老人ホーム・有料老人ホームのM&Aに強い仲介会社として、介護特化型では介護M&A支援センター(ブティックス)・カイポケM&A・CBヘルスケア、総合型では日本M&Aセンター・M&A総合研究所・インテグループの計6社がおすすめです。 施設の年商規模・買い手ネットワーク・許認可承継への対応力によって最適な会社が異なるため、本記事では手数料体系・成約実績・買い手ネットワーク・対応規模の4軸で徹底比較します。
この記事でわかること:
- 老人ホーム・有料老人ホームM&Aに強い仲介会社6社の特徴と手数料
- 取引対価5,000万円・1億円・3億円・5億円の手数料シミュレーション
- 施設規模(年商)別に最適な仲介会社の選び方
- 有料老人ホームM&A特有の注意点(許認可承継・補助金返還・総量規制)
- 売却価格の相場と評価を高めるポイント
こんな方に向けた記事です:
- 介護付有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅の売却を検討している経営者
- 後継者不在で施設の事業承継方法を探しているオーナー
- 仲介会社ごとの手数料の違いを把握してから売却を進めたい方
老人ホーム・有料老人ホームのM&A仲介会社6社の比較一覧
本記事で紹介する6社の主要スペックを一覧で比較します。手数料体系や対応規模は各社で大きく異なるため、全体像を把握したうえで詳細を確認してください。

会社名 | タイプ | 着手金 | 成功報酬 | 最低報酬 | 実績 | 対象規模 |
|---|---|---|---|---|---|---|
介護M&A支援センター(ブティックス) | 介護特化型 | 0円 | レーマン方式(10〜1%) | 成約基本料100万円 | 累計2,119件(2026年3月末) | 小規模〜大規模 |
カイポケM&A(エス・エム・エス) | 介護特化型 | 0円 | 完全成功報酬(業界最安水準・料率非公開) | 要問い合わせ | 買い手候補56,900社以上 | 小規模〜中規模 |
CBヘルスケア(旧CBパートナーズ) | 介護特化型 | 0円 | 完全成功報酬(料率非公開) | 非公開 | 950件以上(※要公式確認) | 小規模〜大規模 |
インテグループ | 施設介護特化型 | 0円 | レーマン方式(5〜1%) | 1,000〜1,500万円 | 公開事例29件以上 | 年商1億〜20億円 |
M&A総合研究所 | 総合型(介護対応) | 0円(売り手) | 完全成功報酬(料率非公開) | 非公開 | 最短43日・平均7.2ヶ月 | 中小〜中堅 |
日本M&Aセンター | 総合型(専門部署あり) | 要確認 | レーマン方式(料率非公開) | 非公開(高額傾向) | 全業種累計10,000件超 | 中規模〜大規模 |
※手数料情報は2026年6月時点の各社公式サイト掲載情報に基づきます。実際の費用は案件規模・条件により異なるため、必ず各社に直接ご確認ください。
関連記事: M&A仲介会社の手数料体系を詳しく知りたい方は「M&A費用の相場と手数料の仕組み」もあわせてご覧ください。
老人ホームM&Aの仲介会社は「2つのタイプ」に分かれる

老人ホーム・有料老人ホームのM&Aで仲介会社を選ぶとき、最初に理解すべきなのが介護特化型と総合型の違いです。それぞれ強みと弱みが異なり、施設の規模や状況によって最適な選択が変わります。
タイプ1:介護・ヘルスケア特化型(ブティックス・カイポケM&A・CBヘルスケア)
介護・医療・福祉業界のM&Aを専門に扱い、許認可手続きや介護報酬制度に精通しているのが特徴です。
- メリット: 有料老人ホームの届出・承継手続き、介護人材の処遇など、居住系施設特有の論点をスムーズに対応できる。介護業界の買い手ネットワークが豊富
- デメリット: 不動産会社・保険グループなど異業種から老人ホーム事業に参入する大企業へのリーチは、大手総合型に劣る場合がある
タイプ2:総合型+介護専門チーム(日本M&Aセンター・M&A総合研究所等)
全業種を対象とするM&A仲介大手の中に、介護・ヘルスケア専門チームを設けているタイプです。
- メリット: 数千〜数万社規模の買い手ネットワーク。総量規制の壁を超えるために有料老人ホームを買収したい異業種大企業のマッチングに強い
- デメリット: 小規模施設(年商数千万円台)の案件は対応が限定的なことがある。最低報酬額が高い傾向
どちらを選ぶかの判断基準:
- 年商1億円以下・小規模施設 → 介護特化型(ブティックス、カイポケM&A)が手数料面で有利
- 年商数億円以上・複数施設を運営する法人 → 総合型の専門チームも選択肢に入る
- 異業種を含む幅広い買い手を探したい → 総合型が有利
各社の詳細解説|介護特化型3社
介護M&A支援センター(ブティックス株式会社)|老人ホームM&A成約実績2,119件
介護M&A支援センターは、東証プライム市場に上場するブティックス株式会社が運営する介護・福祉業界M&Aに完全特化した仲介サービスです。有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅など、居住系介護施設のM&Aに特に豊富な実績を持ちます。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | ブティックス株式会社(東証プライム) |
M&A事業開始 | 2015年 |
累計成約件数 | 2,119件(2026年3月31日時点) |
買い手登録企業数 | 約19,800社(2026年3月31日時点) |
専門アドバイザー数 | 67名 |
着手金・中間金 | 0円 |
成功報酬 | レーマン方式(0〜2,000万円:10%〜100億円超:1%)+成約基本料100万円 |
対応施設 | 有料老人ホーム・グループホーム・サ高住・訪問介護・デイサービス等 |
出典:介護M&A支援センター公式「特長・強み」「M&Aの手数料体系」(2026年6月確認)
強み:
- 累計2,119件の成約実績と約19,800社の買い手ネットワークは業界最大級。有料老人ホームを探している買い手候補を多く抱えており、成約につながりやすい
- 「CareTEX(ケアテックス)」という介護業界向け商談展示会を年7回主催(東京・大阪・福岡等)しており、業界内の独自ネットワークで買い手探索ができる
- 有料老人ホーム・グループホーム・サ高住の成約事例を施設類型ごとに公開しており、同種施設の売却事例を事前に確認できる
- 小規模施設でも対応可能。成約基本料100万円と最低報酬水準が低く、年商数千万円規模の施設でも費用負担を抑えられる
注意点:
- 成約基本料100万円は最低限の報酬であり、成功報酬は別途レーマン方式で発生する。小規模案件でも合計手数料の事前試算が重要
- 主要拠点は東京・大阪。地方の施設では対面サポートの頻度が限られる可能性がある
こんな施設・法人におすすめ: 介護業界内の同業者へ売却したい法人。小〜中規模の有料老人ホーム・グループホームで、業界に精通したアドバイザーに相談したいオーナー
カイポケM&A(株式会社エス・エム・エス)|全国15拠点・介護SaaS最大手ネットワーク
カイポケM&Aは、東証プライム上場の株式会社エス・エム・エスが運営するM&A仲介サービスです。介護経営支援ツール「カイポケ」を56,900事業所以上が利用しており、そのネットワークを活かした買い手候補とのマッチングが特徴です。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | 株式会社エス・エム・エス(東証プライム・証券コード:2175) |
買い手候補ネットワーク | 56,900社以上(カイポケ利用事業所ベース) |
全国拠点数 | 15拠点 |
着手金・中間金 | 0円(売り手側) |
成功報酬 | 完全成功報酬制・レーマン方式(業界最安水準を標榜、料率は要問い合わせ) |
対応地域 | 全国(15拠点) |
出典:カイポケM&A公式「サービスについて」(2026年6月確認)
強み:
- 介護SaaS「カイポケ」の56,900事業所以上のネットワークを活用した業界特化のマッチングに強い
- 全国15拠点は介護特化型の仲介会社の中で最多クラス。地方の有料老人ホームでも対面サポートが受けやすい
- 東証プライム上場の株式会社エス・エム・エスが運営するため、信頼性・財務基盤が安定
- 「業界最安値水準」を謳う完全成功報酬制で、売り手の初期コスト負担がない
- 成約後の経営支援(カイポケの業務支援・人材紹介カイゴジョブとの連携)も提供
注意点:
- 具体的な料率・最低報酬額は公式サイトで非公開。初回相談時に必ず確認が必要
- M&Aサービス開始が2019年と比較的業歴が浅い。ブティックスと比べると成約事例の公開件数は少ない
- 算定基準(譲渡価格ベースか移動総資産ベースか)を初回相談時に確認すること
こんな施設・法人におすすめ: 全国規模・地方に拠点を置く有料老人ホームやグループホームで、地元のアドバイザーと対面で進めたい経営者。費用負担を抑えながら複数の買い手候補を比較したい方
CBヘルスケア(旧CBパートナーズ)|医療・介護に20年超の専門実績
CBヘルスケアは、芙蓉総合リースグループの100%子会社として、医療・介護・福祉・薬局のM&Aに20年以上特化してきた仲介会社です。2026年4月にCBパートナーズからCBヘルスケアへ社名を変更しています。有料老人ホームを含む医療・介護分野のM&Aに豊富なノウハウを持ちます。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | 株式会社CBヘルスケア(旧CBパートナーズ) |
設立 | 1999年7月 |
親会社 | 芙蓉総合リース株式会社(東証プライム上場) |
累計成約件数 | 950件以上(※公式サイトでの最新確認を推奨) |
着手金・中間金 | 0円 |
成功報酬 | 完全成功報酬制(料率非公開) |
全国拠点数 | 6拠点(東京・札幌・名古屋・大阪・広島・福岡) |
出典:CBヘルスケア公式サイト(2026年6月確認)
強み:
- 医療・介護・福祉業界のM&Aに特化して20年以上の実績。有料老人ホームの許認可手続き・行政対応のノウハウが豊富
- 全国6拠点は介護特化型としては最多クラス。地方施設でも対面サポートを受けやすい
- 芙蓉総合リースグループの資金力・ネットワークを活用した買い手探索が可能
- 相談から成約後まで一貫したサポートを提供
注意点:
- 成功報酬の料率が公式サイトで非公開。具体的な費用は個別見積もりが必要
- 累計成約件数(950件以上)は第三者メディアの記載に基づく数字です。公式サイトで最新数値を確認してください
- 2026年4月の社名変更後のため、「CBパートナーズ」の名称で検索している方が多い
こんな施設・法人におすすめ: 地方に拠点を置く中規模以上の有料老人ホームや、医療法人との複合的なM&Aを検討している経営者。許認可手続きを含めて手厚くサポートしてほしい場合
各社の詳細解説|施設特化型・総合型3社
インテグループ(kaigoma.jp運営)|中堅施設の売却に特化・譲渡価格ベース手数料
インテグループは、中堅・中小企業のM&Aを手がける仲介会社で、介護M&Aに特化した専門サイト(kaigoma.jp)を別途運営しています。有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅など、施設系介護のM&Aに注力しており、年商1億〜20億円規模の案件を得意とします。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | インテグループ株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング26F |
着手金・中間金 | 0円 |
成功報酬 | レーマン方式(5億円以下:5%/5億超〜10億:4%/10億超〜50億:3%以降段階的に1%まで) |
最低報酬 | 1,500万円(売買金額3億円超)/1,000万円(売買金額2億円以下) |
算定基準 | 譲渡価格(売買金額)ベース |
成約事例(公開) | 29件以上(介護付有料老人ホーム・グループホーム・サ高住等) |
対象規模 | 売上1億〜20億円規模の施設 |
出典:インテグループ施設介護M&A専門サイト(kaigoma.jp)「手数料・費用・料金体系」(2026年6月確認)
強み:
- 成功報酬の算定基準が「譲渡価格(売買金額)」ベース。「移動総資産」(負債を含む金額)ベースの仲介会社と比べ、同じ案件でも手数料が低くなる傾向がある
- 施設介護M&Aの専門サイトを運営し、有料老人ホーム・グループホーム・サ高住の成約事例を29件以上公開
- 完全成功報酬制(着手金・中間金0円)で売り手のリスクを抑えられる
注意点:
- 最低報酬額が1,000〜1,500万円と高水準。売買金額が1億円以下の小規模施設では、手数料率が10%を超える計算となり割高になる
- 対象規模は「売上1億〜20億円」が目安とされており、それ以下の小規模施設は対応が難しい場合がある
- 成約事例が29件以上と、累計2,000件超のブティックスと比べると少ない
こんな施設・法人におすすめ: 年商1億〜5億円の中規模有料老人ホーム・グループホームで、「譲渡価格ベース」の手数料計算で費用を抑えたい場合
M&A総合研究所|AIマッチングで最短43日のスピード成約
M&A総合研究所は、AIとDXを活用したマッチングシステムを特徴とする東証グロース上場のM&A仲介会社です。公認会計士が主体のアドバイザー体制で、介護・医療業界専門部署を設置しています。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | 株式会社M&A総合研究所(東証グロース) |
着手金・中間金 | 0円(売り手側) |
成功報酬 | 完全成功報酬制(料率非公開) |
成約スピード | 最短43日・平均7.2ヶ月(2025年9月期実績) |
専門体制 | 介護・医療業界専門部署あり |
対象業種 | 全業種(介護・医療含む) |
出典:M&A総合研究所公式サイト(2026年6月確認)
強み:
- 売り手側は完全成功報酬制。着手金・中間金が一切かからず、成約しなければ費用ゼロ
- AIマッチングシステムと独自の企業DBを活用し、最短43日(平均7.2ヶ月)の成約スピードを実現
- 介護・医療業界専門部署を設置しており、有料老人ホームのM&Aにも対応
- 公認会計士が主体のアドバイザー体制で、財務・税務面のサポートが充実
注意点:
- 成功報酬の料率は非公開。個別見積もりが必要
- 全業種対応のため、介護特化型と比べると許認可手続きや行政折衝のノウハウは要確認
- 介護・老人ホーム分野の具体的な成約件数は非公開(全業種合算)
こんな施設・法人におすすめ: できるだけ早く売却を完了させたい有料老人ホームの経営者。着手金リスクなしでまず相談を始めたい方
関連記事: M&A総合研究所の詳しい特徴は「M&A総合研究所とは?手数料・評判・特徴を徹底解説」をご覧ください。
日本M&Aセンター|業界最大手の「医療介護支援部」が専門対応
日本M&Aセンターは、M&A仲介業界で全業種累計10,000件超の成約実績(ギネス世界記録に5年連続認定)を持つ最大手です。社内に「医療介護支援部」を設置し、介護・福祉分野のM&Aに専門チームが対応します。
基本情報:
項目 | 内容 |
|---|---|
運営会社 | 株式会社日本M&Aセンターホールディングス(東証プライム) |
設立 | 1991年 |
全業種成約実績 | 10,000件超(ギネス世界記録5年連続認定) |
介護分野体制 | 医療介護支援部が専門対応 |
手数料 | レーマン方式(詳細は要問い合わせ) |
対象地域 | 全国 |
出典:日本M&Aセンター公式「介護・福祉業界のM&Aと事業承継の動向」(2026年6月確認)
強み:
- 圧倒的なネットワーク。全国の金融機関・会計事務所と提携しており、異業種(不動産・建設・保険グループ等)から老人ホーム事業に新規参入したい大企業も買い手候補として紹介できる
- 「業界固有課題(許認可・行政折衝・人員配置等)への対応ノウハウ」を公式サイトで明示
- 大型案件(数億〜数十億円規模)に強く、PMI支援・DD支援も対応
- 有料老人ホームは総量規制で新規開設が難しいため、既存施設の買収ニーズが高く、大企業買い手を多く抱える同社のネットワークが活きる
注意点:
- 介護・老人ホーム分野単独の成約件数は非公開(全業種10,000件超の合算)
- 最低報酬額が業界最高水準とされており、年商1億円以下の小規模施設では費用対効果が合わない可能性がある
- 着手金が発生する場合があり、詳細は個別確認が必要
こんな施設・法人におすすめ: 複数施設を運営する年商数億円以上の介護法人。不動産・大企業など異業種を含む幅広い買い手候補に売却したい場合
関連記事: 日本M&Aセンターの詳しい情報は「日本M&Aセンターとは?手数料・強み・評判を徹底解説」をご覧ください。
手数料シミュレーション|取引対価別の費用比較

老人ホームのM&Aでは手数料が数百万〜数千万円規模になるため、事前に試算を把握することが重要です。公式サイトで料率が公開されている2社について、取引対価別の試算を示します。
介護M&A支援センター(ブティックス)の手数料シミュレーション
成約基本料100万円(固定)+レーマン方式の合算です。
取引対価(売却価格) | 成功報酬(試算) | 成約基本料 | 合計(税抜・目安) |
|---|---|---|---|
5,000万円 | 約460万円 | 100万円 | 約560万円 |
1億円 | 約800万円 | 100万円 | 約900万円 |
3億円 | 約1,800万円 | 100万円 | 約1,900万円 |
5億円 | 約2,800万円 | 100万円 | 約2,900万円 |
出典:介護M&A支援センター公式「M&Aの手数料体系」(2026年6月確認)を元に試算。実際の費用は個別案件の条件によって異なります。
インテグループの手数料シミュレーション
算定基準は「譲渡価格(売買金額)」ベースです。
取引対価(売買金額) | レーマン方式計算額 | 最低報酬適用後 | 実際の手数料(税抜・目安) |
|---|---|---|---|
5,000万円 | 約250万円 | 1,000万円(適用) | 1,000万円 |
1億円 | 500万円 | 1,500万円(適用) | 1,500万円 |
3億円 | 1,500万円 | 1,500万円(同額) | 1,500万円 |
5億円 | 2,500万円 | 適用なし | 2,500万円 |
注:売買金額が3億円以下の場合は最低報酬1,500万円が適用されます(2億円以下は1,000万円)。小規模施設では最低報酬が実質手数料となる点に注意が必要です。
出典:インテグループ「手数料・費用・料金体系」(2026年6月確認)を元に試算。
その他4社の手数料(要問い合わせ)
カイポケM&A・CBヘルスケア・M&A総合研究所・日本M&Aセンターは公式サイトで料率が非公開です。初回相談・見積もり取得後に比較することを推奨します。
ポイント: 取引対価が1億円以下の小規模施設では、介護M&A支援センター(成約基本料100万円+成功報酬)が最安値水準になる可能性が高いです。インテグループは1億円以下で最低報酬1,000〜1,500万円が適用されるため、小規模案件では割高になります。
施設規模別おすすめの仲介会社
老人ホーム・有料老人ホームの売却では、施設の年商規模によって最適な仲介会社が大きく異なります。
年商5,000万円以下の小規模施設
おすすめ: 介護M&A支援センター(ブティックス)、カイポケM&A
最低報酬額が実質コストになりやすいため、最低報酬が低い仲介会社が有利です。インテグループ(最低報酬1,000〜1,500万円)・日本M&Aセンターは費用対効果が合わない可能性があります。取引価格が数百万円以下の場合は、M&Aプラットフォーム(バトンズ等)も選択肢として検討できます。
年商5,000万円〜2億円の中小規模施設
おすすめ: 介護M&A支援センター(ブティックス)、CBヘルスケア、カイポケM&A
介護業界特化のノウハウと買い手ネットワークが活きるボリュームゾーンです。介護M&A支援センターは累計2,119件の実績でこの規模帯に最も多くの事例を持ちます。CBヘルスケアは地方6拠点のカバー範囲が強みです。
年商2億〜5億円の中堅施設・法人
おすすめ: インテグループ、介護M&A支援センター、M&A総合研究所
取引価格が大きくなるため、算定基準(譲渡価格 vs 移動総資産)の違いによる手数料差に注目してください。インテグループは譲渡価格ベースの算定で、この規模帯では手数料が有利になる傾向があります。
年商5億円以上の大規模法人・複数施設を運営する法人
おすすめ: 日本M&Aセンター、介護M&A支援センター(ブティックス)、CBヘルスケア
大型案件では買い手ネットワークの広さが成約条件に直結します。異業種の大企業(不動産・建設・保険グループ等)の参入ニーズとのマッチングに強い総合型が有利です。
施設規模別おすすめ一覧
年商規模 | 最優先候補 | 次の候補 | 特に注意すべき点 |
|---|---|---|---|
〜5,000万円 | 介護M&A支援センター、カイポケM&A | バトンズ等プラットフォーム | インテグループは最低報酬が高く割高になる |
5,000万〜2億円 | 介護M&A支援センター | CBヘルスケア、カイポケM&A | 介護特化型のノウハウが活きる |
2億〜5億円 | インテグループ | 介護M&A支援センター、M&A総合研究所 | 算定基準の違いで手数料に差が出る |
5億円以上 | 日本M&Aセンター | 介護M&A支援センター、CBヘルスケア | 大企業の買い手ネットワークの広さが重要 |
有料老人ホームのM&A仲介会社を選ぶ5つのポイント
ポイント1:有料老人ホームの成約実績
有料老人ホームのM&Aには許認可の引継ぎ・行政手続き・介護人材の処遇など、他業種にはない論点が多数あります。居住系施設のM&A成約実績が豊富な会社ほど、想定外のトラブルを未然に防げる可能性が高いです。
確認すべき点:
- 有料老人ホーム・グループホーム・サ高住など居住系施設の成約事例の有無
- 介護業界「単独」の成約件数(全業種合算ではなく)
- 直近1〜2年の実績
ポイント2:手数料の算定基準と最低報酬額
同じレーマン方式でも算定基準(譲渡価格 vs 移動総資産)と最低報酬額で実質的な費用は大きく変わります。
初回相談時に必ず確認すること:
- 算定基準は何ベースか(譲渡価格か移動総資産か)
- 最低報酬額はいくらか
- 着手金・中間金の有無と金額
- 成功報酬以外に発生する費用(DD費用・交通費等)
ポイント3:許認可・届出手続きへの対応力
有料老人ホームのM&Aでは、スキーム(株式譲渡か事業譲渡か)の選択が許認可の引継ぎに直結します。
スキーム | 許認可の扱い | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
株式譲渡 | そのまま引継ぎ(変更届のみ) | 行政手続きが少ない。事業所番号も維持 | 簿外債務・過去の過誤請求も引き継ぐリスクあり |
事業譲渡 | 新規届出・承認が必要 | 特定の資産・契約のみ引き継げる | 行政手続きに時間がかかる。賃貸借契約の再締結も必要 |
有料老人ホームは老人福祉法第29条第1項に基づく都道府県知事への届出が義務です。株式譲渡であれば既存の許認可がそのまま引き継がれますが、事業譲渡では新たな届出・審査が必要になります。
介護特化型の仲介会社(ブティックス・CBヘルスケア等)はこの行政手続きのサポートに精通しており、スキーム選択のアドバイスも的確です。
※許認可の取り扱いについては、行政書士・弁護士への相談をおすすめします。
ポイント4:買い手ネットワークの質と量
老人ホームの買い手には大きく2タイプあります。
- 同業の介護法人: エリア拡大・施設類型の多角化を目的に買収。介護運営のノウハウがあるためPMI(統合後の運営)がスムーズ
- 異業種の大企業: 不動産会社・建設会社・保険グループなどが介護業界に新規参入。総量規制で新設が難しいため、既存の有料老人ホームを買収するニーズが高く、高い買収額を提示するケースもある
介護特化型は同業の買い手に強く、総合型は異業種の買い手にも広くリーチできます。
ポイント5:補助金返還リスクへの知見
施設整備時に補助金を受けていた場合、事業譲渡による経営主体変更で補助金の返還を求められる可能性があります。このリスクに精通していない仲介会社では、M&A後にトラブルが発生するケースがあります。
確認ポイント:
- 補助金返還リスクのDDチェックを行っているか
- 事業譲渡と株式譲渡でのスキーム選択に補助金返還リスクを加味しているか
関連記事: M&A仲介会社選びの基本は「M&A仲介会社の選び方ガイド」で体系的に解説しています。
老人ホームM&Aの価格相場と評価ポイント
有料老人ホームの売却価格は、施設の収益力・稼働率・立地・施設状態によって大きく異なります。
基本算定式
売却価格の目安 = 時価純資産 + 実質営業利益(EBITDA)× 2〜5年分
首都圏の有料老人ホーム(小〜中規模)では3,000万円〜1億円程度が相場感とされています。
計算例:
- 時価純資産7,000万円、年間営業利益3,000万円の施設の場合
- 7,000万円 + 3,000万円 × 3年 = 1億6,000万円が目安
出典:M&A総合研究所公式「有料老人ホーム・施設介護の会社売却の流れや相場」(2026年6月確認)を参考。実際の価格は案件ごとに異なります。
介護業界上場企業のEV/EBITDA倍率の中央値は約8倍とされており、収益力が高い施設ほど高い倍率での評価につながります。
売却価格を高める評価ポイント
以下の条件を満たしている施設は、買い手からの評価が高まり、好条件での売却につながります。
- 稼働率が高い(80〜90%以上が目安):収益の安定性を示す最重要指標
- 各種加算の取得:看取り加算・認知症ケア加算・生活機能向上連携加算等
- コンプライアンス遵守:過去の過誤請求なし・行政指導・処分なし
- 従業員定着率が高い:介護人材の確保は買い手にとって最大の懸念事項
- 建物・設備の状態:大規模修繕が近い場合は売却価格に影響する
総量規制がM&A価格を押し上げる
有料老人ホームは自治体ごとに総量規制(新規開設数の制限)があり、ゼロから新規開設することが難しい施設類型です。この参入障壁が既存施設の希少性を高め、M&Aでの売却価格が高くなりやすい要因になっています。特に都市部では総量規制が厳しく、既存施設の取得ニーズが高い傾向があります。
有料老人ホームM&A特有の注意点
有料老人ホーム・老人ホームのM&Aには、一般的なM&Aにはない業界固有の注意点があります。仲介会社に依頼する前に把握しておきましょう。
注意点1:許認可承継の方法(株式譲渡 vs 事業譲渡)
有料老人ホームは老人福祉法第29条第1項に基づく都道府県知事(指定都市・中核市の場合は市長)への届出が義務付けられています。
- 株式譲渡:法人格が変わらないため、許認可番号・事業所番号がそのまま引き継がれる。行政への届出は変更届のみで完結することが多い
- 事業譲渡:新たな届出・承認が必要。手続きに2〜3ヶ月かかる場合があり、その間の運営に注意が必要。建物が賃貸の場合は賃貸借契約の再締結も必要
多くのケースで株式譲渡が選ばれやすいのは、許認可承継の手続きが簡便なためです。ただし、株式譲渡では簿外債務や過去の過誤請求リスクも引き継ぐことに注意が必要です。
※許認可の取り扱いについては、行政書士・弁護士への相談をおすすめします。
注意点2:補助金返還リスク
施設整備時に補助金(福祉医療機構の融資・自治体の施設整備補助金等)を受けていた場合、M&Aによる経営主体変更(特に事業譲渡)で補助金の返還を求められる可能性があります。
DDの段階で以下を必ず確認してください:
- 補助金の種類・残返還額
- 返還義務が生じる条件(主体変更・用途変更等)
- 返還義務が生じた場合の金額試算
注意点3:介護報酬改定(2024年度)の影響
介護報酬は3年ごとに改定されます。2024年度の改定では訪問介護サービスにマイナス改定が行われ、介護業界全体の収益性に影響が出ています。提供する介護サービスの内容によって収益性が変動するため、M&A後の事業計画策定では最新の介護報酬体系を反映させることが重要です。
注意点4:デューデリジェンス(DD)での確認事項
有料老人ホームのDDでは、通常の財務・法務DDに加えて以下が特に重要です。
- 稼働率の推移(直近3年分):入居率が低下傾向にある場合は収益性への影響を精査
- 過誤請求履歴:介護保険請求で不正があった場合は行政処分リスクが買い手に引き継がれる
- 建物の老朽化とメンテナンス費用:大規模修繕が近い場合は売却価格に影響する
- 従業員の定着率と人員配置基準の遵守状況:人員配置基準を下回っている場合は行政指導リスクあり
- 入居者の要介護度分布:重度者が多いと運営コストが高い傾向がある
- BCP(事業継続計画)の策定状況:義務化への対応状況
注意点5:入居者・従業員への情報管理
M&Aの交渉中に情報が施設内に漏れると、入居者家族や職員が不安を感じて離脱するリスクがあります。交渉中の秘密保持を徹底し(NDAの締結)、成約後の従業員・入居者家族への説明は適切なタイミングで丁寧に行うことが重要です。
※有料老人ホームのM&Aに関する法的・税務的な判断については、介護に詳しい弁護士・税理士・行政書士への相談をおすすめします。
こんな施設・法人にはM&Aがおすすめ
以下のような状況にある有料老人ホーム・老人ホームの経営者は、M&Aによる売却・事業承継を検討する価値があります。
- 後継者がいない、または後継者が施設経営の継承を希望していない
- 人材不足で施設の安定的な運営が難しくなっている
- 介護報酬改定で収益性が低下し、単独経営の見通しが厳しい
- 建物の老朽化で大規模修繕が必要だが、投資資金の確保が困難
- 体力・年齢的に施設経営の継続が難しくなってきた
- 入居者と従業員の処遇・雇用を維持したまま施設を引き継いでほしい
- 総量規制があるエリアで、既存施設として高い価格での売却が期待できる
M&Aをおすすめしないケース
一方、以下のケースではM&A以外の選択肢(親族内承継・従業員承継等)を先に検討することをおすすめします。
- 後継者が決まっており、事業承継計画が進行中 → 親族内承継・従業員承継のほうがスムーズ
- 直近で重大な行政処分(指定取消・業務停止等)を受けている → 処分の解消後に検討するのが現実的
- 過誤請求の問題が未解決の状態 → 買い手からの評価に大きく影響するため、先に解決してから売却を検討
- 稼働率が極端に低い(50%以下が続いている) → 経営改善で収益性を高めてから売却するほうが好条件になる
関連記事: 事業承継全般については「事業承継とは?M&Aとの違い・選択肢を解説」もご参照ください。
老人ホームM&A市場の動向【2025〜2026年】
老人ホーム・介護施設業界でM&Aが増加している背景には、以下の構造的な要因があります。
1. 人材不足の深刻化
2026年度に約240万人の介護職員が必要とされる(厚生労働省推計)にもかかわらず、人材確保が年々困難になっています。大手法人との統合により人材確保力を強化する目的でM&Aを選択する事業者が増えています。
2. 後継者不在
介護保険制度が創設された2000年頃に開業した経営者が引退時期を迎えており、後継者不在のまま事業継続が困難になるケースが増加しています。
3. 総量規制で新設が難しい
有料老人ホームは自治体ごとの総量規制があり、ゼロからの新設が困難です。このため、既存施設を買収してサービス展開するニーズが高まっており、買い手側の需要が旺盛な状況が続いています。
4. 介護報酬改定による経営圧迫
2024年度の介護報酬改定では訪問介護サービスを中心にマイナス改定が実施され、物価高騰との二重苦で小規模事業者の経営が厳しくなっています。
5. 異業種大企業の参入活発化
SOMPOホールディングス、ALSOKなど、介護市場の成長性に着目した異業種大企業の参入が活発化しており、買収対象として有料老人ホームへの需要が高まっています。
介護M&A支援センター(ブティックス)によると、成約件数は過去最高ペースで増加中(2026年3月末時点で累計2,119件)です。
よくある質問(FAQ)
Q. 有料老人ホームのM&Aにかかる期間はどれくらいですか?
一般的に6ヶ月〜1年程度が目安です。株式譲渡か事業譲渡かによって行政手続きの期間が異なります。株式譲渡は比較的短期間で完了しますが、事業譲渡は許認可の新規届出・審査に時間がかかるため、その分長くなります。M&A総合研究所はAIマッチングを活用し最短43日(平均7.2ヶ月)の成約実績を公表しています(2025年9月期、全業種合算)。
Q. 小規模な有料老人ホーム(年商1億円以下)でもM&Aできますか?
M&A自体は可能ですが、仲介会社の最低報酬額との釣り合いがネックになる場合があります。たとえばインテグループは最低報酬が1,000〜1,500万円のため、取引対価が小さい案件では費用負担が重くなります。小規模施設の場合は、介護M&A支援センター(成約基本料100万円)やカイポケM&Aが費用面で有利です。
Q. 有料老人ホームのM&Aでは株式譲渡と事業譲渡、どちらが多いですか?
一般的に株式譲渡が選ばれるケースが多いです。許認可番号・事業所番号がそのまま引き継がれるため、行政手続きの負担が少なく、入居者の処遇変更も最小限で済みます。事業譲渡は特定の資産のみを引き継ぎたい場合に選ばれますが、許認可の再取得や賃貸借契約の再締結が必要なため手続きが複雑です。
Q. M&A後、入居者の権利(入居一時金等)はどうなりますか?
株式譲渡の場合、法人格が変わらないため入居者との既存の契約は原則そのまま引き継がれます。入居一時金の返還義務なども継続します。ただし、買い手は入居契約書の内容をDDで詳しく確認するため、入居一時金の返還ルールや既存の入居者数を事前に整理しておくことが重要です。法的な内容については弁護士への相談をおすすめします。
Q. 複数の仲介会社に同時に相談しても大丈夫ですか?
初回相談・問い合わせの段階では、複数社に相談することを推奨します。 ただし、正式な仲介契約(アドバイザリー契約)を締結する段階では、専任契約か非専任契約かで複数社への依頼可否が変わります。専任契約を結んだ場合は他社への依頼ができなくなるため、契約内容(特に専任条項・テール条項)を事前に確認してください。
Q. 仲介手数料を補助金でまかなえますか?
中小企業庁の「事業承継・M&A補助金」の「専門家活用枠」を活用すれば、M&A仲介手数料の最大2/3が補助対象になります。ただし公募期間が限られているため、M&Aの検討を始めた段階で仲介会社に補助金の活用可否を相談することをおすすめします。
関連記事: 「事業承継・M&A補助金(2026年最新)活用ガイド」で詳しく解説しています。
まとめ
老人ホーム・有料老人ホームのM&A仲介会社を選ぶ際のポイントを整理します。
介護特化型を選ぶべきケース:
- 許認可手続きや行政折衝に精通したアドバイザーが必要
- 介護業界内の同業者・介護法人を買い手候補として探したい
- 年商2億円以下の小〜中規模施設
総合型を選ぶべきケース:
- 不動産・建設・保険グループ等の異業種を含む幅広い買い手候補を検討したい
- 年商5億円以上の大規模施設・複数施設を運営する法人
- PMI支援まで一貫した体制を求める場合
まず行動すべきこと:
- 自社の年商規模に合った2〜3社に初回無料相談を申し込む
- 手数料(算定基準・最低報酬額)を各社で比較する
- 介護・老人ホーム分野の成約事例(できれば同種施設の事例)を確認する
- 事業承継・M&A補助金の活用可否を相談する
有料老人ホームは総量規制による参入障壁が高く、買い手需要が旺盛な施設類型です。まずは介護業界に強い仲介会社2〜3社への無料相談から情報収集を始めることをおすすめします。
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