障害福祉サービスのM&Aを依頼するなら、業界固有の行政手続き(指定申請・人員配置基準)に精通した仲介会社を選ぶことが成否を左右します。一般的なM&A仲介では対応が難しい、NPO法人・社会福祉法人のスキームや都道府県ごとの指定手続きについて専門知識を持つ仲介会社でないと、成約後に想定外のトラブルが起きやすい領域です。
本記事では、放課後等デイサービス・就労継続支援・グループホームなどの売却を検討しているオーナー向けに、2026年5月時点の公式情報をもとに仲介会社7社を手数料・対応業態・対象規模で比較します。
この記事でわかること:
- 障害福祉M&Aに対応できる仲介会社の比較表(手数料・実績・特徴)
- 業態別・規模別のおすすめ(グループホーム・就労継続支援・放課後等デイ・小規模事業者)
- 障害福祉M&A特有の落とし穴(行政手続き・法人形態・人員基準)
- 完全成功報酬制の「売り手無料」の実態
対象読者: グループホーム・就労継続支援事業所・放課後等デイサービスなど障害福祉サービスを運営する経営者で、M&Aによる売却・事業承継を検討している方
障害福祉M&Aの現状:なぜ今、売却の動きが加速しているのか

2024年度の障害福祉関連予算は2兆2,354億円と過去最高を更新し、月間利用者数は約152.1万人(令和6年3月時点、前年比+4.7%増)に達しています。利用者ニーズは拡大している一方、2023年度の倒産件数は75件に上り、人手不足・後継者不在・報酬改定の影響を受けた事業者の二極化が進んでいます(出典:M&A総合研究所コラム、2024年確認)。
こうした背景から、「後継者がいないが事業を続けてほしい」「本業に集中するため事業を切り離したい」「運営を続けることに限界を感じた」という理由で、M&A・事業承継を選ぶ障害福祉事業者が急増しています。バトンズが公表する障害児・障害者支援事業の売却案件数は466件(2026年5月確認)に達しており、市場規模の大きさが読み取れます。
障害福祉M&Aを専門とする仲介会社の相談事例をもとに整理すると、売却理由の上位は以下の通りです(各社の公開情報・相談事例より):
- 事業の選択と集中(本業への経営資源集中)
- 人手不足・後継者不在
- 経営難・経営疲れ
なぜ仲介会社選びが特に重要か: 障害福祉M&Aは、一般企業のM&Aと異なり、都道府県・市町村への指定申請、サービス管理責任者の在籍確認、法人形態(株式会社・NPO法人・社会福祉法人)による手続きの違いなど、固有の複雑さがあります。この領域に不慣れな仲介会社では、成約後に行政手続きが滞り、事業継続が困難になるリスクがあります。
仲介会社を選ぶ前に知っておくべき3つのポイント
ポイント1:障害福祉業界に特化したアドバイザーがいるか
障害福祉M&Aで最も重要なのは、業界固有の知識です。具体的には、就労継続支援・グループホーム・放課後等デイサービスそれぞれの報酬体系・加算算定の仕組み・指定基準を理解したアドバイザーが担当するかどうかで、企業価値の正確な評価や交渉の質が大きく変わります。
ポイント2:行政手続きのサポートを提供しているか
M&A成約後に都道府県・市町村への指定申請が必要になるケースがあります(特に事業譲渡・法人格の変更を伴う場合)。2024年9月の厚生労働省「合併・事業譲渡等マニュアル」改訂で手続きの簡素化が進みましたが、実態は案件ごとに異なります。行政手続きの相談・サポートを提供している仲介会社かどうかを事前に確認してください。
ポイント3:自社の規模・業態・法人形態に対応しているか
- 法人形態の違い: 株式会社は株式譲渡・事業譲渡の両方が選べますが、NPO法人・社会福祉法人は株式譲渡が使えないため、合併・事業移管等の手法になります。法人形態によって対応できる仲介会社が異なります。
- 規模: 最低報酬額が高い仲介会社(インテグループ:最低1,500万円など)は、小規模案件では実質的に利用できません。取引価格・規模に見合った仲介会社を選ぶ必要があります。
障害福祉M&A仲介会社の3タイプ

障害福祉のM&Aに対応できる仲介会社は、大きく3つのタイプに分類できます。
タイプ① 障害福祉「専門特化型」
