のため、正式な試験案内を待ってから学習計画を立てるという判断も合理的です。ただし、中小M&Aガイドラインとスキルマップの読み込みは今からでも無駄になりません。
売り手経営者は、この資格をどう見ればよいか

会社の売却を検討している経営者にとって、率直に言えば当面この資格は仲介会社選びの基準になりません。 初回試験の実施日すら未公表であり、合格者登録制度の運用開始は令和10年度以降(2028年4月〜)が想定されているためです。「有資格者がいるか」で選べるようになるのは、まだ先の話です。
では今、何を見ればよいのか。試験範囲の優先出題項目は、裏を返せば「中小企業庁が、支援者に最低限できていてほしいと考えていること」のリストです。そこから、契約前に確認できるチェックポイントに変換できます。
契約前に確認したい6項目
確認項目 | 具体的な聞き方 | 試験範囲での対応箇所 |
|---|---|---|
重要事項説明を書面で受けたか | 「重要事項説明書を書面で交付していただけますか」 | M&A実務●「重要事項説明」 |
手数料の算定基準 | 「株価レーマンですか、移動総資産レーマンですか」 | 倫理「手数料・提供業務内容の説明」 |
相手方からの手数料 | 「譲り受け側からはいくら受け取りますか」 | 倫理「相手方の手数料の開示」 |
専任条項・テール条項・中途解約 | 「専任条項の範囲、テール条項の期間、中途解約時の費用を教えてください」 | 倫理「専任条項/テール条項の留意点」 |
買い手候補の調査方法 | 「譲り受け側の適格性をどう調査していますか」 | M&A実務●「不適切な譲り受け側に関する調査」 |
経営者保証の扱い | 「私の個人保証はどの段階で外れる想定ですか」 | M&A実務●「譲り渡し側の経営者保証の扱い」 |
これらは、資料2 p21に掲載された実際のトラブル事例(重要事項説明をしないまま専任条項・中途解約違約金条項のある契約を締結/重要事項説明を対面でなく電話で実施/専任条項がないのにテール条項に基づく請求/企業概要書ベースの試算額で中間金を受領後、実際の企業価値が下回っても中間金が返還されない)を裏返したものです。契約書のチェックポイントは「M&A仲介契約の注意点・チェックリスト」で詳しく整理しています。
手数料率の実態も判断材料になる
中小企業庁は、M&A支援機関登録制度の集計結果から手数料率の中央値を公表しています(資料2 p24-26)。
譲渡側純資産(時価) | 手数料率の中央値 |
|---|---|
5百万円超〜1千万円以下 | 30.0% |
1千万円超〜5千万円以下 | 18.8% |
5千万円超〜1億円以下 | 13.6% |
1億円超〜5億円以下 | 7.6% |
5億円超 | 4.3% |
出典: 中小企業庁 資料2 p24-26(「M&A支援機関登録制度 登録機関を通じた中小M&Aの集計結果」より、中央値)/確認日 2026-08-30
小規模案件ほど手数料率が高くなる構造が数字で示されています。また、移動総資産レーマン方式を採用する機関の案件は、他方式より手数料が高い傾向にあることも指摘されています。詳しくは「M&A費用・手数料の相場ガイド」「M&A仲介会社の手数料比較」をご覧ください。
今すぐできる確認
現時点で唯一機能している公的なチェック機能は、法人単位の「M&A支援機関登録制度」です。公式サイトで登録状況を検索できます。2026年3月現在、M&A専門業者(仲介・FA)約1,200者を中心に約3,400者が登録されています(資料2 p20)。
仲介会社の選び方全般は「M&A仲介会社の選び方ガイド」で整理しています。
※ 契約条項の法的な有効性や税務上の取り扱いについては、弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
よくある質問
Q. 中小M&A資格試験は国家資格ですか?
現時点の一次資料に「国家資格」という位置づけの記載はありません。中小企業庁が運営主体となり、試験実施を民間団体に委託する形の資格試験で、合格者登録制度と一体で運用される予定です。宅地建物取引士のような法律上の独占業務は付与されていません。
Q. 合格すれば税務相談や契約書作成ができるようになりますか?
なりません。資料2 p5に「本資格試験の合格は、既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではない」と明記されています。むしろ試験の法務科目では、弁護士法・税理士法等の独占業務の線引きが優先出題項目として問われます。
Q. 受験に実務経験は必要ですか?
受験資格は2026年8月30日時点で未公表です。想定される受験者像として「今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者」「商工団体や事業会社において中小M&Aに携わる者」も挙げられていることから、実務経験を必須としない設計になる可能性はありますが、確定情報を待つ必要があります。
Q. 試験は何回でも受けられますか?
立ち上げ期は年3回程度の受験機会を設け、各回一斉実施が想定されています。再受験の回数制限に関する記載は現時点の公表資料にはありません。
Q. 既存のM&A関連民間資格を持っていると有利ですか?
科目免除は立ち上げ期には設定されないため、制度上の優遇はありません。ただし既存資格の学習範囲とM&A実務・財務・法務は重複するため、学習負担は軽くなります。既存資格との違いは「M&Aアドバイザー資格制度とは?既存6資格との比較」で整理しています。
Q. 公式テキストは出ますか?
2026年8月30日時点で公表されていません。実施受託事業者である株式会社銀行研修社は金融機関向けの通信講座・テキストを長年手がけている会社であるため、対策教材が提供される可能性はありますが、現時点では確定情報ではありません。
Q. 会社を売る側の経営者も受験したほうがよいですか?
必要ありません。この試験は支援者(仲介者・FA等)の知識と倫理を測るものです。経営者の方は、試験範囲を「支援者に何を求めてよいか」の目安として使うほうが実用的です。
まとめ
中小M&A資格試験(仮称)は、中小企業庁が個人単位の知識・倫理を可視化するために創設する新しい資格試験です。2026年8月30日時点で公表されている姿を整理すると、次のようになります。
- 試験の形: 4科目・60問程度・120分・CBT方式(各回一斉実施)、合格基準は総得点の70〜80%程度、科目別最低基準50%程度
- 出題割合: M&A実務35〜40%、倫理・行動規範25%、財務・税務20〜23%、法務17〜18%
- 最大の特徴: 倫理・行動規範に禁忌肢を設定。総得点が足りていても倫理を外すと不合格になりうる
- 位置づけ: 業務独占資格ではない。士業の独占業務は行えない。科目免除も立ち上げ期はなし
- 合格後: 合格者登録制度への登録+1〜2年ごとの定期講習が想定。違反時は氏名公表・登録取消も
- 日程: 令和8・9年度(2026年4月〜2028年3月)に試験実施が予定されているが、初回試験日・受験料・受験資格は未公表
- 実施機関: 2026年5月1日に株式会社銀行研修社を採択。ただし委託先は毎期公募で選定される
受験を検討している方は、公式テキストを待つよりも、出題母体である中小M&Aガイドライン(第3版)とスキルマップの読み込みを先に始めるのが確実です。特に配点の大きいM&A実務と、禁忌肢のある倫理・行動規範に時間を割く設計にしてください。
会社の売却を検討している経営者の方にとっては、この資格が選択基準になるのはもう少し先です。それまでは、M&A支援機関登録制度への登録状況と、重要事項説明・手数料体系・専任条項やテール条項の説明が書面で受けられるかを確認することが、現実的な自衛策になります。
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