個人版事業承継税制の「個人事業承継計画」提出期限は、令和8年度税制改正(2025年12月)によって2028年9月30日まで延長されました。「もう間に合わない」と思い込んでいた方も、現時点(2026年6月)ではまだ十分に時間があります。
この記事では、個人版事業承継税制の概要から、個人事業承継計画の具体的な申請手順(5ステップ)、担保提供の実務的な落とし穴、小規模宅地等の特例との選択基準まで、公式情報をもとに体系的にまとめています。
この記事でわかること:
- 個人事業承継計画の最新の提出期限(旧期限との違い)
- 先代事業者・後継者・対象資産それぞれの要件
- 都道府県庁への計画提出から税務署への申告まで5ステップの流れ
- 担保提供で詰まりやすいポイントと対処法
- 小規模宅地等の特例と比較してどちらが有利か
個人事業の承継を検討している経営者・後継者候補、または顧問先の支援を行う税理士・中小企業診断士の方を主な対象としています。
⚠️ この記事は公式情報・専門家情報をもとに制作していますが、税務・法律的な判断は個々の状況によって大きく異なります。実際の手続きは必ず税理士・認定経営革新等支援機関(認定支援機関)にご相談ください。

個人版事業承継税制とは — 法人版との違いも含めた基本整理
個人版事業承継税制(正式名称:個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除)は、青色申告で事業を行っていた先代事業者から後継者が事業用資産を引き継いだ際、贈与税・相続税を100%猶予し、一定要件を満たせば免除する制度です。根拠法令は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)」で、2019年1月1日以後の贈与・相続から適用されています(出典:国税庁・中小企業庁、2026年6月確認)。
「法人版事業承継税制と何が違うの?」 という疑問をよく受けます。法人版は会社の株式が対象ですが、個人版は個人事業主が持つ「事業用資産そのもの」が対象です。また、法人版には「一般措置」と「特例措置」の2種類がありますが、個人版には区別がなく1種類のみです。
比較項目 | 個人版事業承継税制 | 法人版事業承継税制(特例措置) |
|---|---|---|
対象 | 個人事業主の事業用資産 | 非上場会社の株式等 |
猶予割合 | 贈与税・相続税の100% | 贈与税・相続税の100% |
制度の種類 | 1種類のみ | 一般措置・特例措置の2種類 |
雇用継続要件 | なし | 特例措置は撤廃(一般措置はあり) |
計画書の提出先 | 都道府県庁 | 都道府県庁 |
計画提出期限 | 2028年9月30日 | 2027年9月30日(令和8年度改正後) |
適用期限(承継実施) | 2028年12月31日 | 2027年12月31日 |
出典:令和8年度税制改正大綱(2025年12月)、中小企業庁・国税庁公式情報(2026年確認)
個人版の大きなポイントは「雇用継続要件がない」点です。法人版の一般措置では雇用者の5年平均80%維持が必要でしたが、個人版にはこの縛りがありません。ただし、後述するように事業継続義務(廃業しないこと)は別途課せられています。
個人事業承継計画の提出期限 — 2026年3月31日は旧期限です
現時点(2026年6月)における個人事業承継計画の提出期限は、2028年9月30日です(愛知県では2028年9月30日が日曜日のため翌営業日の10月2日として案内)。
⚠️ 注意: 検索で見つかる記事の多くが「2026年3月31日」という旧期限を掲載しています。これは令和8年度税制改正(2025年12月)前の情報です。旧期限はすでに延長されており、2028年9月30日が正しい最新の期限です。
期限の変遷を整理すると以下の通りです。
期限の区分 | 具体的な日付 | 備考 |
|---|---|---|
|
| 令和5年度改正で延長済み |
|
| 令和8年度改正(2025年12月大綱)で延長 |
現行期限(最新) | 2028年9月30日 | 令和8年度税制改正大綱に基づく。実務上は都道府県の窓口で最終確認を |
出典:令和8年度税制改正大綱(2025年12月)、愛知県公式サイト(2026年確認)
また、「計画の提出期限」と「承継の実施(贈与・相続)の期限」は別物です。
- 個人事業承継計画の提出期限: 2028年9月30日
- 贈与・相続(承継実施)の期限: 2028年12月31日
