会計事務所・税理士事務所の売却方法 完全ガイド【2026年最新】相場・流れ・仲介会社比較
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会計事務所・税理士事務所の売却方法 完全ガイド【2026年最新】相場・流れ・仲介会社比較

後継者不在や先行き不安から会計事務所・税理士事務所の売却を考える所長向けの実務ガイド。売却価格の相場(年売上8割〜顧問報酬1.5倍)・個人事務所と税理士法人のスキームの違い・7ステップの流れ・仲介会社比較・競業避止義務の注意点まで、売り手目線で徹底解説します。

M&A比較レビュー編集部2026/5/278分で読める

会計事務所・税理士事務所を売却する主な方法は、M&A仲介会社を通じて買い手を探す「第三者承継(M&A)」です。個人税理士事務所は「事業譲渡」のみ利用できますが、適切な準備と仲介会社の選定によって、廃業よりも有利な条件で事業を引き継ぐことができます。

この記事では、以下について解説します。

  • 個人事務所と税理士法人それぞれで使えるスキームの違い
  • 売却価格の相場と4つの算定方法
  • 相談からクロージングまでの7ステップと所要期間の目安
  • 「売り時」の判断基準と売却前の準備チェックリスト
  • 主要仲介会社の比較と選び方
  • 競業避止義務・税務上の注意点(専門家への相談が必須の内容を含む)

この記事は、後継者不在や先行き不安から会計事務所・税理士事務所の売却を検討している所長に向けて書いています。


会計事務所・税理士事務所のM&Aが急増している背景

会計事務所・税理士事務所のM&A件数が急増している背景——高齢化・後継者不在・業界再編のイメージ」

会計事務所・税理士事務所の業界は今、大きな転換点にあります。全税理士の53.8%が60歳以上(出典:ストライク公式ページ、確認日2026-05-28)という高齢化が進む一方、「税理士」は国家資格のため、後継者に資格がなければ親族・従業員への承継が事実上できません。

売却の主な理由(ZEIKEN LINKS・税務研究会の整理をもとに):

  1. 後継者不在:資格要件が後継者候補の選択肢を大幅に狭める
  2. 先行き不安:DX対応の困難・人材不足・顧問料値下げ圧力
  3. 業務負担の軽減:所長一人に依存した経営からの解放

廃業と比較したとき、M&Aには明確なメリットがあります。廃業を選ぶと顧問先へのサービス継続が途切れ、職員の雇用も終了します。M&Aなら引き継ぎ先が継続してサービスを提供し、職員の雇用も守られます。加えて、売り手には譲渡対価(売却益)が発生します。

業界データ(2024〜2025年確認): 税理士登録者数は約8万人台前半、税理士法人数は5,000法人超。事務所数は減少傾向にある一方、売上規模は2012年比で約1.6倍に拡大(出典:日本M&Aセンター公式情報、確認日2026-05-28)。「業界再編の真っ最中」にある(出典:ストライク公式見解、確認日2026-05-28)。


売却の「スキーム」—個人事務所と税理士法人では方法が違う

売却方法は、事務所の形態(個人か法人か)によって根本的に異なります。まずここを確認してください。

事務所の形態

利用できるスキーム

概要

個人税理士事務所

事業譲渡のみ

顧問先・職員・設備等を個別に引き継ぐ。法人格がないため株式譲渡に相当する手法は制度上利用不可

税理士法人

出資持分譲渡・合併

法人格ごと一括承継できる。株式会社のM&Aに近い形で対応可能

個人事務所(事業譲渡)の場合、顧問先・職員・設備・リース契約などを個別に引き継ぐ契約を結びます。顧問先との契約は引き継ぎ先と改めて結ぶ必要があるため、顧問先への説明・同意取得がクロージング後の重要な実務になります。

税理士法人(持分譲渡・合併)の場合、法人格ごと譲渡できるため手続きが一括化しやすい反面、複数の税理士社員がいる場合は全員の合意が必要になるケースがあります。

所長の去就別・4つの承継パターン

M&A後に所長がどう関わるかによって、4つのパターンがあります(出典:みつきコンサルティング公式サイト、確認日2026-05-28)。

承継パターン

所長の去就

事務所の扱い

特徴

支店展開承継型

継続勤務

事務所を残す

環境変化が最小。顧客・職員の離脱リスクが低い

合併型

継続勤務

譲受先に統合

業務負担を軽減しながら一体化

支店展開引退型

引退

事務所を残す

事務所の雰囲気を維持しながら承継

事業譲渡型

引退

譲受先に統合

経費圧縮により創業者利益を確保しやすい

「M&A後も一定期間は事務所に残りたいか、それともすっぱり引退したいか」という希望が、パターン選びと仲介会社への条件提示の出発点になります。


売却価格の相場と算定方法

4つの算定方法と具体例

会計事務所・税理士事務所の売却価格には統一された基準はなく、複数の算定方法が実務で使われています。目安として把握してください。

算定方法

計算式

具体例

出典

継続売上ベース

年間顧問報酬 × 0.5〜1.5倍

年間顧問報酬3,000万円 → 1,500万〜4,500万円

M&A総合研究所コラム(確認日2026-05-28)

年売上8掛け

年間売上高 × 0.8

年間売上1億円 → 8,000万円

ストライク公式(確認日2026-05-28)

営業利益ベース

営業利益 × 3〜5年分

営業利益2,000万円 → 6,000万〜1億円

みつきコンサルティング(確認日2026-05-28)

顧問報酬1年分

固定顧問報酬の1年分

固定顧問報酬1億円 → 1億円

みつきコンサルティング(確認日2026-05-28)

コンサルティング収益が大きい事務所では、DCF法・時価純資産法が用いられる場合もあります(出典:レバレジーズM&Aアドバイザリー、確認日2026-05-28)。

上記はあくまで目安です。 実際の価格は顧問先の安定性・職員の質・地域・DX対応状況・利益率等によって大きく変動します。複数の仲介会社に相談して試算を比較することをおすすめします。

価格を左右するプラス・マイナス要因

価格を高める要因:

  • 顧問先の解約率が低く、長期継続客が多い
  • 顧問先の業種・規模が多様(リスク分散)
  • 職員の定着率が高く、有資格者が複数いる
  • エリアの地盤が強い(都市部、または地域密着型)
  • クラウド会計・電子申告等のDXが進んでいる

価格を下げる要因:

  • 所長一人依存(所長交代後の顧問先離脱リスク)
  • 顧問先の多くが高齢で、自社自体が廃業・事業縮小リスクを抱えている
  • 顧問先との契約が口頭のみ、または短期契約
  • 帳簿・記録の整理が不十分でDD対応に時間がかかる

売却の流れ—相談からクロージングまで7ステップ

会計事務所売却の流れ——相談からクロージングまで7ステップのプロセスイメージ

一般的な目安として、相談開始からクロージング(成約)まで6〜12ヶ月程度かかります。書類の整備状況・買い手との条件交渉によって前後します。

Step 1:現状把握・専門家への相談

希望条件(引退時期・事務所への関与度・希望価格)を整理したうえで、M&A仲介会社またはFAに相談します。初回相談は多くの会社で無料です。この段階から秘密保持契約(NDA)を締結します。

Step 2:企業価値の算出・書類準備

仲介会社のサポートのもと、顧問先一覧・直近3期分の決算書・職員リストなどを整備します。外部に開示する「ノンネームシート」(事務所名を伏せた概要資料)と「企業概要書(IM)」を作成します。

Step 3:候補先の探索・NDA締結

候補となる買い手にノンネームシートを提示し、関心を示した相手と個別にNDAを締結してから詳細情報を開示します。情報開示前のNDA締結は必須です。 職員・顧問先への情報漏洩を防ぐために徹底してください。

Step 4:トップ面談・意向表明書の提出

買い手候補と所長が直接面談し、経営方針・職員処遇・顧問先対応方針などを確認します。面談後、買い手から「意向表明書」が提出されます。

Step 5:基本合意書(LOI)締結

主要条件(価格・スキーム・スケジュール等)に合意し、基本合意書を締結します。この時点から原則として独占交渉期間に入ります。

Step 6:デューデリジェンス(DD)

買い手が財務・税務・法務・労務・ITなどを詳細に調査します。売り手は質問への回答や資料提出を求められます。DDの結果によって最終価格が調整されることがあります。

Step 7:最終契約締結・クロージング

弁護士が監修する最終契約書(事業譲渡契約書または持分譲渡契約書)に署名後、対価が支払われ、正式に引き渡しが完了します。

クロージング後(PMI)の重要性

クロージング後も元所長が3〜6ヶ月程度在籍し、顧問先への説明・関係維持を担当することが推奨されています(出典:みつきコンサルティング公式サイト、確認日2026-05-28)。

個人事務所の場合、顧問先との信頼関係が所長個人に紐づいているケースが多く、引き継ぎを丁寧に行うことが顧問先の離脱防止に直結します。引き継ぎ期間の長さや関与の深さは、M&A交渉の段階で明確に取り決めておきましょう。


「売り時」の判断基準

会計事務所・税理士事務所のM&Aにおける難しさの一つは、「税理士に定年がない」ため売り時が曖昧になりやすい点です(出典:KaikeiZine専門メディア、確認日2026-05-28)。以下を参考に、自事務所の状況を確認してください。

今すぐ動き出すべきシグナル:

  • 年齢が60〜70歳に達し、引退後の生活設計を具体的に考え始めている
  • 後継者候補(有資格者)が事務所内にいない、または意思を示していない
  • DX対応(クラウド会計・電子申告等)に追いつけていない、または採用が困難
  • 顧問先から経営・融資・M&Aなど高度なニーズが増え、対応に限界を感じる
  • 体力・健康面で業務継続への不安がある

売却しやすい規模の目安:

M&Aが成立しやすい目安として「年売上1,000万円〜1億円程度」が挙げられています(出典:M&A総合研究所公式コラム、確認日2026-05-28)。年売上500万円以下の小規模事務所は難易度が上がりますが、特定エリアの地盤やニッチ専門性(相続税特化・特定業種専門等)がある場合は成立する事例もあります。

売却のベストタイミングは「業績が安定しているうち」です。 売上・利益が下がり始めてから動くと買い手の評価が低下しやすく、成立しにくくなります。「まだ元気なうち」「業績が良いうち」に動き始めることが、好条件での売却につながります。


売却前に整備すべき書類チェックリスト

デューデリジェンス(DD)で突然「書類を出してください」と言われても、整備されていなければ交渉が中断するリスクがあります。相談開始前から準備を始めることをおすすめします。

財務関連

  • 直近3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書・附属明細)
  • 直近3期分の確定申告書
  • 当期分の月次試算表(最新のもの)
  • 借入金・リース契約の一覧

顧問先関連

  • 顧問先一覧(社名・年間顧問報酬・契約開始年・契約形態)
  • 顧問先との契約書(書面契約がある場合)
  • 顧問先別売上の過去3年推移

人事・労務関連

  • 職員一覧(役職・保有資格・勤続年数・給与概要)
  • 雇用契約書
  • 社会保険・雇用保険の加入状況確認書類

法的・その他

  • 事務所の賃貸借契約書
  • 損害賠償保険等の保険証券
  • 使用中システム・ソフトウェアのライセンス一覧
  • 税理士登録証明書(税理士法人の場合は法人認可証)

最優先で整備すべきは「顧問先一覧」です。 M&A後も顧問先が安定してサービスを継続できることを示すことが、価格向上の最大のポイントになります。契約が口頭ベースのものは書面化を検討してください。


仲介会社の選び方と主要各社の特徴比較

M&A仲介会社の選び方——会計事務所・税理士事務所に強い仲介会社比較のイメージ

2タイプを理解して選ぶ

① 会計事務所・士業事務所特化型

税理士・公認会計士などの資格を持つアドバイザーが担当し、業界特有の事情(スキームの制約・顧問先の引き継ぎ・税務処理の特殊性)を深く理解しています。業界の相場観・買い手ネットワークも持ちやすい。

② 総合型M&A仲介会社

幅広い業種に対応し、買い手ネットワークが広い。ただし担当者が会計士業界に精通しているとは限りません。小規模事務所では買い手探索に時間がかかるケースもあります。

主要仲介会社・サービスの比較

会社・サービス

特徴

着手金

タイプ

ストライク

東証プライム上場。公認会計士・税理士資格の専任アドバイザーが対応。税務研究会と提携。全国9拠点。税理士事務所M&A特化ページを運営

着手金無料(公式サイト記載、確認日2026-05-28)

会計事務所特化

日本M&Aセンター(MARINA)

「MARINA by日本M&Aセンター」という会計事務所専用情報サイトを運営。全国1,022の会計事務所と提携(確認日2026-05-28)

未確認(要公式確認)

会計事務所特化

みつきコンサルティング

税理士法人グループの強みを活かした財務・税務面からのアドバイス。4つの承継タイプに対応

未確認(要公式確認)

士業・財務特化

船井総研M&A

士業事務所M&Aに特化したノウハウ。後継者不在の小規模事務所にも対応実績あり

未確認(要公式確認)

士業特化

M&A総合研究所

AI活用・スピード対応。会計事務所のM&A事例・コラムを多数掲載

未確認(要公式確認)

総合型

バトンズ

マッチングプラットフォーム型。会計事務所40件・税理士事務所15件の売却案件を掲載(確認日2026-05-28)

案件形式による

プラットフォーム型

ZEIKEN LINKS(税務研究会)

中小零細事務所向け事業承継M&A情報・マッチングサービス

未確認(要公式確認)

会計業界特化

※各社の手数料・条件は変更される場合があります。必ず公式サイトまたは直接問い合わせで最新情報を確認してください。

仲介会社選びの4つのチェックポイント

  1. 会計士・税理士業界への特化度:個人事務所のスキーム制約(事業譲渡のみ)や税務処理の特殊性(後述)を理解しているか
  2. 手数料体系の透明性:着手金・中間報酬・成功報酬の体系を相談前に書面で確認する
  3. 担当者の資格・実績:公認会計士・税理士資格を持つアドバイザーが対応するか
  4. 買い手ネットワークの範囲:売り手事務所の規模・エリアに合った買い手候補を持っているか

複数社への相談を強くおすすめします。 初回相談は無料の会社が多く、各社の対応力・担当者の印象を比較してから選ぶことができます。


知っておくべき税務・法的な注意点

⚠️ この節は一般的な情報の提供を目的としています。実際の税務・法的判断は、必ず税理士・弁護士にご相談ください。国税庁通達の内容は改正される場合があります。最新情報は国税庁公式サイトまたは専門家にご確認ください。

注意点① 顧問先引き継ぎ対価は「雑所得」として扱われる可能性がある

個人税理士事務所が顧問先を引き継いだ際の対価について、国税庁の通達(昭和42年7月27日付)では「営業権の譲渡」ではなく「得意先のあっせんの対価=雑所得」として取り扱われるとされています(出典:国税庁通達・ZEIKEN LINKS、確認日2026-05-28)。

これは一般的な事業譲渡とは異なる扱いであり、課税区分・税率・計算方法に影響します。上位記事の多くでほとんど触れられていない論点ですが、高額取引においては特に重要です。事前に税理士・公認会計士に確認することを強くおすすめします。

注意点② 消費税の扱い

事業譲渡で譲渡する資産に課税対象の資産(設備・ソフトウェア等)が含まれる場合、消費税が発生します。売り手が消費税を計上し、納税する義務があります。

注意点③ 競業避止義務(原則20年)と交渉の余地

事業譲渡の場合、会社法の規定により、同一市町村および隣接市町村の区域内では原則20年間、同一業種の事業を行えないという競業避止義務が発生します(会社法21条)。

M&A後に近隣で別の会計事務所を開業して税務業務を行うことは、この制約上困難です。「引退後も地元で何か続けたい」という場合は、M&A前に弁護士と相談しておくことが重要です。

ただし、競業避止の範囲・期間は当事者間の交渉で短縮・変更することが可能です。 「5年間・特定地域のみ」など合理的な範囲への限定も交渉余地があります。最終契約書の文言をどうするか、弁護士と事前に確認することをおすすめします。

注意点④ 情報管理とNDAの徹底

検討段階での情報漏洩は、職員の動揺・顧問先の離脱を招くリスクがあります。検討開始の段階から仲介会社・FAとNDA(秘密保持契約)を締結し、情報管理を徹底してください。買い手候補への情報開示前にも必ずNDA締結が必要です。


こんな事務所に売却(M&A)が向いている / 向いていない

M&Aによる売却が向いている事務所

  • 後継者が社内にいない(有資格者不在、または後継者候補が意思を示していない)
  • 所長が60歳以上で、引退または業務負担の軽減を考えている
  • 年売上1,000万円〜1億円程度で、安定した顧問先がいる
  • 職員が数名おり、雇用継続を望んでいる
  • 顧問先に長期継続客が多く、関係が安定している
  • 譲渡対価を老後資金・次のキャリアの原資にしたい
  • 顧問先へのサービス品質を維持したまま引退したい

慎重に検討すべき事務所

  • 所長がM&A後も10年以上積極的に経営を続ける意向がある(売却よりも経営継続・雇用で後継者育成が合理的な場合もある)
  • 年売上が500万円以下でエリア・専門性の差別化要因がない(買い手が見つかりにくい可能性が高い)
  • 顧問先が所長個人に強く依存しており、引き継ぎ後の離脱リスクが非常に高い(価格評価が低下しやすい)
  • 競業避止義務(20年・近隣エリア)が引退後のプランと大きく衝突する(例:地元で別の士業サービスを続けたい場合)

廃業が一概に劣るわけではありません。顧問先への誠実な対応や職員への配慮を最優先した結果として廃業を選ぶ判断もあります。売却・廃業のどちらが適切かは個々の状況によります。まずは専門家に相談して選択肢を比較することをおすすめします。


よくある質問

Q1. 個人の税理士事務所でも売却できますか?

できます。ただし、個人事務所は法人格がないため「株式譲渡」に相当する手法は利用できません。「事業譲渡」(顧問先・職員・設備等の個別引き継ぎ)のみとなります。税理士法人の場合は「出資持分譲渡」や「合併」も選択肢に加わります。

Q2. 売却価格の目安はいくらくらいですか?

算定方法によって異なります。一般的には「年間顧問報酬の0.5〜1.5倍」「年売上の0.8倍」「営業利益の3〜5年分」等が目安です。顧問先の安定性・職員の質・DX対応状況などで大きく変わるため、まずは仲介会社に無料相談して試算を依頼することをおすすめします。

Q3. 小規模な事務所(年売上500万円以下)でも売却できますか?

難易度は上がりますが、不可能ではありません。特定エリアでの地盤・ニッチな専門分野(相続税特化・特定業種専門等)がある場合は買い手が見つかる事例もあります。バトンズのようなプラットフォーム型サービスで広く買い手を募る方法もあります。

Q4. 職員・従業員の雇用はどうなりますか?

一般的に、M&Aでは「従業員の継続雇用」が条件に含まれるケースが多いです。トップ面談の段階で処遇方針を確認し、最終契約書に明記することで従業員の雇用継続を守ることができます。

Q5. M&A後に近隣で別の事務所を開業できますか?

事業譲渡の場合、会社法の競業避止義務(同一市町村・隣接市町村内で原則20年間)が適用されます。M&A後に近隣で税務業務を再開業することは、この制約上困難です。範囲・期間の交渉は可能ですが、弁護士と事前に確認することを強くおすすめします。なお、この問題は個別の事情によって大きく異なります。専門家にご相談ください。

Q6. 相談から売却完了までどれくらいかかりますか?

一般的な目安は6〜12ヶ月程度です。事務所の規模・書類整備の状況・買い手との条件調整等によって前後します。早期売却を希望する場合は、書類の事前整備が特に重要です。

Q7. 顧問先に売却の話をするのはいつですか?

一般的に、最終契約締結(クロージング)後に顧問先へ説明します。クロージング前に顧問先へ話してしまうと、契約が成立する前に顧問先が離脱するリスクがあります。顧問先への説明のタイミング・方法については仲介会社と事前に計画を立てることが重要です。


まとめ

会計事務所・税理士事務所の売却(M&A)は、後継者不在・高齢化・業界再編が進む中で、現実的かつ合理的な選択肢です。

この記事で確認した要点を振り返ります:

  • スキームは形態で異なる:個人事務所は事業譲渡のみ、税理士法人は持分譲渡・合併も選択肢
  • 売却価格の目安:年間顧問報酬の0.5〜1.5倍、または年売上の0.8倍が実務上よく使われる基準
  • 売却にかかる期間:相談〜クロージングまで6〜12ヶ月が目安。書類の事前整備でスムーズになる
  • 税務と法務の特殊性:顧問先引き継ぎ対価が雑所得になる可能性・競業避止義務(原則20年)は専門家への相談必須
  • 仲介会社は会計事務所特化型を優先検討:業界特有のスキーム・税務・顧問先引き継ぎ事情に精通しているか確認する

最初のステップとして、複数の仲介会社に無料相談して、売却価格の試算・スキームの選択肢・各社の対応力を比較することをおすすめします。「まだ早い」と思っているうちに動き出すことが、好条件での売却につながります。

関連記事: M&A全体の仕組みや流れを理解したい方は「M&Aとは?基本と仕組みをわかりやすく解説」を、仲介会社を比較検討したい方は「M&A仲介会社 おすすめ比較【2026年最新】」を参照してください。売却にかかる費用・手数料の全体像は「M&A費用・手数料の相場ガイド」で解説しています。

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