M&AのIM(インフォメーション・メモランダム)とは?記載項目・作成ポイント・売却価格への影響を解説
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M&AのIM(インフォメーション・メモランダム)とは?記載項目・作成ポイント・売却価格への影響を解説

M&AのIM(インフォメーション・メモランダム)は、NDA締結後に買い手候補へ開示する企業の詳細資料です。記載項目・ノンネームシートとの違い・作成時のポイント・売却価格への影響まで、会社売却を検討するオーナー向けにわかりやすく解説します。

M&A比較レビュー編集部2026/4/148分で読める

IM(インフォメーション・メモランダム)とは、M&Aにおいて売り手企業の事業内容・財務状況・将来性などを数十ページにまとめた詳細資料のことで、「企業概要書」「案件概要書」とも呼ばれます。NDA(秘密保持契約)を締結した買い手候補に対して開示され、買い手はこの資料をもとに買収を進めるかどうか、いくらで入札するかを判断します。

IMは売却プロセス全体の成否を左右する重要書類であり、その品質が売却価格に直結するとされています。

この記事でわかること:

  • IMの定義と、M&Aプロセスにおける位置づけ
  • ノンネームシートとの違い
  • IMに記載される10の主要項目
  • 売り手オーナーが押さえるべきIM作成のポイント
  • IMの品質が売却価格に与える影響
  • 仲介会社のIM作成力を見極める方法

この記事は、会社の売却を検討しており、IMについて初めて知る中小企業オーナーの方を主な対象としています。

M&Aの基本的な仕組みから知りたい方は「M&Aとは?」の記事をあわせてご覧ください。

IM(インフォメーション・メモランダム)の基本的な意味と役割

IMとは、英語の「Information Memorandum」の略称で、M&A対象となる企業・事業の詳細情報をまとめた資料です。日本語では「企業概要書」「案件概要書」とも呼ばれ、決まったフォーマットはありません。

IMの基本情報をまとめると以下の通りです。

項目

内容

正式名称

Information Memorandum(インフォメーション・メモランダム)

別名

企業概要書、案件概要書

分量

数十ページが一般的

作成者

M&A仲介会社またはFA(ファイナンシャルアドバイザー)

作成期間

半月〜1ヶ月程度

開示タイミング

NDA(秘密保持契約)締結後

IMの役割は、売り手企業の価値を買い手に正確に伝え、適切な評価を引き出すことにあります。買い手はIMを読んで「この会社を買いたいか」「いくらなら買うか」を検討するため、売り手にとっては自社の魅力を伝える最大のプレゼン資料とも言えます。

一般的にはM&A仲介会社やFAが売り手の依頼を受けて作成しますが、自社で作成することも不可能ではありません。ただし、買い手が求める情報を過不足なく、かつ魅力的にまとめるには専門的なノウハウが必要なため、専門家の協力が推奨されています。

M&Aの売却プロセス全体の流れについては「M&A売却の流れ」で詳しく解説しています。

M&Aプロセスにおける IMの位置づけ ― いつ・誰に開示するのか

M&Aプロセスの全体像とIM開示のタイミング

画像出典: fundbook公式サイト

IMは、M&Aプロセスの初期〜中期段階で、NDA(秘密保持契約)を締結した買い手候補に対して開示されます。 以下の流れの中で、IMがどの段階で使われるかを確認しましょう。

M&A売却プロセスの全体像とIMの位置

ステップ

内容

IMとの関係

①ノンネームシート提示

匿名の概要資料(A4 1枚程度)を買い手候補に提示

IMの前段階

②NDA(秘密保持契約)締結

買い手候補と秘密保持契約を締結

IM開示の前提条件

③IM開示

企業の詳細情報を記載した資料を開示

★ここ

④意向表明書(LOI)提出

買い手が買収意向・目安価格を提示

IMの情報をもとに判断

⑤デューデリジェンス(DD)

買い手側の専門家が企業を詳細調査

IM記載内容を検証

⑥基本合意・最終交渉

条件の最終調整と合意

⑦最終契約・クロージング

契約締結・対価の支払い

ポイントは、IMはNDA締結後、デューデリジェンス(DD)の前に開示されるということです。買い手はIMを見て「買収を進めるかどうか」「進める場合のおおよその価格帯」を判断し、意向表明書(LOI)を提出します。

つまり、IMの内容が不十分であれば、買い手は意向表明に至らない可能性があり、逆にIMが充実していれば、複数の買い手から高い評価を引き出せる可能性が高まります。

基本合意書(MOU)の意味や役割については「M&A基本合意書(MOU)とは」をご参照ください。

ノンネームシートとIMの違い ― 匿名の概要 vs 実名の詳細資料

ノンネームシートは匿名のA4 1枚の概要資料、IMは実名の数十ページにわたる詳細資料です。両者はM&Aプロセスの異なるタイミングで使われ、役割も大きく異なります。

比較項目

ノンネームシート

IM(企業概要書)

企業名の開示

非開示(匿名)

開示(実名)

情報量

A4 1枚程度

数十ページ

開示タイミング

NDA締結前

NDA締結後

目的

買い手候補の初期的な関心を確認

投資判断・入札価格の検討

主な記載内容

業種、地域、売上規模(概算)、譲渡理由(概要)

会社概要、財務諸表、事業計画、組織、許認可など

想定される読者

幅広い買い手候補

NDAを締結した本気度の高い買い手

(出典: M&Aキャピタルパートナーズ公式サイト、2026年4月14日確認)

売り手オーナーが理解しておくべきポイントは、ノンネームシートで「興味あり」と手を挙げた買い手候補がNDAを締結した後に、初めてIMで自社の詳細情報を開示するという流れです。ノンネームシートの段階では、自社名すら明かしません。

このプロセスにより、「興味もないのに自社の機密情報が広まる」というリスクを防いでいます。

IMに記載される10の主要項目 ― 買い手は何を見ているのか

インフォメーション・メモランダム(IM)の概要イメージ

画像出典: fundbook公式サイト

IMには決まったフォーマットはありませんが、買い手が買収判断に必要とする情報を網羅的に記載するのが一般的です。ここでは、複数の大手M&A仲介会社の公式情報を統合し、代表的な10の記載項目を解説します。

1. エグゼクティブサマリー

IMの冒頭1〜2ページに記載する、企業の特徴と魅力をまとめた要約セクションです。買い手の経営層が最初に目を通す部分であり、IM全体で最も重要な箇所とされています。

ここで買い手の関心を引けなければ、後の詳細ページを読んでもらえない可能性もあるため、仲介会社のコンサルタントと入念に作り込む必要があります。

2. 会社概要

会社名、所在地、設立年、資本金、従業員数、株主構成、沿革などの基本情報を記載します。

3. 事業内容

ビジネスモデル、主要な取引先・仕入先、市場におけるポジション、競合優位性、部門別の事業構成などを記載します。買い手にとっては「何で稼いでいるのか」「強みは何か」を理解する中核セクションです。

4. 組織

組織図、役員構成、経営陣の情報、従業員の人数・平均年齢・平均給与などを記載します。M&A後の経営体制を検討する上で、特にキーパーソンの情報は重要です。

5. 財務状況

過去3〜5期分の貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を記載します。加えて、オーナー報酬などを調整した実態損益計算書を作成して掲載するケースも多く、買い手が実質的な収益力を把握するための重要な資料です。

6. 譲渡理由

譲渡を検討している背景・理由と、譲渡後のオーナーの意向を記載します。買い手にとっては「なぜ売るのか」が気になるポイントであり、正直に記載することで信頼を得られます。

7. 許認可・法規制

業種に関連する許認可の一覧と、有効期限・更新状況を記載します。許認可が事業の根幹に関わる業種(建設業、薬局、介護など)では特に重要な項目です。

8. 固定資産・設備

不動産(自社保有か賃貸か)、主要設備の状況、所有形態・面積などを記載します。

9. 事業計画

今後3〜5年の事業計画とその前提条件、進行中のプロジェクトや投資計画を記載します。買い手は「この会社を買った後、どれくらいの成長が見込めるか」を判断する材料とします。

10. その他(リスク・M&Aスキーム・希望条件)

主要なリスク、銀行取引情報、想定するM&Aスキーム(株式譲渡・事業譲渡等)、M&A後の事業運営に関する希望事項、今後のスケジュールなどを記載します。

(主な出典: M&Aキャピタルパートナーズ公式サイトfundbook公式サイト、いずれも2026年4月14日確認)

IMの目的 ― 売り手と買い手それぞれの視点から

IMは売り手と買い手の双方にとって重要な資料ですが、それぞれの目的は異なります。 会社売却を検討するオーナーは、売り手側の目的を理解した上で、買い手がIMをどう読むかも把握しておくことが大切です。

売り手にとってのIMの目的

  • 自社の価値を正確に伝え、適切な評価(高い売却価格)を引き出す
  • デューデリジェンス前に買い手の買収意向と目安価額を確認し、M&A破談リスクを低減する
  • 複数の買い手に同じ情報を提供することで、公平な比較検討を促す
  • 自社の経営状況を客観的に見つめ直す機会にもなる

買い手にとってのIMの目的

  • 買収を進めるかどうかの判断材料 — 事業の収益性・成長性・リスクを総合的に評価
  • 入札する場合の価格帯を決定するための情報源
  • 自社の戦略との整合性を検討する材料
  • デューデリジェンスに進む前の事前スクリーニング

(出典: M&Aキャピタルパートナーズ公式サイトアドバンストアイ公式サイト、2026年4月14日確認)

IMの品質が売却価格に与える影響

IMの品質による売却価格への影響を示すイメージ図

IMの品質は、売却価格に大きな影響を与えるとされています。 買い手は限られた情報の中で入札価格を決めるため、IMの記載が充実していれば「安心して高い価格を提示できる」、逆に不十分であれば「リスクを見込んで低い価格にする」という判断になりやすいためです。

良いIMと不十分なIMの違い

観点

良いIM

不十分なIM

エグゼクティブサマリー

企業の魅力が1〜2ページで明確

要約がない、または冗長

財務情報

実態損益計算書あり、計算過程が明記

税務申告書のコピーだけ

事業の強み

具体的な数字や事例で裏付け

抽象的な表現のみ

ネガティブ情報

正直に開示した上で対処法を説明

隠蔽、または曖昧に記述

事業計画

根拠のある前提条件を明示

根拠なしの楽観的な数字

全体の構成

読みやすく、論理的に整理されている

情報が散在し、何を言いたいのか不明

M&A専門メディアのSTRYKEでは、買い手側の実務経験に基づき「IMの巧拙だけで入札価格に数倍の差がつくケースがある」との見解が示されています。統計的に実証されたデータではないものの、IMの重要性を示す参考情報として注目に値します。

(出典: STRYKE、2026年4月14日確認)

売り手オーナーが押さえるべきIM作成の7つのポイント

IMの作成は仲介会社やFAが担当するのが一般的ですが、売り手オーナー自身も「何が重要か」を理解しておくことで、より質の高いIMに仕上げることができます。 以下の7つのポイントを確認しましょう。

① 正確な情報を提供する

IMに記載する情報は正確でなければなりません。虚偽の情報や数字の誇張は、デューデリジェンスの段階で必ず発覚します。発覚した場合、信頼を失うだけでなく、交渉決裂や損害賠償請求につながるリスクがあります。

M&Aにおける表明保証の仕組みについては「M&A 表明保証とは」で解説しています。

② ネガティブ情報も正直に開示する

不利な情報を隠してIMを作成し、DD後に発覚すると、大幅な減額交渉やM&A破談の原因になります。むしろ、ネガティブ情報を事前に開示しておくことで「最初から言っていた」と対処でき、DD後の減額リスクを低減できます。

③ エグゼクティブサマリーに注力する

買い手の経営層が最初に読むのがエグゼクティブサマリーです。ここで自社の魅力を簡潔かつ具体的に伝えられるかどうかが、買い手の関心を左右します。仲介会社の担当者と特に入念にすり合わせましょう。

④ 実態損益計算書を作成する

中小企業では、オーナーの報酬や個人的な経費が損益計算書に含まれていることがあります。こうした項目を調整した「実態損益計算書」を作成することで、買い手に実質的な収益力を正しく伝えられます。

⑤ 数字の根拠を示す

事業計画の将来数値や市場シェアなどは、「なぜその数字になるのか」の根拠を明記します。根拠のない楽観的な数字は、買い手の不信感を招きます。

⑥ 曖昧な表現を避ける

「別途交渉可」「応相談」といった曖昧な表現は、買い手の評価意欲を低下させるとされています。可能な限り具体的な数字や条件を記載しましょう。

⑦ 専門家のチェックを受ける

公認会計士、税理士、弁護士など、M&Aに精通した専門家によるレビューを受けることで、記載内容の正確性と信頼性が高まります。

(出典: M&Aキャピタルパートナーズ公式サイトM&Aサクシード、2026年4月14日確認)

※IM作成時の法的な注意点(NDAの内容、情報漏洩時の責任など)については、M&Aに詳しい弁護士にご相談されることをおすすめします。

IMとデューデリジェンス(DD)の関係

IMはDDの前段階で開示され、DDはIM記載内容を専門家が詳細に検証するプロセスです。両者は密接に連動しています。

IM → DDの情報の流れ

  1. IM開示: 売り手企業の概要・財務・事業計画などを買い手に提供
  2. 買い手の初期判断: IMの内容をもとに、買収を進めるかを検討
  3. 意向表明書(LOI)提出: 買い手が買収意向と目安価格を提示
  4. DD実施: 買い手側の専門家(公認会計士、弁護士等)がIMの内容を詳細に検証

ここで重要なのは、IMに記載した情報とDD結果に大きな齟齬があると、減額交渉や交渉決裂につながるという点です。

たとえば、IMで「安定した取引先基盤がある」と記載していたのに、DDで主要取引先の契約が短期更新であることが判明したケースでは、買い手の信頼を大きく損なう可能性があります。

正確で充実したIMを作成しておくことは、DD後の減額リスクを低減し、スムーズな交渉を実現するための土台になります。

仲介会社のIM作成力を見極める3つのチェックポイント

M&A仲介会社のIM作成力を見極めるポイント

IMの品質はM&A仲介会社の力量に大きく左右されます。 会社売却を検討するオーナーは、仲介会社を選ぶ際にIM作成への取り組み姿勢も確認しておくことをおすすめします。

チェック①: IM作成の実績とプロセスを確認する

仲介会社との初回面談や契約前の段階で、「IMはどのように作成しますか」「どの程度の期間と打ち合わせ回数を想定していますか」と質問してみましょう。具体的なプロセスを説明できる会社は、IM作成に対する意識が高い傾向にあります。

チェック②: IMのサンプルや目次を見せてもらう

守秘義務の範囲内で、過去に作成したIMの目次構成やサンプルを見せてもらえるか確認しましょう。「どんな項目を、どの程度の粒度で記載するのか」をイメージできます。

チェック③: 財務情報の加工・分析力を確認する

中小企業のM&Aでは、税務申告書をそのままIMに添付するだけでは不十分です。実態損益計算書の作成や、部門別損益の整理など、買い手が判断しやすい形に情報を加工・分析する力があるかどうかを確認しましょう。

M&A仲介会社の選び方全般については「M&A仲介会社おすすめ比較」で詳しく解説しています。

売り手オーナー向け:IM品質チェックリスト

仲介会社が作成したIMのドラフトを確認する際、以下のチェックリストを活用してください。すべて「はい」であれば、品質の高いIMと言えます。

#

チェック項目

確認ポイント

1

エグゼクティブサマリーは明確か

自社の魅力が1〜2ページで具体的に伝わっているか

2

正確な情報が記載されているか

売上・利益・従業員数などの数字に誤りがないか

3

実態損益計算書が含まれているか

オーナー報酬・個人的経費の調整がなされているか

4

ネガティブ情報が適切に記載されているか

リスクや課題を隠さず、かつ過度に悲観的でもないか

5

事業計画の根拠は明示されているか

将来の売上予測に具体的な前提条件があるか

6

組織・人材情報は十分か

キーパーソンの役割と引き継ぎ体制が読み取れるか

7

許認可情報が網羅されているか

事業に必要な許認可がすべてリストアップされているか

8

数字と本文の整合性が取れているか

本文の記述と財務データに矛盾がないか

9

読みやすい構成になっているか

買い手が短時間で全体像を把握できる構成か

10

曖昧な表現がないか

「応相談」「別途交渉可」などの不明確な記載がないか

このチェックリストのすべてを売り手オーナーが自力で確認する必要はありません。不明な点は仲介会社の担当者に遠慮なく質問し、納得した上で買い手への開示に進みましょう。

こんなケースではIMが特に重要になる

IMの重要性はすべてのM&Aに共通しますが、特に以下のようなケースでは、IMの品質が結果を大きく左右する傾向があります。

IMの品質が特に重要なケース

  • 複数の買い手候補が競合している場合 — IMが充実していると、買い手が自信を持って高い入札価格を提示しやすい
  • 事業内容が専門的・ニッチな場合 — ビジネスモデルを丁寧に説明しないと、買い手が価値を正しく評価できない
  • 財務状況が複雑な場合 — オーナー経費の調整、部門別損益の整理など、実態を示す工夫が必要
  • 業種特有の許認可が多い場合 — 建設業、薬局、介護施設など、許認可の引き継ぎが買い手の大きな関心事となる

IMの品質だけでは補えないケース

  • 直近の業績が大幅に悪化している場合 — IMの見せ方だけで買い手の評価は変えられない。業績回復の道筋を示す必要がある
  • M&Aの相手先が1社に絞られている場合 — 競争環境がないため、IMの品質による価格引き上げ効果は限定的
  • 売り手側に重大な法務リスクがある場合 — IMでの適切な開示は必要だが、根本的な問題解決が先決

IMに関するよくある質問(FAQ)

Q. IMは売り手オーナーが自分で作成できますか?

自分で作成すること自体は不可能ではありませんが、推奨はされていません。買い手が求める情報の粒度や、魅力的な見せ方には専門的なノウハウが必要です。M&A仲介会社やFAに依頼し、オーナー自身はIMに必要な情報(財務資料、事業説明など)を正確に提供する役割を担うのが一般的です。

FA(ファイナンシャルアドバイザー)の役割については「M&A FAとは」をご参照ください。

Q. IMの作成にはどのくらいの費用がかかりますか?

M&A仲介会社に売却仲介を依頼している場合、IMの作成費用は仲介手数料に含まれるのが一般的です。別途費用が発生するケースは稀ですが、契約内容によって異なるため、仲介契約を結ぶ前に確認しておきましょう。

M&A仲介の費用体系については「M&A費用・手数料の相場」で詳しく解説しています。

Q. IMを開示した後、内容を修正できますか?

開示後に事業環境の変化や新たな情報が出てきた場合、追加資料(アディショナル・インフォメーション)として補足情報を提供するのが一般的です。IM本体を大幅に修正することは通常ありませんが、重要な変更があれば買い手に速やかに伝える必要があります。

Q. IMの情報が外部に漏洩するリスクはありますか?

NDA(秘密保持契約)を締結した買い手にのみIMを開示するため、法的には情報漏洩のリスクは軽減されています。ただし、NDAがあっても100%の防止は保証されません。仲介会社がIMの配布先を適切に管理しているか、NDAの内容が十分かを確認しておくことが重要です。

Q. ノンネームシートだけでは売却できないのですか?

ノンネームシートは匿名のA4 1枚程度の情報であり、買い手が具体的な買収判断を下すには情報が不十分です。本格的な売却交渉に進むためには、IMの開示が事実上不可欠です。

Q. IMを受け取った買い手は何をしますか?

買い手はIMの内容を社内で精査し、追加の質問(Q&Aプロセス)を行った上で、買収を進めるかどうかを判断します。進める場合は意向表明書(LOI)を提出し、その後デューデリジェンスのフェーズに進みます。

まとめ ― IMは売却価格と交渉の行方を左右する重要書類

IM(インフォメーション・メモランダム)は、M&Aにおいて売り手企業の詳細情報を買い手に伝えるための資料であり、売却価格と交渉の成否を大きく左右する重要書類です。

売り手オーナーが押さえるべきポイント:

  • IMはNDA締結後に買い手候補へ開示する数十ページの詳細資料
  • エグゼクティブサマリーの質が特に重要 — 買い手の第一印象を決める
  • 正確な情報とネガティブ情報の適切な開示が、DD後の減額リスクを低減する
  • 仲介会社のIM作成力は売却結果に直結するため、会社選びの段階で確認すべき

IMの作成は仲介会社の仕事ですが、売り手オーナー自身が「良いIMとは何か」を理解し、積極的に関与することで、より良い売却結果につながります。

M&A仲介会社の選び方については「M&A仲介会社おすすめ比較」、M&A仲介の仕組みについては「M&A仲介とは」をあわせてご確認ください。

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