障害福祉サービスのM&Aに特化し、専門アドバイザーが在籍している仲介会社です。
代表例: 障害福祉M&A支援センター(ブティックス株式会社)
向いているケース:
- グループホーム・就労継続支援B型など、特化型の事業を売却したい
- 業態固有のリスク(サービス管理責任者の引き継ぎ等)を専門家に任せたい
- 無償案件〜数億円規模の中小案件を扱いたい
タイプ② 介護・医療も扱う「ヘルスケア総合型」
介護・医療・障害福祉を横断して扱う仲介会社です。買い手の幅が広く、大手事業者とのマッチングにも強みを持ちます。
代表例: カイポケM&A(エス・エム・エス)、CBヘルスケア、M&A承継サポート(AMI)、日本M&Aセンター、M&A総合研究所
向いているケース:
- 介護・医療事業も複合して運営しており、一括での売却を検討している
- 大手事業者や上場企業を買い手候補にしたい
- ある程度の規模(年商1億円以上)の案件
タイプ③ 「マッチングプラットフォーム型」
オンライン上で売り手・買い手をマッチングする形式です。売り手は無料で登録・成約まで利用できる点が特徴です。
代表例: バトンズ(BATONZ)
向いているケース:
- 売却費用を最小限に抑えたい(売り手完全無料)
- 小規模な事業所で、相手先候補を幅広く探したい
- 急がずに相手を探せる状況
【比較表】障害福祉M&A仲介会社おすすめ7社
以下の比較表は、2026年5月時点の公式サイト掲載情報をもとに作成しています。手数料・サービス内容は変更の可能性があるため、最終確認は各社公式サイト・直接問い合わせをおすすめします。
仲介会社 | タイプ | 着手金 | 成功報酬 | 最低報酬 | 買い手候補数 | 障害福祉専門性 | 対応規模 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
障害福祉M&A支援センター(ブティックス) | 特化型 | 無料 | レーマン方式(料率非公開) | 非公開(「業界最安水準」と記載) | 18,000社以上 | ◎ 障害福祉特化 | 無償案件〜数億円 |
M&A承継サポート(AMI) | 総合型 | 無料 | レーマン方式 | 100万円〜 | 200社以上(買収実績あり) | ○ 対応可 | 小規模〜中規模 |
CBヘルスケア(旧CBパートナーズ) | 総合型 | 非公開 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開 | 非公開 | ○ 25年以上の実績 | 中規模〜大規模 |
カイポケM&A(エス・エム・エス) | 総合型 | 無料 | レーマン方式+基本料100万円(料率公開) | 100万円(基本料のみ) | 56,900社(カイポケ導入事業所) | ○ 介護・医療・障害福祉対応 | 小規模〜中規模 |
M&A総合研究所 | 総合型 | 無料 | 完全成功報酬(売り手側) | 非公開 | 非公開 | △ 専門部署あり | 中規模〜大規模 |
日本M&Aセンター | 総合型 | 非公開 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開 | 非公開 | ○ 医療介護支援部あり | 中規模〜大規模 |
バトンズ | プラットフォーム型 | 無料 | 売り手:無料/買い手:成約価額の2%(最低25万円) | 売り手:0円 | 13万社以上 | △ 業界問わず | 小規模〜中規模 |
※ 「障害福祉のみの成約実績」は各社とも非公開。記載の実績値は全業種・全サービスの合算値を含みます。
※ 出典:各社公式サイト(2026年5月確認)
各社の詳細解説
障害福祉M&A支援センター(ブティックス株式会社)
障害福祉M&A支援に特化した国内最大規模の専門仲介会社です。運営元のブティックス株式会社は東証グロース市場上場(証券コード:9272)。2020年に障害福祉特化のM&A事業を開始し、グループ全体の累計成約件数は1,931件以上(2025年12月末時点)に達しています。
主な特徴:
- 障害福祉業界に完全特化した専門アドバイザー69名在籍
- 買い手候補数18,000社以上(2026年5月確認)
- 対象業態:グループホーム・就労継続支援・生活介護・放課後等デイサービス等
- 無料簡易査定あり
- M&A支援機関協会の正会員
- 着手金・月額報酬:無料(完全成功報酬制)
手数料: 成功報酬はレーマン方式ですが、具体的な料率・最低報酬額は公式サイトに非開示です。「同業他社対比で低め」との記載あり。問い合わせで確認してください。
こんな事業者におすすめ:
- 放課後等デイサービス・就労継続支援B型・グループホームを運営している
- 業態固有のリスク(サービス管理責任者の引き継ぎ、加算の維持等)を専門家に任せたい
- 小規模〜中規模の案件(無償案件〜数億円規模)で費用を抑えたい
注意点: 具体的な手数料は問い合わせが必要。大規模案件(数十億円超)については、総合大手の日本M&Aセンター等も検討してください。
公式サイト:https://fukushi-ma.com/
M&A承継サポート(株式会社AMI)
最低成功報酬100万円と、業界内でも低水準の手数料が特徴の仲介会社です。代表メンバーが直接案件担当するため、大手で起きやすい「担当者変更による引き継ぎ漏れ」リスクを低減できます。
主な特徴:
- 着手金・中間金:無料(完全成功報酬)
- 最低成功報酬:100万円(※他社は1,000万〜2,500万円が多いと同社が説明)
- 成約実績:100件以上
- 買い手リスト:200社以上(2年以内の買収実績あり)
- 平均成約期間:3ヶ月程度(最速12日)
- 赤字案件・廃業案件・事業の部分売却にも対応
手数料(公式確認、2026年5月):
レーマン方式。「移動総資産3,000万円の場合、最低手数料100万円」と公式サイトに明記。
こんな事業者におすすめ:
- 小規模事業所(売却想定額3,000万円前後)で費用を抑えたい
- 赤字が続いており、廃業より引き継ぎを選びたい
- 専任担当者による丁寧なサポートを受けたい
注意点: 大規模案件・複雑なスキーム(NPO法人の移管等)については、専門性の高い仲介会社との比較を推奨します。
公式サイト:https://shoukei-support.com/
CBヘルスケア株式会社(旧CBパートナーズ)
1999年創業、25年以上の介護・医療・福祉M&A専門実績を持つ仲介会社です。CBグループ全体の累計成約件数は1,400件以上(公式確認、2026年5月)。専任制のアドバイザーが初回から一貫して担当する体制と、現場密着型のサポートが特徴です。
主な特徴:
- 介護・医療・障害福祉・薬局を横断した専門仲介
- 担当アドバイザーが一貫して担当する専任制
- 拠点:東京・大阪・福岡
- 駐在・半駐在型の現場密着サポートあり
- 手数料:公式サイト非公開(要問い合わせ)
こんな事業者におすすめ:
- 介護・医療と障害福祉を複合して運営しており、一括での売却を検討している
- 経営者が担当者との長期的な関係性を重視する
- 地方(大阪・福岡エリア)の案件
注意点: 手数料体系が公式サイトに記載されていないため、事前の見積もり比較が必要です。
公式サイト:https://cbh.co.jp/
カイポケM&A(株式会社エス・エム・エス)
介護・医療事業所向け経営支援システム「カイポケ」の56,900社のネットワークを活かしたM&A仲介サービスです。手数料体系を公式サイトで完全公開している点が業界内でも珍しく、費用の見通しを立てやすいのが強みです。
手数料(公式確認、2026年5月):
取引価格帯 | 手数料率 |
|---|---|
2,000万円以下 | 10% |
2,000万円超〜4,000万円以下 | 9% |
4,000万円超〜6,000万円以下 | 8% |
6,000万円超〜8,000万円以下 | 7% |
8,000万円超〜1億円以下 | 6% |
1億円超〜5億円以下 | 5% |
5億円超〜10億円以下 | 4% |
10億円超〜50億円以下 | 3% |
50億円超〜100億円以下 | 2% |
100億円超 | 1% |
※ 成約基本料100万円が別途発生。着手金・中間金は無料。
出典:ma.kaipoke.biz/service/fee/(2026年5月確認)
主な特徴:
- 母体の株式会社エス・エム・エスは東証プライム上場
- カイポケ導入事業所56,900社をネットワークとして活用
- 成約期間目安:1〜6ヶ月
- 対象:介護・医療・障害福祉・調剤薬局
こんな事業者におすすめ:
- 手数料を事前に把握して費用計画を立てたい
- カイポケを導入しており、シームレスな連携を希望する
- 介護と障害福祉を複合経営しており、一括売却を検討している
注意点: 2,000万円以下の小規模案件では料率10%と高め。最低報酬の別途確認が必要です。小規模案件ではM&A承継サポート(最低100万円)やバトンズ(売り手無料)の方が費用負担を抑えられます。
公式サイト:https://ma.kaipoke.biz/
M&A総合研究所
AIを活用したマッチングシステムと完全成功報酬制が特徴の総合M&A仲介会社です。成約最短実績43日、平均7.2ヶ月での成約を公表しています(公式確認、2026年5月)。
主な特徴:
- 相談料・着手金・月額報酬:無料
- 完全成功報酬制(売り手のみ)
- 成約最短43日・平均7.2ヶ月
- 障害福祉M&Aに関するコラムを多数掲載し、業界情報の発信あり
こんな事業者におすすめ:
- 費用を一切かけずに相談・検討を始めたい
- 成約スピードを重視する
- 中規模〜大規模の障害福祉事業(年商数億円以上)
注意点: 障害福祉専任チームの有無・最低報酬額は公式サイトに明示されていません。問い合わせで詳細を確認してください。
公式サイト:https://masouken.com/
日本M&Aセンター
日本最大級の仲介実績(累計10,000件超、ギネス世界記録5年連続)を持つ総合M&A仲介会社です。医療介護支援部を設置しており、介護・障害福祉分野の大手案件も扱います。2025年5月にはセントケア・ホールディングスによる愛らいふサービスの完全子会社化を支援した実績が公開されています(公式確認、2026年5月)。
主な特徴:
- 累計成約件数10,000件超(全業種)
- 医療介護支援部を設置
- 業種・規模問わず幅広い案件に対応
- 手数料:非公開(要問い合わせ)
こんな事業者におすすめ:
- 大規模な障害福祉事業(年商数十億円規模)の売却
- 上場企業・大手事業者を買い手候補に希望する
- 一定のブランド力・実績を持つ仲介会社に依頼したい
注意点: 手数料は非公開のため要問い合わせ。障害福祉専任チームの有無は確認が必要です。中小規模の案件では、障害福祉特化型の仲介会社の方が専門性を活かしやすい場合があります。
公式サイト:https://www.nihon-ma.co.jp/sector/care.php
バトンズ(BATONZ)
売り手が成約まで完全無料で利用できる日本最大級のM&Aプラットフォームです。2026年4月にIPO(上場)を果たし、注目を集めています。障害者支援事業の売却案件が466件掲載されており(2026年5月確認)、買い手候補数は13万社以上に達します。
手数料(公式確認、2026年5月):
- 売り手:成約まで完全無料(0円)
- 買い手:成約価額の2%(最低25万円)
主な特徴:
- 常時案件数7,000件以上(全業種)
- 障害者・障害児支援事業の案件466件掲載中
- 登録買い手13万社以上
- 2026年4月にIPO(上場)
こんな事業者におすすめ:
- 売却費用を一切かけたくない(売り手完全無料)
- 幅広い買い手候補にアプローチしたい
- 小規模事業所(年商数千万円〜1億円未満)の売却
注意点: プラットフォーム型のため、仲介会社型に比べて交渉・手続きのサポートが手薄になりやすいです。行政手続き(指定申請等)のサポートを希望する場合は、別途専門家(行政書士・弁護士)への相談を検討してください。
公式サイト:https://batonz.jp/
業態別・規模別おすすめ仲介会社

グループホーム(共同生活援助)の売却
グループホームは、サービス管理責任者の引き継ぎ・物件(賃貸借契約)の承継・利用者の継続支援という3つの引き継ぎが同時に発生する複雑な案件です。障害福祉業界に特化した仲介会社が最も安心できます。
おすすめ: 障害福祉M&A支援センター(ブティックス)、CBヘルスケア
就労継続支援(A型・B型)の売却
報酬体系・加算の算定根拠・工賃支払い状況など、業態固有の評価ポイントが多い案件です。買い手候補は社会貢献意欲の高い事業者や、同業の拡大を目指す運営法人が多い傾向にあります。
おすすめ: 障害福祉M&A支援センター(ブティックス)、M&A承継サポート(小規模案件)
放課後等デイサービス・児童発達支援の売却
放課後等デイサービスは、児童発達支援管理責任者(児発管)の引き継ぎが最重要です。売却前に主要職員が退職すると、事業価値に大きな影響が出るため、交渉の進め方と情報管理が特に重要です。
おすすめ: 障害福祉M&A支援センター(ブティックス)、カイポケM&A
小規模事業者(売却想定額3,000万円未満)の場合
最低報酬額が高い仲介会社(インテグループ:最低1,500万円、日本M&Aセンター等)は小規模案件では実質的に費用負担が大きくなります。
おすすめ: M&A承継サポート(最低報酬100万円〜)、バトンズ(売り手完全無料)
複合経営(介護+障害福祉など)の一括売却
おすすめ: カイポケM&A、CBヘルスケア、日本M&Aセンター
障害福祉M&A固有の注意点
障害福祉事業のM&Aには、一般企業とは異なる固有のリスクと手続きがあります。仲介会社を選ぶ際の確認ポイントとして把握しておいてください。
指定申請の取り扱い
事業譲渡・法人格の変更を伴うM&Aでは、都道府県・市町村への新規指定申請が原則必要です。2024年9月の厚生労働省「合併・事業譲渡等マニュアル」改訂により、吸収合併等で実質的に継続運営される場合は変更届出のみで対応可能なケースも増えました。ただし、都道府県・市町村ごとに運用が異なるため、個別確認が必要です。
出典:厚生労働省「合併・事業譲渡等マニュアル」(2024年9月更新)
法人形態による手法の違い
法人形態 | 株式譲渡 | 事業譲渡 | 合併 |
|---|---|---|---|
株式会社 | ◎ 可能 | ◎ 可能 | ◎ 可能 |
NPO法人 | ✕ 不可 | ◎ 可能 | ○ 可能(条件あり) |
社会福祉法人 | ✕ 不可 | △ 制限あり | ○ 可能(行政認可必要) |
NPO法人・社会福祉法人は株式譲渡が使えないため、M&Aの手法が大きく異なります。これらの法人形態に対応した実績がある仲介会社かどうかを事前に確認してください。(各社の対応可否については公式サイト上で明示されていないため、問い合わせで確認することを推奨します)
人員配置基準と売却価格への影響
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が不在になると、行政による減算処分のリスクが生じます。M&A交渉中に主要職員が退職すると、事業価値・成約価格に大きな影響が出るため、情報管理と主要職員の関係維持が極めて重要です。
信頼できる仲介会社は、情報漏洩リスクを最小化しながら交渉を進める経験とノウハウを持っています。
売却価格の目安
中小規模の障害福祉事業における売却価格の一般的な算定方法は以下の通りです:
- 時価純資産+営業利益×2〜5年分
- EBITDAマルチプル2〜5倍
ただし、業態・規模・地域・法人形態・人員体制によって大きく異なります。仲介会社の無料簡易査定を複数社で受け、相場感を把握することをおすすめします。
(出典:経済産業省「中小M&A推進計画」参考資料、M&A総合研究所コラム、2024年確認)
専門家への相談のお願い: NPO法人・社会福祉法人のM&Aスキーム、税務処理、行政手続きの詳細については、弁護士・税理士・行政書士への個別相談を強くおすすめします。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・税務的な助言ではありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 売り手側は仲介手数料を払わなくてよいのですか?
「完全成功報酬制」「売り手無料」と記載している仲介会社は多いですが、仕組みを正確に理解することが重要です。
売り手が直接支払う手数料がゼロという意味では正しいですが、仲介会社は買い手側から手数料を受け取っています。つまり、間接的に仲介手数料は取引価格に反映される可能性があります。また、「バトンズ」のようなプラットフォーム型では売り手が完全無料ですが、仲介会社型では「売り手無料」でも買い手から手数料が発生する構造です。
Q2. NPO法人で運営していますが、M&Aは可能ですか?
可能ですが、株式譲渡は使えません。主に「事業譲渡」(サービスの移管)や「合併」の手法が使われます。手続きが複雑になるため、NPO法人の移管経験がある仲介会社・弁護士・行政書士への相談が必要です。
Q3. 放課後等デイサービスを売りたいのですが、児発管(児童発達支援管理責任者)がいなくなると影響がありますか?
大きな影響があります。児発管は指定基準上の必須配置であり、不在になると指定取消・行政処分のリスクが生じます。M&A交渉中の情報管理と、成約後の人員引き継ぎのプランニングが非常に重要です。経験豊富な仲介会社は、こうしたリスクを考慮したスケジュール管理を行います。
Q4. 赤字が続いている事業所でも売却できますか?
売却できるケースはあります。不採算でも、利用者・スタッフ・指定・設備という「ヒト・モノ・資格」に価値を見出す買い手が存在します。M&A承継サポート(AMI)など、赤字案件・廃業案件に対応を明示している仲介会社もあります。まずは無料相談で査定を受けてみることをおすすめします。
Q5. 複数の仲介会社に同時に相談してもよいですか?
相談(初回面談・簡易査定)は複数社に依頼することが可能です。ただし、仲介会社と専任契約(一社専任)を結んだ後は、他社への並行依頼は契約違反になる場合があります。契約形態(専任・非専任)と、契約解除の条件を事前に確認してください。
専任契約の選び方については、「M&A専任契約 vs 非専任契約の違いと選び方」も参照してください。
まとめ:障害福祉M&Aの仲介会社選びのポイント
障害福祉サービスのM&Aで適切な仲介会社を選ぶ際のポイントを整理します。
業態・規模別の選び方まとめ:
状況 | おすすめの仲介会社 |
|---|---|
グループホーム・就労継続支援・放課後等デイ(専門特化を重視) | 障害福祉M&A支援センター(ブティックス) |
小規模事業所・費用を抑えたい | M&A承継サポート(AMI)、バトンズ |
介護・医療との複合売却 | カイポケM&A、CBヘルスケア |
大規模案件・上場企業を買い手に | 日本M&Aセンター |
手数料の透明性を重視 | カイポケM&A(料率公開) |
売り手完全無料で相手を広く探したい | バトンズ |
最終的に重要な3点:
- 行政手続きのサポートを確認する — 指定申請・人員配置基準への対応経験があるか
- 法人形態(NPO・社会福祉法人)への対応可否を確認する — 株式譲渡が使えない場合の代替スキームを提案できるか
- 複数社に無料相談して比較する — 簡易査定は複数社に依頼し、担当者の専門性・相性を確かめてから契約する
まずは無料相談・簡易査定を複数社に依頼し、担当アドバイザーの業界知識と対応の丁寧さを確認してから、本格的な仲介契約を結ぶことをおすすめします。
関連記事:
