M&A仲介会社の最低報酬額は100万円〜2,500万円と会社によって最大25倍の差があり、取引金額が小さいほど手取り額への影響が大きくなります。
この記事では、公式サイトで確認できた最低報酬額を安い順に10社比較し、取引金額ごとの実質手数料シミュレーションも掲載しています。「最低報酬」の仕組みを正しく理解した上で、自社に合った仲介会社を選ぶ判断材料としてご活用ください。
この記事でわかること:
- 最低報酬が安いM&A仲介会社10社の料金比較(2026年4月確認)
- 取引金額3,000万円〜5億円での実質手数料シミュレーション
- 最低報酬以外に確認すべき手数料の仕組み(算定基準・着手金・中間金)
- 年商規模別のおすすめ仲介会社タイプ
- M&A補助金で手数料負担を軽くする方法
この記事は、年商数千万円〜数億円の中小企業オーナーで、会社売却を検討しているが手数料の高さが気になっている方を想定しています。
M&A仲介の「最低報酬」とは?小規模M&Aでは手取り額に直結する

最低報酬(最低成功報酬額)とは、M&A仲介会社が成功報酬の下限として設定する最低保証額です。レーマン方式で計算した手数料がこの金額を下回る場合、最低報酬額が適用されます。
取引金額が大きい案件では最低報酬額を気にする必要はありません。しかし、取引金額が1億円〜3億円以下の小規模M&Aでは、最低報酬額が実質的な手数料率を大きく押し上げます。
たとえば以下のようなケースが起こります。
取引金額 | レーマン5%の計算額 | 最低報酬が1,000万円の場合 | 実質手数料率 |
|---|---|---|---|
5,000万円 | 250万円 | 1,000万円(最低報酬適用) | 20.0% |
1億円 | 500万円 | 1,000万円(最低報酬適用) | 10.0% |
2億円 | 1,000万円 | 1,000万円(ちょうど一致) | 5.0% |
5億円 | 2,500万円 | 2,500万円(レーマン通り) | 5.0% |
取引金額5,000万円で最低報酬1,000万円なら、手取り額の20%が手数料に消えます。小規模M&Aでは、最低報酬額こそが手数料を左右する最重要項目です。
最低報酬額の相場は業界全体で500万円〜2,500万円が中心帯ですが、100万円台から対応する会社もあります(各社公式サイト・M&A総合研究所コラム、2026年4月確認)。
M&A仲介の手数料体系の全体像については「M&A仲介手数料の比較ガイド」で詳しく解説しています。
最低報酬が安いM&A仲介会社10社の比較表【2026年4月確認】

以下は、公式サイトで最低報酬額を確認できたM&A仲介会社を、最低報酬額の安い順に並べた一覧です。
順位 | 会社名 | 最低報酬額(税別) | 着手金 | 中間金 | 成功報酬方式 | 算定基準 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1 | M&Aベストパートナーズ | 100万円〜 | 無料 | 250万円 or 成功報酬の10%の高い方 | レーマン方式 | 株式価値 |
2 | クラリスキャピタル | 200万円(専任) / 500万円(非専任) | 無料 | 無料(※1) | レーマン方式 | 取引価格 |
3 | かえでファイナンシャルアドバイザリー | 500万円 | 無料 | 無料 | レーマン方式 | 売買金額 |
4 | CINC Capital | 500万円 | 無料 | 無料 | 一律4% / 株価レーマン | 株価 |
5 | インテグループ | 1,500万円 | 無料 | 無料 | レーマン方式 | 株式価値 |
6 | ストライク | 2,000万円 | 無料 | 100万〜300万円 | オーナー受取額レーマン | オーナー受取額 |
7 | 日本M&Aセンター | 約2,000万円(※2) | あり(金額非公開) | あり | レーマン方式 | 移動総資産 |
8 | M&A総合研究所 | 2,500万円 | 無料 | 無料(譲渡企業) | レーマン方式 | 譲渡価額 |
9 | M&Aキャピタルパートナーズ | 2,500万円 | 無料 | 手数料総額の約10% | レーマン方式 | 株式価値 |
10 | fundbook | 2,500万円 | 無料 | 合意による | レーマン方式 | 譲渡対象資産額 |
(※1)クラリスキャピタルはクロスボーダー案件のみ成功報酬の10%が中間報酬として発生 (※2)日本M&Aセンターの最低報酬額は公式サイトに金額の記載がなく、第三者取材情報(str.co.jp)に基づく参考値。契約前に必ず直接確認してください
出典: 各社公式サイト料金ページ(2026年4月確認)。料金体系は予告なく変更される場合があります。契約前に必ず各社へ直接ご確認ください。
各社の特徴を補足
M&Aベストパートナーズ(最低報酬: 100万円〜)
業界最低水準の最低報酬額を公式サイトで掲げています。ただし「100万円〜」の表記であり、案件の規模・難易度によって変動する可能性があります。また中間報酬が「250万円 or 成功報酬の10%の高い方」と固定額が設定されているため、小規模案件では中間報酬の負担割合が大きくなる点に注意が必要です。実質的な最低コストは、最低報酬100万円+中間報酬250万円=350万円以上になります。
出典: mabp.co.jp/rate/(2026年4月確認)
クラリスキャピタル(最低報酬: 200万円〜)
専任契約で最低報酬200万円(税別)と、仲介会社としては非常に低い水準です。非専任の場合は500万円に上がるため、専任契約が前提になります。1億円未満の小規模案件の実績が豊富とされ、取引価格ベースでの算定です。
出典: clarisc.co.jp/fee/(2026年4月確認)
かえでファイナンシャルアドバイザリー(最低報酬: 500万円)
完全成功報酬制(着手金・中間金・月額報酬いずれも無料)で最低報酬500万円は、中間コスト0の会社としては低い水準です。2005年設立で累計400社以上の成約実績があり、売上1億円前後の小規模企業の売却に注力しています。ただし遠方への出張費は実費負担、再生型M&Aは着手金が別途かかる場合があります。
出典: kaedefa.com/service/fee/(2026年4月確認)
CINC Capital(最低報酬: 500万円)
レーマン方式ではなく「一律4%」というシンプルな料率を採用している点が特徴です。取引金額5億円以下では通常のレーマン5%より割安になります。ただし最低報酬500万円が適用される小規模案件では、料率の差は出にくくなります。着手金・中間金無料の完全成功報酬制です。
出典: cinc-capital.co.jp(2026年4月確認)
インテグループ(最低報酬: 1,500万円)
完全成功報酬制の先駆者的存在で、着手金・中間金・月額報酬はすべて無料。報酬はクロージング(決済)完了時のみ発生し、最終契約締結時ではありません。株価レーマン方式を採用しており、算定基準でも売り手に有利な計算になります。ただし最低報酬1,500万円のため、取引金額3億円以下の案件では実質手数料率が5%を超えます。
出典: integroup.jp/fee/(2026年4月確認)
ストライク(最低報酬: 2,000万円)
東証プライム上場。「オーナー受取額レーマン」という独自の算定基準を採用しており、売却後に手元に残る金額に対して料率をかける仕組みです。4億円以下の案件は一律2,000万円(税別)。別途、基本合意報酬(100万〜300万円)がかかります。
出典: strike.co.jp/feature/fee.html(2026年4月確認)
日本M&Aセンター(最低報酬: 約2,000万円)
業界最大手で年間成約件数はトップクラス。全国の地方銀行・信用金庫との連携が強みです。ただし着手金が別途かかり(金額非公開)、算定基準が「移動総資産」ベースのため負債を含む計算になり、同じ取引金額でも他社より手数料が高くなる傾向があります。最低報酬額は公式サイトで非公開のため、必ず直接お問い合わせください。
出典: nihon-ma.co.jp/service/fee/(2026年4月確認)、金額は第三者取材情報に基づく参考値
M&A総合研究所(最低報酬: 2,500万円)
東証グロース上場。AIマッチングシステムを活用した効率的な買い手探索が特徴で、成約スピードに定評があります。譲渡企業(売り手)は着手金・中間金無料の完全成功報酬制ですが、最低報酬2,500万円は小規模案件には割高です。
出典: masouken.com/en/charge(2026年4月確認)
M&Aキャピタルパートナーズ(最低報酬: 2,500万円)
東証プライム上場。株価レーマン方式を採用し「支払手数料率の低さNo.1」を標榜しています。中間報酬(手数料総額の約10%)は別途発生しますが、中間報酬は成功報酬に充当されます。最低報酬2,500万円のため、取引金額5億円以上の中堅〜大規模案件が主な対象です。
出典: ma-cp.com/about/fee/(2026年4月確認)
fundbook(最低報酬: 2,500万円)
テクノロジーを活用したM&Aプラットフォームで、案件進捗をオンラインで可視化できます。譲渡企業は着手金・中間金無料。ただし算定基準が「譲渡対象資産額(営業権含む)」のため、株価ベースより手数料が高くなる傾向があります。
出典: fundbook.co.jp/sellside/fee/(2026年4月確認)
取引金額別・実質手数料シミュレーション

最低報酬の安さだけでは実際のコストはわかりません。ここでは、取引金額ごとに各社で実際にいくらかかるのか、シミュレーションで比較します。
取引金額3,000万円の場合
会社名 | 適用される手数料 | 実質手数料率 | 中間金等の追加費用 |
|---|---|---|---|
M&Aベストパートナーズ | 100万円(最低報酬) | 3.3% | 中間金250万円 |
クラリスキャピタル(専任) | 200万円(最低報酬) | 6.7% | なし |
かえでFA | 500万円(最低報酬) | 16.7% | なし |
CINC Capital | 500万円(最低報酬) | 16.7% | なし |
インテグループ | 1,500万円(最低報酬) | 50.0% | なし |
取引金額3,000万円では、最低報酬1,500万円以上の会社は実質的に対象外です。M&Aベストパートナーズは最低報酬100万円ですが、中間金250万円が加わるため合計350万円(実質11.7%)が最低ラインになります。
取引金額5,000万円の場合
会社名 | 適用される手数料 | 実質手数料率 | 中間金等の追加費用 |
|---|---|---|---|
M&Aベストパートナーズ | 100万円(最低報酬) | 2.0% | 中間金250万円 |
クラリスキャピタル(専任) | 250万円(5,000万円×5%) | 5.0% | なし |
かえでFA | 500万円(最低報酬) | 10.0% | なし |
CINC Capital | 500万円(最低報酬) | 10.0% | なし |
インテグループ | 1,500万円(最低報酬) | 30.0% | なし |
取引金額1億円の場合
会社名 | 適用される手数料 | 実質手数料率 | 中間金等の追加費用 |
|---|---|---|---|
M&Aベストパートナーズ | 500万円(1億円×5%) | 5.0% | 中間金250万円 |
クラリスキャピタル(専任) | 500万円(1億円×5%) | 5.0% | なし |
かえでFA | 500万円(最低報酬=レーマンと一致) | 5.0% | なし |
CINC Capital | 500万円(最低報酬=一律4%で400万円だが最低報酬適用) | 5.0% | なし |
インテグループ | 1,500万円(最低報酬) | 15.0% | なし |
ストライク | 2,000万円(最低報酬) | 20.0% | 基本合意報酬100万円 |
取引金額3億円の場合
会社名 | 適用される手数料 | 実質手数料率 | 中間金等の追加費用 |
|---|---|---|---|
M&Aベストパートナーズ | 1,500万円(レーマン) | 5.0% | 中間金250万円 |
クラリスキャピタル(専任) | 1,500万円(レーマン) | 5.0% | なし |
かえでFA | 1,500万円(レーマン) | 5.0% | なし |
CINC Capital | 1,200万円(3億円×4%) | 4.0% | なし |
インテグループ | 1,500万円(レーマン=最低報酬と一致) | 5.0% | なし |
ストライク | 2,000万円(最低報酬) | 6.7% | 基本合意報酬100万円 |
日本M&Aセンター | 2,000万円(最低報酬) | 6.7% | 着手金あり |
M&A総合研究所 | 2,500万円(最低報酬) | 8.3% | なし |
M&Aキャピタルパートナーズ | 2,500万円(最低報酬) | 8.3% | 中間金あり |
取引金額5億円の場合
会社名 | 適用される手数料 | 実質手数料率 |
|---|---|---|
CINC Capital | 2,000万円(5億円×4%) | 4.0% |
M&Aベストパートナーズ | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
クラリスキャピタル(専任) | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
かえでFA | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
インテグループ | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
ストライク | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
M&A総合研究所 | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
M&Aキャピタルパートナーズ | 2,500万円(レーマン) | 5.0% |
取引金額5億円では、各社のレーマン方式での計算結果が最低報酬額を上回るため、最低報酬の差は実質的に意味がなくなります。最低報酬額の差が大きく影響するのは取引金額3億円以下の案件です。
注意: 上記シミュレーションは各社の公式料率に基づく概算です。算定基準(株価・企業価値・移動総資産)の違いや、個別の交渉条件によって実際の金額は異なります。正確な見積りは各社に直接ご確認ください。
最低報酬だけで選んではいけない3つの理由

最低報酬が安い仲介会社を選びたい気持ちは当然ですが、「安さ」だけで決めると想定外のリスクが生じることがあります。
理由1: 中間金・着手金を含めた「総コスト」で比較する必要がある
最低報酬が安くても、中間金や着手金が別途かかる会社では総コストが変わってきます。
たとえばM&Aベストパートナーズは最低報酬100万円〜ですが、中間報酬が250万円(または成功報酬の10%)かかるため、取引金額3,000万円の案件なら最低でも350万円が必要です。一方、かえでファイナンシャルアドバイザリーは最低報酬500万円ですが着手金・中間金が無料のため、500万円で完結します。
チェックポイント:
- 着手金の有無と金額
- 中間金(基本合意報酬)の有無と金額
- 月額報酬の有無
- デューデリジェンス費用の負担先
着手金が一切かからない仲介会社を探している方は「完全成功報酬のM&A仲介会社 比較」も参考にしてください。
理由2: 算定基準の違いで同じ「レーマン5%」でも金額が変わる
レーマン方式の料率が同じ5%でも、「何に対して」5%をかけるかで手数料は大きく変わります。この点は後述のセクションで詳しく解説しますが、結論として株価レーマンと移動総資産レーマンでは、同じ案件でも手数料に最大1.8倍の差が出ます。
理由3: 買い手候補の豊富さ・成約実績がM&Aの成否を左右する
手数料が安くても、買い手候補のネットワークが乏しければ「安い条件でしか売れない」結果になりかねません。譲渡価額自体が低くなれば、手数料の安さ以上に手取り額は減少します。
大手仲介会社の最低報酬が高い背景には、全国規模の買い手ネットワーク・専任アドバイザーの配置・交渉支援の手厚さがあります。最低報酬が安い会社を選ぶ場合でも、以下を確認してください。
- 自社の業界・規模に近い案件の成約実績があるか
- 買い手候補のデータベースはどの程度あるか
- 担当アドバイザーの経験・専門領域は合っているか
- 成約できなかった場合の費用負担はどうなるか
レーマン方式の算定基準の違いも手数料に大きく影響する
最低報酬額と並んで、レーマン方式の「算定基準」も手数料総額を左右する重要な要素です。
レーマン方式は取引金額に段階的な料率をかける計算方法ですが、「何を取引金額とするか」は仲介会社ごとに異なります。
算定基準 | 計算対象 | 手数料の傾向 | 採用している主な会社 |
|---|---|---|---|
株式価値(株価レーマン) | 株式の譲渡価格のみ | 最も安くなりやすい | M&Aキャピタルパートナーズ、インテグループ、M&Aベストパートナーズ |
企業価値 | 株式価値 + 有利子負債 | 中間 | 一部の会社 |
移動総資産(総資産レーマン) | 株式価値 + 全負債 | 最も高くなりやすい | 日本M&Aセンター |
譲渡対価(オーナー受取額) | オーナーの手取り額 | 案件による | ストライク |
譲渡対象資産額 | 営業権を含む資産 | 高くなる傾向 | fundbook |
具体例: 同じ会社を売った場合の手数料差
以下の条件の会社を売却すると仮定します。
- 株式価値: 5億円
- 有利子負債: 3億円
- 総資産: 10億円
算定基準 | 計算対象額 | 概算手数料 | 差額(株価レーマン比) |
|---|---|---|---|
株価レーマン | 5億円 | 約2,500万円 | — |
企業価値レーマン | 8億円 | 約3,700万円 | +1,200万円 |
移動総資産レーマン | 10億円 | 約4,500万円 | +2,000万円 |
同じ会社の売却で、算定基準の違いだけで最大2,000万円(約1.8倍)の差が出ます。 最低報酬額だけでなく、算定基準も必ず確認してください。
レーマン方式の計算方法や各種手数料の詳細は「M&A仲介手数料の比較ガイド」をご覧ください。
M&Aプラットフォーム(マッチングサイト型)という選択肢

仲介会社に依頼する以外に、M&Aマッチングプラットフォームを利用する方法もあります。プラットフォーム型は仲介会社とは料金体系が大きく異なるため、別枠で整理します。
プラットフォーム | 売り手手数料 | 買い手手数料 | 最低手数料(買い手) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
バトンズ(BATONZ) | 無料 | 成約価額の2.2%(税込) | 35万〜165万円(税込・価額帯別) | 日本最大級のM&Aマッチングサイト |
M&Aクラウド | 売り手無料 | 要問い合わせ | — | テック系に強いプラットフォーム |
M&Aサクシード | 要確認 | 要確認 | — | ビズリーチ運営 |
TRANBI(トランビ) | 要確認 | 要確認 | — | 登録無料のマッチングサイト |
出典: 各公式サイト(2026年4月確認)。バトンズはbatonz.jp/lp/batonz_fee_structure/より
バトンズのように売り手手数料が無料のプラットフォームは、特に小規模案件のコストを大幅に抑えられます。ただし、プラットフォーム型はマッチングの「場」を提供するサービスであり、仲介会社のように交渉支援やバリュエーション(企業価値評価)を包括的に行うわけではありません。
プラットフォーム型が向いている場合:
- 取引金額が小さく(数百万〜数千万円)、仲介手数料の負担が大きい
- 買い手候補にある程度目星がついている
- M&Aの手続きについて自分でも調べる余力がある
仲介会社が向いている場合:
- 初めてのM&Aで何から始めればよいかわからない
- 複数の買い手候補と同時に交渉を進めたい
- 譲渡価額の最大化を重視している
なお、バトンズでも専門家(認定M&Aアドバイザー等)にサポートを委託する場合は別途費用(最低200万円程度〜が目安)がかかります。
バトンズについて詳しくは「バトンズとは?料金・特徴・評判を解説」をご覧ください。
M&A補助金を活用して手数料負担を軽減する方法
M&A仲介手数料の負担を下げるもうひとつの方法が、事業承継・M&A補助金の活用です。
中小企業庁が実施する事業承継・M&A補助金では、M&A支援機関(登録制度に登録済みの仲介会社等)に支払う手数料の一部が補助対象になります。2026年度も継続が見込まれており、最大800万円の補助を受けられる可能性があります。
補助金利用の主な条件
- M&A支援機関登録制度に登録されている仲介会社を利用すること
- 中小企業基本法上の中小企業であること
- 事業承継を目的としたM&Aであること
- 事前の申請・採択が必要
仲介手数料と補助金の組み合わせ例
たとえば取引金額1億円で最低報酬500万円の仲介会社を利用した場合、補助金で200万〜300万円程度が補填されれば、実質的な手数料負担は200万〜300万円程度まで下がります。
注意: 補助金の申請要件・補助率・上限額は年度ごとに変わります。最新の公募要項を中小企業庁の公式サイト(chusho.meti.go.jp)で必ずご確認ください。また、仲介会社がM&A支援機関登録制度に登録されているかどうかは、中小企業庁のデータベース(ma-shienkikan.go.jp)で確認できます。
※補助金の申請手続きや税務上の取扱いについては、税理士・中小企業診断士等の専門家にご相談ください。
補助金の詳細は「事業承継・M&A補助金の最新情報」で解説しています。
年商規模別・おすすめの仲介会社タイプ
取引金額と最低報酬の関係を踏まえ、年商規模別にどのタイプの仲介会社が適しているかを整理します。
年商5,000万円以下(取引金額の目安: 数百万〜5,000万円)
おすすめ: M&Aプラットフォーム型 or 最低報酬が最安クラスの仲介会社
取引金額が小さいため、最低報酬500万円以上の仲介会社では手数料率が10%を超え、手取りが大幅に目減りします。バトンズ等のプラットフォーム型(売り手無料)の利用を第一候補に検討してください。仲介会社を利用する場合は、最低報酬200万円以下のM&Aベストパートナーズやクラリスキャピタル(専任)が選択肢に入ります。
年商1億円前後(取引金額の目安: 5,000万〜1.5億円)
おすすめ: 最低報酬500万円以下の完全成功報酬制の仲介会社
この規模帯では、かえでファイナンシャルアドバイザリーやCINC Capitalのように「最低報酬500万円・着手金中間金無料」の完全成功報酬型が費用対効果のバランスに優れています。クラリスキャピタル(専任200万円)も有力な候補です。
年商3億〜5億円(取引金額の目安: 1.5億〜5億円)
おすすめ: 完全成功報酬制の中堅仲介会社
取引金額が大きくなるにつれ、最低報酬の差よりも「算定基準」「中間金の有無」「買い手ネットワーク」の方が総コストや売却条件に影響します。インテグループ(最低報酬1,500万円・完全成功報酬制・株価レーマン)が費用面で優位に立ちやすい規模帯です。CINC Capitalの一律4%も、5億円案件なら2,000万円で済むため検討価値があります。
年商10億円以上(取引金額の目安: 5億円超)
おすすめ: 大手上場仲介会社 or FA(財務アドバイザー)
取引金額5億円を超えると、最低報酬額の差は実質的に消えます。この規模帯では、買い手ネットワークの広さ・交渉力・クロスボーダー対応力がM&Aの成否を分けるため、日本M&Aセンター・M&Aキャピタルパートナーズ・ストライクなどの大手上場仲介会社や、M&A専門のFA(財務アドバイザー)の利用を検討してください。
各仲介会社の詳しい比較は「M&A仲介会社おすすめ比較【売り手向け】」で、FAとの違いは「M&A FA(財務アドバイザー)とは」で解説しています。
こんな企業におすすめ / おすすめしないケース
最低報酬が安い仲介会社をおすすめできる企業
- 取引金額が1億円以下(年商数千万円〜1億円前後)の小規模M&A — 最低報酬が高い会社では手取り額が大幅に減るため、最低報酬の安さが直接的なメリットになる
- 初めてのM&Aで、まずはコストを抑えて相談したい — 着手金・中間金も無料の完全成功報酬制なら、成約しなければ費用がかからない
- 事業承継・M&A補助金の活用を前提に費用を組み立てたい — 最低報酬500万円+補助金で実質負担を大幅に軽減できる
最低報酬の安さだけで選ぶとリスクがあるケース
- 取引金額5億円以上の案件 — この規模帯では最低報酬の差は意味がなく、買い手ネットワーク・交渉力・クロスボーダー対応力の方が重要
- 特殊な業界・事業内容 — 業界知見のある仲介会社でないと適切な買い手探索や価値評価ができない場合がある
- 「最低報酬」だけ安くて中間金・着手金が高い場合 — 総コストで比較しないと実質的に高くつく可能性がある
- M&Aの手続きを自分で進める自信がない場合 — 安い仲介会社は1件あたりのサポート工数が限られている可能性がある。手厚い伴走支援が必要なら、多少手数料が高くても実績豊富な会社を選ぶ方が結果的に有利になることもある
仲介会社選びで確認すべきチェックリスト
最低報酬額だけでなく、以下のポイントを各社に確認した上で比較検討することをおすすめします。
- 最低報酬額と適用条件 — 「〜」の幅がある場合は、自社の案件でいくらになるか具体的に確認する
- レーマン方式の算定基準 — 株価・企業価値・移動総資産のいずれか
- 着手金・中間金・月額報酬の有無と金額 — 成約しなかった場合の費用負担も含めて
- 専任契約の条件 — 専任の場合と非専任の場合で料金が変わる会社がある
- 自社と同業界・同規模の成約実績 — 件数だけでなく、自社に近い案件の経験があるか
- 担当アドバイザーの経験年数・専門領域 — 契約前に担当者と面談できるか
- M&A支援機関登録の有無 — 登録機関でないと補助金が使えない
- 契約期間・中途解約の条件 — 長期契約でロックインされないか
具体的な手数料の見積りや交渉については、M&Aアドバイザーや税理士・公認会計士等の専門家にご相談されることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 最低報酬は交渉で下げてもらえる?
案件の規模や状況によっては、最低報酬額の減額交渉に応じてもらえる場合があります。ただし一般的に、最低報酬は各社が「この金額以下の案件は採算が合わない」と判断したラインであるため、大幅な減額は難しいケースが多いです。複数社から見積りを取り、比較することが最も有効な交渉材料になります。
Q. 「完全成功報酬制」なら本当に成約まで費用ゼロ?
着手金・中間金・月額報酬がかからないという意味では、成約前のキャッシュアウトはありません。ただし、情報開示の準備、買い手候補との面談、デューデリジェンス対応などに自社の時間と労力がかかります。また、契約期間中は他の仲介会社への依頼が制限される場合もあるため、機会コストは考慮が必要です。
完全成功報酬制の仲介会社を一覧で比較したい方は「完全成功報酬のM&A仲介会社 比較」をご覧ください。
Q. マッチングプラットフォームと仲介会社、どちらが良い?
取引金額が数千万円以下の小規模案件ならプラットフォーム型(バトンズ等)のコスト優位性が大きく、取引金額が1億円を超える場合は仲介会社のサポート品質が活きてきます。両方に相談して比較するのも有効な方法です。なお、プラットフォーム上でも認定アドバイザーへの委託は可能で、その場合は別途手数料がかかります。
Q. 最低報酬が安い会社は実績が少ないのでは?
必ずしもそうとは限りません。たとえばかえでファイナンシャルアドバイザリーは2005年設立・累計400社以上の成約実績があり、小規模案件に特化することで最低報酬500万円を実現しています。一方、実績が非公開の会社もあるため、成約実績は必ず確認してください。
Q. 中小企業庁のM&A支援機関登録制度とは?
2021年に創設された制度で、登録されたM&A支援機関には手数料体系のデータベース上での公表が義務付けられています。登録機関を利用することが事業承継・M&A補助金の適用条件のひとつでもあります。各社の登録状況は中小企業庁の公式データベース(ma-shienkikan.go.jp)で確認できます。
Q. 仲介とFA(財務アドバイザー)はどう違う?
仲介会社は売り手・買い手の「双方」と契約して成約を仲介します(両手取引)。FAは売り手または買い手の「片方のみ」と契約し、依頼者の利益最大化のために交渉します(片手取引)。仲介は利益相反のリスクがある一方、FAより成約までのスピードが速い傾向があります。取引金額が大きい場合や、売り手の利益を最大化したい場合はFAの利用も検討してください。
FAについて詳しくは「M&A FA(財務アドバイザー)とは?仲介との違いを解説」をご覧ください。
まとめ: 自社の取引規模に合った仲介会社を選ぶことが最重要
M&A仲介会社の最低報酬額は100万円〜2,500万円と幅があり、取引金額が小さいほど手取り額への影響が大きくなります。
押さえておくべきポイント:
- 取引金額3億円以下では、最低報酬額が実質手数料率を大きく左右する
- 最低報酬だけでなく、中間金・着手金・算定基準を含めた「総コスト」で比較する
- 年商5,000万円以下の小規模案件では、プラットフォーム型(バトンズ等)も有力な選択肢
- 取引金額5億円以上では最低報酬の差は消え、ネットワーク・交渉力が重要になる
- 事業承継・M&A補助金を活用すれば、最大800万円の手数料補填が受けられる可能性がある
まず2〜3社に相談して見積りを比較し、自社の取引規模に合った仲介会社を選ぶことが、手数料を抑えつつ納得のいくM&Aを実現する第一歩です。
M&A仲介会社の総合比較は「M&A仲介会社おすすめ比較【売り手向け】」、会社売却の全体の流れは「会社売却の流れ完全ガイド」で解説しています。