計画書は2028年9月30日までに提出しておき、実際の贈与・相続は2028年12月31日までに行う必要があります。承継時期がまだ決まっていなくても、計画書だけ先に提出しておくことは可能です。 後継者変更にも対応できるため、まず計画書を出すことを税理士や認定支援機関に勧められることが多い理由はここにあります。

制度を使うための3つの要件
個人版事業承継税制を活用するには、①先代事業者、②後継者、③対象資産のそれぞれに要件があります。要件を満たさない場合は認定を受けられず、猶予が適用されません。
① 先代事業者の要件
- 贈与または相続の年・前年・前々年の確定申告を青色申告(正規の簿記の原則)で行っていること
- 不動産貸付業等を除く事業を営んでいること(農業・商業・製造業・サービス業等は対象)
- 中小企業基本法の中小企業者に該当すること
- 上場会社でないこと
- 風俗営業・資産管理事業に非該当であること
- 贈与の場合:廃業届出書を提出し、事業を廃止すること(贈与した年に廃業)
「青色申告(正規の簿記の原則)」とは、複式簿記による記帳が必要な青色申告(10万円控除ではなく65万円控除を受けている申告)を指します。白色申告や簡易帳簿による申告者は要件を満たしません。
② 後継者の要件
- 贈与を受ける時点で18歳以上であること
- 先代事業者と生計を一にする親族であること(子・配偶者等)
- 贈与を受ける直前に3年以上継続して先代事業者の事業に従事していたこと
- 開業届出書・青色申告承認申請書を税務署に提出し、承認を受けていること
- 都道府県知事の認定を受けること
- 個人事業承継計画の確認を受けること(計画書の確認を受けた者であること)
後継者は1人に限られます(法人版特例措置のように複数後継者への分割は、資産ごとに可能ですが、1つの資産を複数に分割することはできません)。
③ 対象資産(特定事業用資産)の範囲
青色申告書の貸借対照表に計上されている以下の事業用資産が対象です。
資産の種類 | 上限・条件 |
|---|---|
宅地等(事業用) | 400㎡まで |
建物(事業用) | 床面積800㎡まで |
機械・装置(事業用・固定資産税対象) | 上限なし |
営業用車両(事業用) | 上限なし |
器具・備品(固定資産税対象) | 上限なし |
特許権等の無形固定資産 | 上限なし |
出典:中小企業庁・国税庁公式情報(2026年確認)
重要な点:特定事業用資産は全部を承継することが原則です。「土地だけ」「機械だけ」という一部選択はできません(面積制限や対象外資産がある場合は、その範囲内で全体を承継する必要があります)。
申請手続きの流れ(5ステップ)
個人版事業承継税制の適用を受けるためには、計画提出から継続届出まで大きく5つのステップがあります。

STEP 1:個人事業承継計画の作成・提出(期限:2028年9月30日)
提出先: 先代事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁(担当課)
様式: 様式第21の3(中小企業庁公式ウェブサイトからダウンロード可能)
計画書に記載する主な内容:
- 先代事業者・後継者の基本情報
- 事業の現状(業種・従業員数・売上等)
- 後継者の事業従事歴
- 承継の予定時期・スケジュール
- 今後の事業方針・経営計画
必須条件: 計画書には、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の指導・助言を受けた旨を記載することが求められます。認定支援機関が計画書を確認・署名したことを証する書面が添付書類の1つになります。
認定支援機関としては、地域の商工会議所・商工会、中小企業基盤整備機構、税理士・公認会計士・中小企業診断士などが挙げられます。金融機関や商工会議所は無料で相談を受け付けているケースが多いため、まず問い合わせてみることをお勧めします。
ポイント: 承継時期がまだ決まっていなくても計画提出は可能です。また、後継者の変更も対応できます。「まず計画書を出しておく」という選択肢は非常に有効です。
STEP 2:特定事業用資産の贈与実行 or 相続開始
- 贈与・相続のタイミングは計画提出後、かつ2028年12月31日以前であることが必要
- 贈与の場合:先代事業者が廃業届出書を提出したうえで全特定事業用資産を後継者に贈与
なお、贈与の場合は先代事業者が廃業しなければならない点に注意が必要です。相続の場合は当然に先代事業者が死亡しているため廃業届は不要ですが、相続開始後の手続き期限が短いため、事前準備が特に重要になります。
STEP 3:都道府県知事への認定申請
提出先: 個人事業承継者(後継者)の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁
承継方法 | 様式 | 提出期限 |
|---|---|---|
贈与の場合 | 様式第7の5 または 様式第7の6 (正副2部) | 贈与を受けた年の翌年1月15日まで |
相続の場合 | 様式第8の5 または 様式第8の6 (正副2部) | 相続開始後8ヶ月以内 |
出典:愛知県公式サイト・日本税理士会連合会(2026年確認)
主な添付書類(例):
- 性風俗関連特殊営業に該当しない旨の誓約書
- 後継者が3年以上事業に従事していた旨の誓約書(事業従事誓約書)
- 認定支援機関の確認書面
- 先代事業者の青色申告の実績を示す書類
- その他都道府県の様式マニュアル所定の書類
都道府県によって添付書類の詳細が若干異なる場合があります。提出前に管轄の都道府県庁窓口に確認することをお勧めします。
STEP 4:税務署への申告・担保提供
承継方法 | 申告・担保提供の期限 |
|---|---|
贈与の場合 | 贈与を受けた年の翌年3月15日まで |
相続の場合 | 相続開始後10ヶ月以内 |
出典:国税庁公式情報(2026年確認)
猶予を受けるためには、猶予税額に相当する担保の提供が必要です。担保として提供できる財産の例:
- 国債・地方債等の有価証券
- 土地(事業用宅地)
- 建物(事業用)
- 税務署長が確実と認める保証人の保証
⚠️ 重要:減価償却資産(機械・器具備品・車両等)は担保として使えません。 担保として使えるのは基本的に不動産(土地・建物)になります。また、事業用不動産に銀行の既存抵当権が設定されている場合は担保設定の順位・余裕に注意が必要です。担保提供の計算・手続きは複雑なため、必ず税理士に相談してください。
STEP 5:継続届出書の提出(承継後も継続)
納税猶予を継続するためには、承継後も定期的に継続届出書を税務署に提出する必要があります。
- 提出頻度: 3年ごと(法人版特例措置の「5年間毎年」よりシンプル)
- ⚠️ 提出漏れは致命的: 提出を怠ると、猶予されていた税額が全額取消しとなり、さらに利子税が加算されます
継続届出書の提出期限をカレンダーに登録し、顧問税理士にリマインドを依頼しておくことを強くお勧めします。
申請で詰まりやすい3つの実務的注意点
競合記事が十分に解説していない、現場で実際に問題になりやすいポイントを整理します。
注意点1:担保提供できる資産がないと申請が詰まる
個人版事業承継税制では、猶予税額に相当する担保を提供しなければ、猶予は受けられません。
担保として使えないもの:
- 機械・装置、器具・備品(減価償却資産)
- 在庫・棚卸資産
- 売掛金・営業権
つまり、事業用資産のほとんどが機械・設備等で構成される業種(製造業・運送業等)では、担保として差し出せる不動産の価値が猶予税額を下回ってしまうケースがあります。この場合、猶予を受けるために別途保証人を立てるか、他に担保適格資産がないかを確認する必要があります。
また、事業用不動産に銀行の既存抵当権が設定されている場合、担保設定余地が限られることがあります。事前に担保価値と猶予税額の試算を税理士と一緒に行っておくことが重要です(担保適格資産の詳細は国税庁の規定に基づく。2026年確認)。
注意点2:全資産の一括承継が原則(一部だけの選択は不可)
特定事業用資産は「全部」を承継することが求められます。「この土地だけ引き継いで、機械は除く」という部分的な選択はできません。
ただし、面積制限(宅地400㎡・建物800㎡)を超える部分や、貸借対照表に計上されていない資産は対象外となります。対象外資産が含まれる場合でも「対象範囲内の資産をすべて承継する」ことが条件です。
全資産一括承継の要件を満たせるか、まず現状の資産リストを整理し、認定支援機関や税理士に確認することをお勧めします。
注意点3:登録免許税・不動産取得税は別途かかる
個人版事業承継税制は「贈与税・相続税」を猶予・免除する制度です。しかし、不動産を引き継ぐ際には次の税金が別途発生します。これらは猶予・免除の対象外です。
税目 | 贈与の場合 | 相続の場合 |
|---|---|---|
登録免許税 | 発生(固定資産税評価額×2%等) | 発生(固定資産税評価額×0.4%) |
不動産取得税 | 発生(固定資産税評価額×3〜4%) | 非課税 |
贈与で不動産を引き継ぐ場合は、登録免許税と不動産取得税の両方が発生します。これらが予想外の追加負担になるケースがあるため、承継コストの全体像を事前に把握しておきましょう。
個人版事業承継税制 vs 小規模宅地等の特例 — どちらを選ぶべきか
相続で事業を引き継ぐ場合、個人版事業承継税制(相続税版)と小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)は同一の宅地について併用できません。どちらか一方を選択する必要があります(出典:国税庁・中小企業庁公式情報に基づく整理。2026年確認)。

比較項目 | 個人版事業承継税制(相続) | 小規模宅地等の特例(特定事業用宅地) |
|---|---|---|
対象資産 | 宅地・建物・設備等すべての特定事業用資産 | 宅地等のみ(400㎡まで) |
税額の軽減方法 | 相続税額の100%を猶予(免除要件あり) | 評価額の80%を減額 |
継続義務 | あり(事業廃止で取消し+利子税) | なし(相続後に廃業しても遡及なし) |
手続きの複雑さ | 複雑(計画提出・認定申請・担保・継続届出) | 比較的シンプル(申告書への記載中心) |
猶予税額の免除 | 後継者の死亡、再承継等で免除 | (評価減のため免除の概念なし) |
向いているケース | 事業用資産の相続税が重い。事業継続の意思が強い | 相続後に事業廃止の可能性がある。手続きを簡易にしたい |
どちらが有利かは個別のシミュレーションが必要です。 一般的に、個人版事業承継税制は「税額を100%猶予し最終的に免除を目指す」強力な制度ですが、事業を続ける限り継続義務が生じます。小規模宅地等の特例は評価額の80%減という確実な節税効果があり、事業廃止後も遡及されません。
例えば、「事業は5〜10年以内に法人成りまたは廃業を検討している」という場合は、小規模宅地等の特例の方がリスクが低いケースもあります。実際の有利不利判断は、資産の種類・評価額・後継者の事業継続意欲・将来計画を踏まえて、税理士とともにシミュレーションを行ってください。
こんな個人事業主に向いている制度
個人版事業承継税制の活用に向いているケースと、向いていないケースを整理します。
活用に向いているケース
以下に当てはまる個人事業主は積極的に検討する価値があります:
- 青色申告(正規の簿記)で継続的に申告してきた
- 子・配偶者など生計を一にする親族が後継者となる予定で、すでに3年以上事業に従事している
- 不動産(土地・建物)など担保提供できる事業用資産がある
- 相続税・贈与税の評価額が大きく、税額が重い
- 後継者が事業を長期的に継続する強い意欲がある
- 2028年12月31日までに承継を実施できる見通しがある
活用に慎重になるべきケース
以下に当てはまる場合は、慎重な検討または小規模宅地等特例との比較が必要です:
- 後継者候補がまだおらず、承継時期が全く未定
- 承継後5〜10年以内に事業の縮小・廃業・法人成りを検討している(廃業すると猶予税額+利子税を全額納付)
- 事業用不動産が少なく、担保提供できる資産が乏しい(機械・器具備品のみなど)
- 後継者が「生計を一にする親族」以外(例:従業員など)を想定している
- 青色申告の実績が直近3年間で不十分
「廃業するかもしれないが税金は軽くしたい」という場合は、小規模宅地等の特例が安全です。制度選択は不可逆な決断になるため、必ず税理士と相談のうえで判断してください。
認定支援機関に早めに相談することが最大のリスク回避
個人版事業承継税制の申請で最も多い失敗は、「期限が迫ってから動き始めること」です。以下のスケジュール感で動くことが理想です。
- 今すぐ:認定支援機関(商工会議所・税理士等)に制度の適用可否を相談
- 計画書提出まで:後継者要件の確認(3年従事実績の有無)・対象資産の整理・担保価値の試算
- 承継実施前:都道府県庁の窓口で申請書類を確認・準備
- 承継後:期限内に認定申請・税務署への申告を忘れずに実施
認定支援機関の探し方: 中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」(chusho.meti.go.jp)から地域・業種別に検索できます。商工会議所・商工会は全国に窓口があり、相談は基本的に無料です。
事業承継に関する仲介・アドバイザリーを検討している場合は、M&A仲介会社の選び方ガイドも参照してください。事業承継M&Aと税制活用の組み合わせについても整理しています。

よくある質問(FAQ)
Q. 個人事業承継計画の期限が「2026年3月31日」と書いてある記事を見たが、本当に延長されたのか?
A. はい、延長されています。令和8年度税制改正大綱(2025年12月)に基づき、個人事業承継計画の提出期限は2028年9月30日に延長されました。2026年3月31日は令和8年度改正前の旧期限です。ただし、改正法の正式施行を含めた最新状況は、管轄の都道府県庁窓口または税理士に確認することをお勧めします(出典:令和8年度税制改正大綱・愛知県公式サイト、2026年確認)。
Q. 後継者が3年以上事業に従事していなければ、制度は使えないのか?
A. 贈与を受ける「直前」に3年以上継続して事業に従事していることが要件です。現時点で従事期間が不足している場合、3年以上経過した後に制度を活用することは可能です。ただし、承継実施の期限(2028年12月31日)との兼ね合いがあるため、逆算して計画を立てることが重要です。
Q. 計画書を出した後に後継者を変更することはできるか?
A. 一般的には後継者変更への対応が可能とされています(「後継者候補」段階での計画提出)。ただし、変更の際は都道府県庁への届出・確認が必要です。詳細は管轄の都道府県庁に確認してください。
Q. 法人成りを検討しているが、個人版事業承継税制の適用後に法人成りすることはできるか?
A. 5年後以降の法人成りは、継続条件として許容されるケースがあるとされていますが、医療法人・弁護士法人・税理士法人等の「会社法上の会社に非該当の法人」への組織変更は取り扱いが複雑です。法人成りを検討している場合は、事前に必ず税理士に確認してください。
Q. 贈与と相続のどちらで承継するほうが有利か?
A. 一般的には相続の方が登録免許税・不動産取得税の面で有利とされます(不動産取得税は相続では非課税)。ただし、相続は先代事業者の死亡というイレギュラーな事象を待つことになり、計画的な承継が難しくなります。先代事業者の健康状態・意向・税額の見込みを踏まえて判断する問題であり、税理士へのご相談をお勧めします。
Q. 個人版事業承継税制と事業承継補助金は併用できるか?
A. 現時点では、事業承継・引継ぎ補助金(中小企業庁所管)は個人版事業承継税制と別個の制度であり、補助金の適用対象要件を満たせば併用は可能とされています。ただし補助金は公募・審査が伴うため、最新の公募要領を中小企業庁または中小機構で確認してください。詳細は事業承継・M&A補助金の最新情報(2026年)も参照してください。
まとめ — 今すぐできる2つのアクション
個人版事業承継税制(個人事業承継計画の申請)について、最も大切なポイントを再確認します。
- 計画提出期限は2028年9月30日まで延長された — 旧期限(2026年3月31日)の情報に惑わされないこと
- 承継時期が未定でも計画書の提出だけ先にできる — 「とりあえず提出」が制度活用の最大のリスク回避策
- 担保提供と全資産一括承継が実務的なハードル — 事前シミュレーションが必須
- 小規模宅地等特例との選択は、廃業・法人成りの計画次第 — 個別のシミュレーションをプロに依頼する
- 継続届出書の3年ごと提出漏れは絶対に避ける — カレンダー登録と顧問税理士への依頼を
今すぐできるアクション:
- Step 1:地元の商工会議所または顧問税理士に「個人版事業承継税制を使えるか相談したい」と連絡する
- Step 2:中小企業庁の個人版事業承継税制ページ(https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_kojin_ninntei.html)から様式第21の3(個人事業承継計画)をダウンロードして記載例を確認する
事業承継全般の流れや、M&A・仲介会社の活用を検討している場合は、事業承継とは?流れ・方法・費用を解説も合わせてご覧ください。
⚠️ 免責事項: 本記事は公式情報・専門家情報をもとに制作していますが、税務・法律の解釈は個別の事情により異なります。実際の申請・判断は、必ず税理士・認定経営革新等支援機関など専門家にご相談ください。制度の最新情報は中小企業庁・国税庁の公式サイト、および管轄の都道府県庁窓口でご確認ください。
主要参照先:
