歯科医院のM&A仲介会社を選ぶ際は、「歯科特化か総合型か」「手数料体系(完全成功報酬かどうか)」「個人開業か医療法人かで異なるスキームへの対応力」の3点を軸に絞り込むのが失敗を防ぐ最短ルートです。
この記事では、2026年5月時点で公式サイトを確認した仲介会社7社を比較し、院長の規模・エリア・状況に合った選び方を具体的に解説します。後継者が見つからず廃業か売却かで迷っている院長、M&A仲介会社への相談を初めて検討している方に向けた内容です。
この記事でわかること:
- おすすめ仲介会社7社の手数料・実績・強みの比較
- 個人開業医と医療法人でM&Aスキームが異なる理由
- 廃業とM&Aを費用面で比較した場合の違い
- 院長の状況・規模・エリア別の選び方
専門家への相談のすすめ: 歯科医院のM&Aには医療法上の手続きや税務処理が伴います。この記事は情報提供を目的としており、具体的な手続き・税務については必ず税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

歯科医院のM&Aが急増している背景
全国の歯科医院数は約67,000施設(コンビニを上回る過剰供給状態)と言われながら、経営者の約6割が60歳以上という高齢化が進んでいます。帝国データバンクの調査(2020年)によると、歯科医師の後継者不在率は90%超に上ります。
廃業件数は過去最多水準に:
- 2024年の歯科医院倒産件数:27件(近年10件台から増加、出典:帝国データバンク)
- 2024年の医療機関休廃業・解散件数:722件(過去最多水準、出典:帝国データバンク)
廃業を選んだ場合、原状回復工事・医療機器の処分・カルテの法定保管(最低5年)など、数百万円規模の費用を自己負担するケースがほとんどです。M&Aを選べば、設備や患者基盤を引き継いでもらいながら譲渡益を得られるため、経済的な合理性からM&Aを選択する院長が増えています。
個人開業医と医療法人では手続きが根本的に異なる
M&A仲介会社を選ぶ前に、自院が「個人開業医」か「医療法人」かを確認してください。スキームが大きく異なり、対応できない仲介会社も存在します。
個人開業医 | 医療法人 | |
|---|---|---|
主なスキーム | 事業譲渡(資産・患者・スタッフの引継ぎ) | 持分譲渡・理事交代(法人格ごと引継ぎ) |
法人格 | 引き継がれない(買い手が新たに開業) | 法人ごと引き継げる |
行政手続き | 保険医登録の変更申請等 | 都道府県知事への変更認可申請が必要 |
複雑さ | 比較的シンプル | 手続きが複雑・時間がかかる |
対応仲介会社 | ほぼ全社対応可 | 医療法人スキームに精通した会社を選ぶ必要あり |
重要: 医療法人の持分譲渡・理事交代手続きは専門的な法務知識が必要です。「医療法人を経験した担当者がいるか」を仲介会社選定の必須確認事項にしてください。
歯科医院の売却価格相場(2026年時点)
仲介会社に相談する前に、おおまかな相場を把握しておきましょう。
一般的な相場(出典:名南M&A・みつきコンサルティング等複数メディアが一致、2026年5月確認):
- 売却価格の幅:500万〜4,000万円
- 平均的な成約価格:2,000〜3,000万円前後
算定方法の主流:「時価純資産額+営業権(のれん代)」
のれん代の目安は実質的な営業利益の3〜5年分が基準ですが、個人開業医の場合は0〜1年分に収まることも多いです。以下の要素があると高値売却につながりやすいとされています。
- 患者数の安定性(長期通院患者の比率)
- 歯科衛生士の定着率
- CT・セレック等のデジタル設備
- 自費診療比率の高さ
- 院長不在でも診療が回る体制
実際の算定は医院の財務データをもとにプロが行います。この相場はあくまで目安です。
歯科医院M&A仲介会社 おすすめ7社 比較表
以下は2026年5月時点で公式サイトを確認した情報をもとに作成した比較表です。手数料詳細は各社で異なり、未公開の場合は直接相談が必要です。
会社名 | 種別 | 着手金 | 成功報酬 | 対応規模・対象 | 対応エリア | 強み |
|---|---|---|---|---|---|---|
ストライク | 総合型(上場) | 無料 | 非公開(最低報酬1,100万円〜) | 売上高1〜6億円規模の医療法人が主対象 | 全国(9拠点) | 歯科専門チーム・金融機関連携 |
日本歯科医療投資 | 歯科特化型 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 小〜中規模 | 全国(要確認) | 歯科医師が代表・累計支援額80億円超 |
MAポート | 歯科特化型 | 無料(完全成功報酬) | 段階報酬(150万〜)公式サイトで開示 | 年商5,000万〜5億円 | 全国(要確認) | 手数料透明性・最短21日成約 |
船井総研M&A | コンサル系 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 成長支援も視野に入れる医院 | 全国 | 歯科コンサル30年超の業界ネットワーク |
みつきコンサルティング | 税理士法人系 | 無料(完全成功報酬) | 非公開 | 相続・税務対策も検討中の院長 | 全国(要確認) | 相続・節税対策まで一貫サポート |
名南M&A | 医療特化型 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 地域密着型の医療機関 | 東海・近畿中心 | 医療機関800件超の支援実績・成約率約70% |
バトンズ | マッチングPF | 完全無料 | 完全無料(買い手側のみ課金) | 小規模・個人経営 | 全国 | 売り手費用ゼロ・歯科案件535件超 |
※ 手数料詳細は各社の正式提示額と異なる場合があります。必ず各社に直接確認してください。
※「最低報酬額」「料率」が未掲載の場合、公式サイトで非公開のためです。
※ ストライクは2026年4月に持株会社制へ移行(株式会社ストライクグループ発足)。
各社の特徴・詳細
① ストライク — 全国ネットワークと歯科専門チームを持つ上場企業

会社概要(2026年5月時点):
- 運営: 株式会社ストライクグループ(東証プライム上場、証券コード6196)
- 設立: 1997年(創業28年超)
- 全国拠点: 9拠点
ストライクは東証プライム上場の独立系M&A仲介会社として、歯科医院向けの専門チームを設けています。「日本最大級」の歯科M&A支援実績を標榜しており(自称)、創業来の成約件数は全業種合計で3,600件超です(公式サイト確認、2026年5月)。
手数料体系(公式確認分):
- 着手金:無料
- 企業価値算定:無料
- 月額報酬:無料
- 成功報酬:非公開(詳細料率は公式サイト未掲載)
- 基本合意時報酬:最高300万円(税別)
- 最低報酬額:1,100万円(税込)
最低報酬額が業界でも高い水準のため、売上規模の小さい個人開業の歯科医院では手数料の対成約価格比が高くなる可能性があります。成約価格2,000〜3,000万円の案件では手数料比率に注意してください。
こんな院長に向いています:
- 売上規模が大きい(年商1億円以上)医療法人の院長
- 全国どこでも対応してほしい
- 上場企業の安定感と情報管理体制を重視する
こんな院長にはおすすめしません:
- 小規模案件(成約価格が低め)で手数料コストを抑えたい院長
- 手数料料率を事前に把握したい院長
出典: ストライク公式サイト(確認日: 2026年5月29日)
② 日本歯科医療投資株式会社 — 現役歯科医師が代表を務める歯科M&A専門会社
会社概要(2026年5月時点):
- 運営: 日本歯科医療投資株式会社
- 所在地: 東京都港区海岸1丁目9番15号 15階
- 代表: 水谷友春(現役歯科医師)
「日本初・日本唯一の歯科医師が経営する歯科医院専門M&A仲介サービス」と公式サイトに記載(自称)。代表が現役歯科医師であることから、医院経営の実態・院長心理に即したアドバイスが特徴です。公式サイトでは累計支援額80億円超を公表しています(確認日: 2026年5月29日)。
手数料体系: 公式サイトに料率の記載なし(直接問い合わせが必要)
強み:
- 歯科医師目線のアドバイス(診療・スタッフ・患者への配慮)
- M&A後のPMI(経営統合)・採用支援まで対応
- 無料の医院売却価格シミュレーター(個人情報不要)・無料ガイドブックあり
こんな院長に向いています:
- 「歯科業界に精通した人に話を聞いてほしい」院長
- 売却後の医院・スタッフの行方が気になる院長
- 小〜中規模案件
こんな院長にはおすすめしません:
- 手数料を事前に比較したい院長(非公開のため問い合わせが必要)
出典: 日本歯科医療投資公式サイト(確認日: 2026年5月29日)
③ MAポート(株式会社エーダブルオー)— 手数料を明示する歯科特化型
会社概要(2026年5月時点):
- 運営: 株式会社エーダブルオー
- 所在地: 東京都渋谷区恵比寿1-13-1 鈴木ビル3F
- 代表: 土屋範夫(元リクルートMVP)
MAポートは歯科医院に特化した完全成功報酬制の仲介会社で、手数料体系を公式サイトで明示している点が業界内で珍しい存在です。
手数料体系(公式サイト掲載・2026年5月確認):
成約価格 | 報酬額 |
|---|---|
0〜1,000万円 | 150万円 |
1,000〜3,000万円 | 250万円 |
3,000〜5,000万円 | 350万円 |
5,000万〜1億円 | 成約価格の7% |
1〜3億円 | 成約価格の6% |
3〜5億円 | 成約価格の5% |
5〜10億円 | 成約価格の4% |
10億円以上 | 成約価格の3% |
- 着手金:0円(完全成功報酬制)
- 対象規模:年商5,000万〜5億円の歯科医院
出典: MAポート公式LPページ(確認日: 2026年5月29日)
実績として「スタッフ1人あたり年間10〜15件の成約(業界トップクラスと自称)」「最短21日成約」を公表しています。公認会計士・弁護士・税理士・FA・社労士によるチームサポートも特徴です。
こんな院長に向いています:
- 手数料の透明性を重視する院長
- スピーディーに売却を進めたい院長(平均3ヶ月、最短21日の実績あり)
- 年商5,000万円〜5億円規模の歯科医院
こんな院長にはおすすめしません:
- 年商5,000万円未満の小規模医院(最低報酬が高くなる可能性あり)
④ 船井総研M&A(船井総合研究所グループ)— 30年超の歯科コンサルネットワーク
会社概要(2026年5月時点): 運営: 船井総合研究所グループ
歯科業界向けコンサルティング実績が30年超あり、常時約300院超の顧問先ネットワークを活用したマッチングが特徴です。M&Aコンサルタントと歯科専門の経営コンサルタントがタッグを組んで対応します。
手数料体系: 公式サイト未掲載(直接問い合わせが必要)
強み:
- 業界ネットワークで同業の買い手(歯科法人・DSO等)を探しやすい
- 歯科医院の企業価値算定エクセル・事業承継診断エクセル等の独自ツールを提供
- M&Aを「承継後の経営成長」まで視野に入れた支援
こんな院長に向いています:
- 「M&Aの後も医院を成長させてほしい」と考えている院長
- 戦略的な承継(DSO・複数医院展開の法人への売却等)を検討している院長
- 経営改善や事業承継を含めた幅広い選択肢を比較したい院長
こんな院長にはおすすめしません:
- 手数料を事前に把握したい院長(要問い合わせのため)
- できるだけ早く売却を完了させたい院長
出典: 船井総研M&A歯科ページ(確認日: 2026年5月29日)
⑤ みつきコンサルティング — 税務・相続対策まで一括対応の税理士法人系
会社概要(2026年5月時点):
- 運営: 株式会社みつきコンサルティング(税理士法人グループ)
- 実績: 20年間・全業種合計500件以上の支援実績
完全成功報酬制(相談料・着手金無料)で、M&Aだけでなく親族内承継・従業員承継・相続対策などを含めた複数の選択肢を比較提案してくれる点が特徴です。
手数料体系:
- 着手金:無料(完全成功報酬制)
- 料率:公式サイト未公開(直接問い合わせが必要)
強み:
- M&A後の相続対策・節税まで一貫してワンストップ対応
- 事業承継の選択肢(M&A以外も含む)を総合的に比較提案
- 税務面の不安を抱える院長に寄り添いやすい
こんな院長に向いています:
- M&Aと相続・節税対策をまとめて相談したい院長
- 「M&Aがベストか、他の方法がよいか」を中立的に比較したい院長
- 税務面の不安が大きい院長
こんな院長にはおすすめしません:
- 純粋に売却スピードを最優先にしている院長
- 料率を比較した上で依頼先を決めたい院長(料率非公開)
出典: みつきコンサルティング公式サイト(確認日: 2026年5月29日)
⑥ 名南M&A — 東海・近畿エリアに強い医療専門M&A
会社概要(2026年5月時点):
- 運営: 名南M&A株式会社
- 拠点: 愛知・大阪・静岡(東海・近畿エリア中心)
- 医療機関への業務支援実績: 全国800件超(コンサル含む)
手数料体系: 公式サイト未掲載(直接問い合わせが必要)
強み:
- 事業承継支援20年の医療特化型M&A
- 成約率約70%(自称)
- 地域金融機関・士業との連携による地域密着型マッチング
こんな院長に向いています:
- 東海・近畿エリアの歯科医院
- 地元に根ざした地域密着型のマッチングを希望する院長
- 「地域の後継者に承継したい」という想いが強い院長
こんな院長にはおすすめしません:
- 北海道・九州・沖縄等、東海・近畿以外のエリアの院長(対応可否は要確認)
出典: 名南M&A(確認日: 2026年5月29日)
⑦ バトンズ(BATONZ)— 売り手費用ゼロのマッチングプラットフォーム
サービス概要(2026年5月時点):
- 種別: M&Aマッチングプラットフォーム(仲介会社ではなくプラットフォーム)
- 運営: 株式会社バトンズ
- 売り手の費用: 完全無料(手数料・着手金・月額費用すべて0円)
- 歯科医院掲載案件数: 535件超(確認日: 2026年5月29日)
出典: バトンズ公式料金ページ(確認日: 2026年5月29日)
バトンズは「売り手完全無料」が最大の特徴です。28万者以上の買い手候補が登録しており、掲載後に平均18件以上のオファーが届くとしています(公式サイト記載、自称)。
注意点(重要): バトンズはマッチングがメインのサービスです。仲介会社のように担当者が交渉を代理してくれるわけではなく、交渉・資料作成・手続きを自分で進める部分が多くなります。医療法人の複雑な手続きや、はじめてのM&Aでサポートが必要な場合は、仲介会社を選ぶほうが適切です。
こんな院長に向いています:
- 費用を一切かけずに売り先を探したい小規模・個人経営の歯科医院
- 「まずはどんな買い手がいるか見てみたい」という段階の院長
- ある程度M&Aの知識があり、自分で交渉を進められる院長
こんな院長にはおすすめしません:
- 医療法人でスキームが複雑なケース
- 交渉・手続きのサポートをフルで受けたい院長
- 情報漏洩リスクを最小化したい院長(不特定多数の買い手に情報が届く構造)
院長の状況・目的別おすすめ仲介会社

どの仲介会社が合うかは、医院の規模・エリア・優先事項によって異なります。以下を参考に絞り込んでください。
状況・優先事項 | おすすめ仲介会社 | 理由 |
|---|---|---|
歯科業界の知識・専門性を最重視 | 日本歯科医療投資・船井総研M&A | 歯科医師代表/30年超コンサル実績 |
手数料の透明性・完全成功報酬 | MAポート・みつきコンサルティング | 料率を公式サイトで開示(MAポート)または着手金0円 |
全国対応・大規模案件(年商1億円超) | ストライク | 全国9拠点・上場企業の信頼性 |
東海・近畿エリアの地域密着マッチング | 名南M&A | 愛知・大阪・静岡に拠点 |
費用をかけずにまず試したい | バトンズ | 売り手完全無料 |
M&Aと相続・節税を同時に相談したい | みつきコンサルティング | 税理士法人グループでワンストップ対応 |
医療法人の持分譲渡・複雑なスキーム | ストライク・日本歯科医療投資 | 医療法人スキームの実績を確認したうえで選択 |
規模別のおすすめ目安
年商5,000万円未満の小規模歯科医院: バトンズ(費用ゼロ)またはMAポート(段階報酬で小規模案件でも料率が明確)が現実的な選択肢です。ストライクの最低報酬1,100万円は成約価格に対してコスト比率が高くなる点に注意してください。
年商5,000万〜1億円の中規模歯科医院: MAポート・みつきコンサルティング・日本歯科医療投資が対応しやすいレンジです。
年商1億円以上の医療法人・複数院展開: ストライク・船井総研M&Aが対象にしやすい規模帯です。買い手候補の数・質で選んでください。
廃業とM&Aの費用を比較してみると
「廃業すれば借金なし、M&Aは面倒そう」と思っている院長のために、費用面で比較した場合の概算を示します。
廃業にかかる費用(目安)
費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
内装・設備の原状回復工事 | 500〜1,500万円 |
医療機器・椅台の撤去・廃棄 | 100〜500万円 |
カルテの法定保管(電子保管サービス等) | 数十万円〜 |
スタッフへの退職金・解雇手当 | 規模による(数百万円規模も) |
合計(概算) | 1,000〜3,000万円以上 |
廃業では設備・工事費用を持ち出しで支払う必要があります。
M&Aで売却した場合(目安)
成約価格が2,500万円、仲介手数料が250〜350万円(MAポートの段階報酬相当)の場合:
- 手取り:2,150〜2,250万円前後(譲渡所得税等の税務は税理士にご確認ください)
廃業コスト(1,000〜3,000万円の持ち出し)との差を考えると、M&Aを選ぶことで実質的に2,000〜5,000万円以上の経済的差が生まれることもあります。
⚠️ 上記はあくまで概算です。実際の成約価格・手数料・税額は個別の状況によって大きく異なります。具体的な試算は仲介会社・税理士にご相談ください。
仲介会社選びで後悔しないための3つの注意点
注意点①:複数の仲介会社に同時依頼すると「出回り案件」になるリスクがある
M&Aでは、複数の仲介会社に並行して依頼すると、同じ案件情報が複数のルートから買い手市場に出回り、「どこでも売れない案件」と足元を見られるリスクがあります。一般的に仲介会社との契約は専任(1社のみ)で行うことが推奨されており、最初の会社選びが重要です。(出典: 日本歯科医療投資公式サイト、確認日: 2026年5月29日)
注意点②:医療法特有の行政手続きを仲介会社が支援できるか確認する
医療法人の場合、都道府県知事への変更認可申請など、一般的な事業会社のM&Aにはない手続きが発生します。仲介会社に医療法人の手続き経験があるかどうかを、商談の早い段階で確認してください。
注意点③:院長引き継ぎ期間(ロックアップ)を事前に把握しておく
歯科医院のM&Aでは、買い手側から「院長に一定期間(通常3〜6ヶ月)、診療に継続して関わってほしい」と求められるケースが多いです。この引き継ぎ期間(ロックアップ)があることを想定した上で、売却後のライフプランを考えておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人経営の歯科医院でもM&Aはできますか?
はい、できます。個人開業医の場合は「事業譲渡」というスキームで、医院の設備・患者・スタッフを引き継いでもらう形が一般的です。法人格ごと売却する持分譲渡とは手続きが異なりますが、バトンズ・MAポート・ストライクなど主要な仲介会社のほとんどが対応しています。
Q. 手数料は成約しなかった場合もかかりますか?
完全成功報酬制の仲介会社(MAポート・みつきコンサルティング・バトンズ等)は、成約した場合のみ手数料が発生します。ただし「基本合意時に中間金が発生する」会社もありますので、契約前に確認してください。ストライクは基本合意時に最高300万円の報酬が発生します。
Q. 相談したことが従業員やスタッフに漏れませんか?
仲介会社は守秘義務のもとで動きますが、「バトンズ」のようなオープンマッチングプラットフォームは不特定多数の買い手に情報が届く仕組みのため、情報管理が気になる方は仲介会社(クローズドな相対交渉)を選ぶほうが安心です。
Q. 売却まで何ヶ月かかりますか?
一般的に2ヶ月〜1年6ヶ月が目安とされています(ストライク公式サイト掲載)。MAポートは平均3ヶ月、最短21日の実績を公表しています。売却スピードは、医院の財務状況・案件の人気度・買い手とのマッチング状況によって大きく異なります。
Q. 事業承継・引継ぎ補助金は使えますか?
2026年度も事業承継・引継ぎ補助金が継続予定です。歯科医院の開業・移転・改装等に使える場合があります。詳細要件は中小企業庁の公式サイトをご確認ください。補助金の申請は仲介会社ではなく、認定支援機関等を経由して行う必要があります。
Q. 複数の仲介会社に同時に相談してもよいですか?
初期の「情報収集・相談」段階では複数社に話を聞くことは問題ありません。ただし、正式に「媒介契約」を結ぶのは1社に絞ることを強く推奨します。複数社と契約して案件が広く出回ると、買い手から足元を見られるリスクがあります。
まとめ:歯科医院M&Aは仲介会社選びが成否の鍵
歯科医院のM&Aには、一般的な中小企業のM&Aにはない医療法上の手続き・スキームの複雑さがあります。2026年5月時点でおすすめできる仲介会社7社の特徴をまとめると以下のとおりです。
最優先したいこと | 選ぶべき仲介会社 |
|---|---|
歯科特化の専門知識 | 日本歯科医療投資、MAポート、船井総研M&A |
手数料の透明性 | MAポート(料率を公式サイトで開示) |
全国対応・上場企業の安心感 | ストライク |
相続・税務対策まで一括相談 | みつきコンサルティング |
東海・近畿エリア | 名南M&A |
費用ゼロで試す | バトンズ |
まず複数社に無料相談し、担当者の歯科M&A経験・提案内容を比較することをおすすめします。 仲介会社との相談自体は無料のケースがほとんどです。
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