年商30億円以上の会社売却では、M&Aキャピタルパートナーズ・日本M&Aセンター・ストライクの東証プライム上場3社が実績・ネットワーク双方で有力な選択肢です。ただし手数料の計算方式(移動総資産レーマン vs 株価レーマン)の違いだけで同じ会社の売却でも数千万円単位の差が生じる場合があり、さらにこの規模帯では「M&A仲介(双方代理)かFA(売り手専任)か」の選択が最終手取り額を左右します。
この記事では次のことがわかります:
- 年商30億円以上に強い主要6社の比較表(手数料・大型案件実績・最低報酬額)
- 各社の手数料実額シミュレーション(株式価値15億円・負債5億円のケース)
- 仲介方式とFA方式どちらが自社に向いているかの判断基準
- 株式価値の規模(5億円未満/5〜30億円/30億円超)ごとのおすすめ会社
この記事が向いている方:売上高30億円前後の会社を売却・事業承継したいオーナー経営者で、仲介会社選びの具体的な判断材料を探している方。
年商30億円以上の売却で最初に決めること:仲介方式かFAか

年商30億円以上の案件は、一般的な中小M&A(年商数億〜10億円規模)と比べて買い手候補の属性・交渉の複雑さ・売却価格の最大化戦略が大きく変わります。まず「M&A仲介(双方代理)」か「FA(ファイナンシャルアドバイザー、売り手専任)」かを理解しておくことが、仲介会社選びの前提です。
M&A仲介方式(双方代理)
売り手・買い手の両方を1社のM&A仲介会社が担当し、双方の合意形成をサポートする方式。日本のM&A仲介市場で最も普及しています。
主なメリット
- 買い手ネットワークに即アクセスでき、成約までのスピードが速い
- 着手金・中間金なしの会社が増えており、初期コスト負担が軽い
- 売り手・買い手の情報を一元管理するため手続きが効率的
主な注意点
- 売り手・買い手の双方を代理する構造上、売り手の利益最大化だけを追求することに限界がある(経産省・中小M&Aガイドライン第3版でも「利益相反リスク」として記載あり)
- 複数買い手候補との競合入札を設定しづらい場合がある
FA方式(売り手専任)
売り手とのみ契約し、売り手の利益最大化のみを目的として動くアドバイザリー契約。買い手も別途FAを起用するのが一般的です。
主なメリット
- 複数の買い手候補と並行交渉・競合入札を設定でき、売却価格を引き上げやすい
- 利益相反が構造的に発生しない(売り手専任のため)
- 複雑な条件交渉・デューデリジェンス対応で売り手に最大限有利な条件を追求
主な注意点
- 着手金+月次リテイナーフィー+成功報酬と、費用が多段階になることが多い
- 成約まで時間がかかる傾向がある(1年以上になるケースも)
仲介方式とFA方式、どちらが向いているか
比較項目 | 仲介方式 | FA方式 |
|---|---|---|
株式価値の目安 | 〜30億円程度まで | 30億円超(または交渉にこだわる場合は10億円超から) |
成約スピード | 速い(6〜12ヶ月が中心) | やや遅い(1年以上かかることも) |
費用体系 | 成功報酬中心(着手金無料が多い) | 着手金+月次費用+成功報酬が多い |
売り手の関与負担 | 小さい | 大きい(意思決定・交渉への積極的な関与が必要) |
売却価格の最大化 | 仲介会社の裁量次第 | 競合入札で最大化を追求しやすい |
向いているケース | 早期成約・コスト最小化が優先の場合 | 最高値売却にこだわる場合・複数買い手候補への打診を希望する場合 |
実務上のポイント:仲介方式でも、複数の買い手候補に同時打診するプロセスを取り入れている会社は存在します。「何社の買い手候補に同時打診するか」を各社に事前確認することをおすすめします。
主要M&A仲介会社 比較表(年商30億円以上の売り手向け)
2026年5月4日時点の各社公式情報に基づき、主要6社を比較します。手数料体系は随時改定の可能性があるため、相談前に各社公式ページで最新情報をご確認ください。
会社名 | 着手金 | 手数料計算方式 | 料率(10〜50億円) | 最低報酬額 | 大型案件実績(直近本決算) | 上場区分 |
|---|---|---|---|---|---|---|
M&Aキャピタルパートナーズ | 無料 | 株価レーマン(負債除く) | 3% | 非公開 | 62件/248件(約25%)※手数料1億円以上 | 東証プライム |
日本M&Aセンター | あり(金額非公開) | 移動総資産レーマン(負債含む) | 3%(負債込み) | 非公開 | 成約1,078件/年(2025年3月期) | 東証プライム |
ストライク | 無料(2021年〜) | 要公式確認 | 要公式確認 | 未公開 | 大型案件45組/275組(約16%)※1組1億円以上 | 東証プライム |
M&A総合研究所 | 無料 | 株価レーマン(負債除く) | 3% | 2,500万円 | 平均成約6.2ヶ月・最短49日 | 未上場 |
ファンドブック | 無料 | 時価総資産レーマン(営業権含む) | 3% | 2,500万円 | 非公開(親会社:東証プライム) | 親会社上場 |
インテグループ | 無料 | 株価レーマン(負債除く) | 3% | 1,500万円 | 売上1億〜150億円が主な対象 | 未上場 |
出典:各社公式手数料ページ(2026年5月4日確認)、M&Aキャピタルパートナーズ2025年9月期決算短信、ストライク2025年9月期決算短信、日本M&Aセンター公式IRページ
比較表の重要ポイント:
- 手数料計算方式の違いが手取り額に直結する:日本M&Aセンターが採用する「移動総資産レーマン方式」は負債を含む時価総資産をベースに計算するため、株価レーマン方式より高額になりやすい。詳しくは後述のシミュレーションを参照。
- 着手金の有無:日本M&Aセンターのみ着手金があり(金額非公開)、他社は無料。
- 最低報酬額:株式価値が高い案件(10億円以上)では最低報酬額の影響は小さい。インテグループの1,500万円は中小案件でメリットが出やすい。
- 大型案件への対応力:M&Aキャピタルパートナーズは手数料1億円以上の大型案件が全成約の約25%を占めており、大型案件比率が高い水準。
M&A仲介会社の全体的な比較(年商を問わない選択肢)については、「M&A仲介会社おすすめ比較【2026年版】」も合わせてご参照ください。
各社の詳細解説
M&Aキャピタルパートナーズ
公認会計士が多数在籍し、大型案件比率と平均案件規模で業界上位を主張する東証プライム上場のM&A仲介会社です。
会社概要(2026年5月現在)
- 設立:2005年
- 上場:東証プライム(6080)
- 売上高:224.49億円(2025年9月期、前年比+17.1%・過去最高)
- 成約件数:248件(2025年9月期)
- 手数料1億円以上の大型案件:62件(全成約の約25%)
- 受託案件数:662件(2025年9月期、前年比+26.1%)
出典:2025年9月期決算短信(https://www.ma-cp.com/pdf_files/202510301532451976556732.pdf)確認日:2026-05-04
手数料体系(公式:https://www.ma-cp.com/about/fee/)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | 無料 |
中間報酬 | 手数料総額の約10%(基本合意時・候補先決定時) |
成功報酬 | 手数料総額の約90%(最終契約締結時) |
計算方式 | 株価レーマン方式(負債を含まない株式価値ベース) |
料率 | 5億円以下:5% / 5〜10億円:4% / 10〜50億円:3% / 50〜100億円:2% / 100億円超:1% |
最低報酬額 | 非公開(要問い合わせ) |
強み
- 公認会計士が多数在籍し、企業価値評価・財務分析に強い
- 1アドバイザー専任制で担当者が一気通貫対応(担当替えが少ない)
- 大型案件実績が豊富:採用サイト掲載値で平均株式譲渡価格は約15億円(※注1)
- 「業界主要10部門でNo.1」を主張(成約案件の平均譲渡価格・売上高総額等)
- 調剤薬局・IT・医療分野で特に実績が豊富
※注1:採用サイト(https://www.ma-cp.com/recruit/data/)掲載の数値。集計定義の詳細はIR資料との差異が生じる可能性があり、参考値としてご確認ください。
注意点
- 基本合意時に手数料総額の約10%(中間報酬)が発生する点は要確認(完全後払いではない)
- 最低報酬額が非公開のため、小規模案件の場合は相談時に確認が必要
こんな企業におすすめ
財務構造がシンプルで負債が少ない会社、調剤薬局・医療・IT業種での売却、株式価値5〜30億円程度の中型案件、公認会計士による財務分析・企業価値評価を重視する売り手。
こんな企業には向いていない
基本合意時に手数料の一部(中間報酬)が発生する点が許容しがたい場合、最低報酬額を事前に数値で把握してから判断したい場合、スピードよりも徹底した複数買い手への競合入札を優先する場合(FA方式の検討をおすすめします)。
日本M&Aセンター
1991年設立・累計成約11,000件超の業界最大手で、全国の地方銀行(90%以上と提携)・会計事務所(700以上と提携)の広大なネットワークを持ちます。
会社概要(2026年5月現在)
- 設立:1991年
- 上場:東証プライム(2127)
- 売上高:約441億円(2025年3月期)
- 成約件数:1,078件(2025年3月期)
- 累計成約件数:11,000件超
- 2026年3月期予想:売上高463億円(前期比+5%)
出典:日本M&Aセンター公式IRページ(https://www.nihon-ma.co.jp/groups/ir/financial.html)確認日:2026-05-04
手数料体系(公式:https://www.nihon-ma.co.jp/service/fee/)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | あり(金額非公開。正式仲介契約締結前は費用なし) |
成功報酬 | 移動総資産レーマン方式(負債を含む時価総資産ベース) |
料率 | 5億円以下:5% / 5〜10億円:4% / 10〜50億円:3% / 50〜100億円:2% / 100億円超:1% |
最低報酬額 | 非公開(要問い合わせ) |
重要:「移動総資産レーマン方式」は株式価値ではなく、有利子負債を含む時価総資産全体が計算ベースになります。負債が多い会社ほど手数料が高額になる点に注意してください。
強み
- 業界最大の年間成約件数(1,000件超)と累計11,000件超の実績が示す豊富なノウハウ
- 全国の地方銀行・会計事務所との紹介ネットワークが圧倒的
- 製造業・医療・介護・建設など業種別専門チームを組成
- 地方都市の企業でも全国から買い手候補を探せる
注意点
- 着手金あり(金額非公開)。他社と比較して初期費用が発生する可能性がある
- 移動総資産レーマン方式のため、負債が多い会社では手数料が大幅に高くなる場合がある
- 成約件数が多い分、担当者間の個人差が出やすい
こんな企業におすすめ
地方都市に拠点がある企業、製造業・医療・介護などで業種専門チームの対応を希望する場合、累計実績とブランド信頼性を最重視する売り手、全国規模の買い手ネットワークが必要な場合。
こんな企業には向いていない
負債が多く移動総資産レーマン方式で手数料が高額になるケース、着手金ゼロにこだわる場合、売り手専任の立場での利益最大化を求める場合。
ストライク
1997年設立の老舗M&A仲介会社で、日本初のM&AマッチングプラットフォームSMARTを運営。約14,000社の登録買い手企業ネットワークを持ちます。
会社概要(2026年5月現在)
- 設立:1997年
- 上場:東証プライム(6196)
- 売上高:203.14億円(2025年9月期、11期連続増収、前年比+12.0%)
- 成約組数:275組(2025年9月期)
- 大型案件(1組あたり売上1億円以上):45組(全275組の約16%)
出典:ストライク2025年9月期決算短信(https://f.irbank.net/pdf/20251030/140120251030582324.pdf)確認日:2026-05-04
手数料体系(公式:https://www.strike.co.jp/)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | 無料(2021年以降) |
成功報酬 | レーマン方式 |
※売り手向けの詳細料率・最低報酬額は本記事執筆時点で公式ページ上での確認が取れていない項目があります。相談前に公式ページ(https://www.strike.co.jp/)で最新情報をご確認ください。
強み
- M&AマッチングプラットフォームSMARTで約14,000社の登録買い手企業にアクセス可能
- 11期連続増収と安定した事業成長
- 着手金無料で初期費用ゼロ
- 2025年の日本M&A市場統計(ストライクグループ発表)によると、過去最多1,344件・総額20.387兆円(7年ぶり最高値)の市場環境を活かした成約実績
注意点
- 売り手向け詳細料率・最低報酬額を相談前に公式ページで確認が必要
- プラットフォームを活用したマッチングが中心のため、案件によっては個別の丁寧な条件交渉サポートより幅広いアクセス重視の設計になる場合がある
こんな企業におすすめ
幅広い買い手候補(14,000社以上)へのアクセスを最優先したい場合、着手金ゼロでスタートしたい場合、業種・規模を問わず多数の買い手にアプローチしたい場合。
こんな企業には向いていない
手数料の詳細(料率・最低報酬額)を相談前に他社と数値で比較してから判断したい場合(公式ページへの問い合わせが必要なため)、特定業種の専門チームによる丁寧な個別対応を最重視する場合。
M&A総合研究所
2018年設立の新興M&A仲介会社。AI活用によるマッチングと平均成約6.2ヶ月(最短49日)のスピード成約を強みとして打ち出しています。
会社概要(2026年5月現在)
- 設立:2018年
- 上場:未上場(※上場状況の最新情報は公式サイトでご確認ください)
- 平均成約期間:6.2ヶ月(最短49日)
手数料体系(公式:https://masouken.com/en/charge)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | 無料 |
中間金 | 無料 |
月額報酬 | 無料 |
成功報酬 | 株価レーマン方式(負債除く) |
料率 | 5億円以下:5% / 5〜10億円:4% / 10〜50億円:3% / 50〜100億円:2% / 100億円超:1% |
最低報酬額 | 2,500万円 |
強み
- 着手金・中間金・月額報酬すべて無料の完全成功報酬制でリスクが低い
- AI活用によるマッチング候補の効率的な絞り込みでスピード成約を実現
- 株価レーマン方式(負債除く)で手数料の試算が分かりやすい
注意点
- 最低報酬額2,500万円は、株式価値が5億円以下の案件で実質手数料率が5%超になる
- 2018年設立の新興企業のため、大型案件での長期的な実績が限られている
- 未上場のため公開財務情報が少なく、会社規模の第三者確認が難しい
こんな企業におすすめ
成約スピードを最優先する場合(早期クローズが条件)、完全成功報酬制でリスクを最小化したい場合、株式価値が5億円以上でコスト感が合う場合。
こんな企業には向いていない
大型案件での豊富な実績・ブランド力を重視する場合、上場会社のガバナンス・情報開示を重視する場合。
ファンドブック
2017年設立のハイブリッド型M&A仲介会社。2024年12月にChange Holdings(東証プライム)の完全子会社となり、グループ企業力を持ちます。
手数料体系(公式:https://fundbook.co.jp/sellside/fee/)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | 無料 |
中間金 | 原則無料(契約形態により発生する場合あり) |
成功報酬 | 時価総資産レーマン方式(営業権含む) |
料率 | 5億円以下:最低2,500万円(固定)/ 5〜10億円:4% / 10〜50億円:3% / 50〜100億円:2% / 100億円超:1% |
最低報酬額 | 2,500万円 |
注意点
- 時価総資産レーマン方式(営業権含む)は計算ベースが広いため、株価レーマン方式より高額になりやすい
- Change Holdings傘下後のサービス変更有無は公式サイトで最新情報を確認することを推奨
こんな企業におすすめ
営業権(のれん)を含む時価総資産が高く評価される業種・事業形態の会社、東証プライム上場グループのバックアップを重視する売り手、仲介からFAまで幅広い対応形態を検討している場合。
こんな企業には向いていない
有利子負債が多く時価総資産レーマン方式で手数料が高額になるケース、手数料を他社と数値で比較してコストを最小化したい場合、Change Holdings傘下後のサービス変更状況を確認してから判断したい場合。
インテグループ
2007年設立・完全成功報酬制で、業界最低水準を主張する最低報酬額1,500万円が特徴の未上場M&A仲介会社です。
手数料体系(公式:https://www.integroup.jp/fee/)
項目 | 内容 |
|---|---|
着手金 | 無料 |
中間金 | 無料 |
月額報酬 | 無料 |
成功報酬 | 株価レーマン方式(負債除く) |
料率 | 5億円以下:5% / 5〜10億円:4% / 10〜50億円:3% / 50〜100億円:2% / 100億円超:1% |
最低報酬額 | 1,500万円(主要仲介会計中、業界最低水準と主張) |
強み
- 最低報酬額1,500万円は大手・準大手の中で最も低い水準(公式主張)
- 完全成功報酬制で費用リスクが低い
- 対象規模:売上1億〜150億円(経常利益1,000万円以上が目安)
注意点
- 未上場のため公開財務情報が限定的
- 年商30億円以上の大型案件実績は公式情報で確認が取れていない
- 「業界最低水準」の主張は他社との詳細比較が必要
こんな企業におすすめ
株式価値が比較的低めで最低報酬の差(1,500万円 vs 2,500万円)が重要なケース、完全成功報酬制を重視する場合、売上が数億〜数十億円規模で費用を最小化したい場合。
こんな企業には向いていない
年商30億円以上の大型案件で豊富な実績・ブランド力を重視する場合、上場企業のガバナンス・公開財務情報による透明性を重視する場合、大型案件での具体的な成約事例を確認してから判断したい場合。
株式価値30億円超の案件なら:FAファームも選択肢に

株式価値が30億円を超える案件や、複雑な条件交渉・クロスボーダー(海外への売却)を伴う案件では、FA(ファイナンシャルアドバイザー)ファームの起用が選択肢になります。
Big4 FASの概要
会社名 | グループ | 主な特徴 |
|---|---|---|
KPMG FAS | KPMG Japan | クロスボーダー対応に強み |
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA) | Deloitte Japan | 国内プレゼンス最大(1,394名)、中型〜超大型まで |
PwCアドバイザリー | PwC Japan | 国際案件・PMI支援に強み |
EY ストラテジー・アンド・トランザクション | EY Japan | 会計系FAとして成長中 |
Big4 FASはいずれも数十億円〜数千億円規模が中心。売り手専任(双方代理なし)で動くため、競合入札を活用した売却価格の最大化が期待できます。ただし着手金+月次費用+成功報酬と費用が多段階になることが多く、最低報酬額も高い傾向があります。
フーリハン・ローキー(旧GCA)
2021年に米国の独立系投資銀行Houlihan Lokeyが旧GCAを約680億円で買収。現在はフーリハン・ローキー株式会社として日本市場で活動しています。グローバルM&Aアドバイザリー年間取引件数1位(自社発表)の実績を持ち、クロスボーダー案件に強みがあります。
FAファームを検討するタイミング
- 株式価値が30億円を超え、競合入札で売却価格を最大化したい
- 海外企業への売却(クロスボーダーM&A)を希望する
- 複雑な財務構造・カーブアウト・事業分割を伴う案件
- 仲介方式の双方代理ではなく、売り手専任の立場でのサポートを求める
注意:Big4 FAS・フーリハン・ローキーの詳細な手数料体系・最低報酬額は非公開が多く、個別相談での確認が必要です。
手数料シミュレーション:株式価値15億円のケースで各社を試算

「年商30億円・EBITDA3億円・株式価値15億円・有利子負債5億円」という条件で各社の成功報酬額を概算します。
前提条件
- 株式価値(純資産+のれん等、負債除く):15億円
- 有利子負債:5億円
- 時価総資産(株式価値+有利子負債):20億円
株価レーマン方式での計算(15億円ベース)
5億円以下に5%、5〜10億円に4%、10〜15億円に3%を適用:
5億円 × 5% = 2,500万円
5億円 × 4% = 2,000万円
5億円 × 3% = 1,500万円
合計 = 6,000万円移動総資産レーマン方式での計算(20億円ベース)
5億円以下に5%、5〜10億円に4%、10〜20億円に3%を適用:
5億円 × 5% = 2,500万円
5億円 × 4% = 2,000万円
10億円 × 3% = 3,000万円
合計 = 7,500万円シミュレーション結果まとめ
計算方式 | 代表的な会社 | 成功報酬の概算(15億円・負債5億円のケース) |
|---|---|---|
株価レーマン方式 | M&Aキャピタルパートナーズ・M&A総合研究所・インテグループ | 約6,000万円 |
時価総資産レーマン方式(営業権含む) | ファンドブック | 負債額・営業権評価次第(6,000万円以上) |
移動総資産レーマン方式(有利子負債含む) | 日本M&Aセンター | 約7,500万円 |
計算方式による差額 | — | 約1,500万円以上(負債額・営業権評価次第で変動) |
負債が多い会社ほど、計算方式の差は大きくなります。有利子負債が10億円なら、同じ株式価値15億円の案件で株価レーマン方式では約6,000万円、移動総資産方式では約9,000万円と3,000万円の差になります。
注意:上記はあくまで概算シミュレーションです。中間報酬の有無・最低報酬額・実際の交渉条件により変動します。実際の費用見積もりは各社への相談時に必ず確認してください。複数社に見積もりを取ることを強くおすすめします。
M&A手数料の相場と計算方法の詳細については「M&A費用・手数料の相場ガイド」でさらに詳しく解説しています。
専門家への相談:手数料の総コスト比較や税務的な影響(株式譲渡益課税等)については、M&A専門の税理士・弁護士にご相談されることをおすすめします。
規模別・状況別の選び方
株式価値5億円未満の場合
大手4社より、最低報酬額が低い会社(インテグループ:1,500万円)や、バトンズなどのマッチングプラットフォームが合理的な選択になる場合があります。年商30億円でも利益率が低く株式価値が低い場合はこのレンジに該当することがあります。
株式価値5〜30億円の場合
大手M&A仲介3社(M&Aキャピタルパートナーズ・日本M&Aセンター・ストライク)が最も得意とする規模帯です。複数社への相談時に以下を確認してください:
- 手数料計算方式と実額:株価レーマン vs 移動総資産レーマンで見積もりを比較する
- 担当者の専門性:公認会計士在籍・業種専門チームの有無
- 買い手候補へのアプローチ方法:何社の買い手に、どのような方法・タイムラインで打診するか
- 同業種・同規模の成約実績:具体的な事例を示してもらえるか
株式価値30億円超の場合
仲介方式・FA方式ともに対応できる会社が絞られます。
- 仲介方式で進める場合:M&Aキャピタルパートナーズ・日本M&Aセンターが主要選択肢
- FA方式を検討する場合:Big4 FAS(KPMG FAS・DTFA・PwCアドバイザリー・EY S&T)またはフーリハン・ローキーへの相談も検討
この規模では、複数の買い手候補に提案書を送付して競合させる入札プロセスを活用できるFAへの依頼が、売却価格の最大化につながる可能性があります。仲介会社2〜3社+FAファーム1社への相談を並行して行い、提案内容を比較することをおすすめします。
会社別:こんな企業に向いている・向いていない
年商30億円以上の売り手が「最初に相談すべき」会社の選び方まとめ
状況・優先事項 | おすすめ会社 | 理由 |
|---|---|---|
財務が健全で負債が少ない | M&Aキャピタルパートナーズ | 株価レーマン方式で手数料が試算しやすく、大型案件実績が豊富 |
地方都市・地域金融機関との繋がりが重要 | 日本M&Aセンター | 地方銀行・会計事務所ネットワークが業界最大 |
幅広い買い手候補へのアクセスを重視 | ストライク | 登録買い手約14,000社のプラットフォーム |
スピード成約を最優先 | M&A総合研究所 | 平均成約6.2ヶ月・AI活用マッチング |
株式価値30億円超・売却価格を最大化したい | FAファーム(Big4 FAS等) | 競合入札・売り手専任で利益最大化 |
費用コストを最小化(株式価値が比較的低め) | インテグループ | 最低報酬額1,500万円(業界最低水準を主張) |
負債が多い会社 | 株価レーマン方式採用の会社(M&Aキャピタルパートナーズ等) | 移動総資産方式では負債分が加算されて高額になる |
よくある質問
年商30億円以上の会社売却は仲介方式とFAのどちらがよいですか?
一概には言えませんが、株式価値が30億円を超える案件や売却価格の最大化を優先する場合はFA方式が有利になりやすいです。FA方式では複数買い手候補への競合入札が可能なため、仲介方式では引き出せない高値が期待できることがあります。ただし費用(着手金+月次費用)と成約までの時間が多くかかります。スピードや費用を重視するなら仲介方式、売却価格の最大化にこだわるならFAの起用を検討してください。
手数料の「移動総資産レーマン方式」と「株価レーマン方式」は何が違いますか?
計算のベースになる金額が異なります。株価レーマン方式は有利子負債を除いた株式価値をベースに計算します。移動総資産レーマン方式は有利子負債を含む時価総資産全体をベースに計算するため、負債が多い会社ほど手数料が高くなります。株式価値15億円・有利子負債5億円の会社では、株価レーマン方式で約6,000万円、移動総資産レーマン方式で約7,500万円と試算され、約1,500万円の差が生じます。
複数のM&A仲介会社に同時に相談してもよいですか?
正式な仲介契約(専任媒介契約)を締結する前であれば問題ありません。ただし、正式契約後は他社への依頼禁止条項が入ることが一般的です。契約前に2〜3社に相談し、担当者の提案内容・手数料の計算方式・買い手候補へのアプローチ方法を比較した上で1社に絞ることをおすすめします。相談段階では費用が発生しない会社がほとんどです。
大型M&Aの成約まで何ヶ月かかりますか?
年商30億円以上の案件では一般的に6ヶ月〜1年以上かかるケースが多いです。案件の複雑さ・買い手の見つかりやすさ・デューデリジェンスの範囲によって変動します。M&A総合研究所は「平均成約6.2ヶ月」を主張していますが、大型案件では標準的な成約期間より長くなることもあります。相談時に担当アドバイザーへ同規模・同業種の過去事例を確認してください。
手数料の計算に使われる「株式価値」はどのように決まりますか?
株式価値は年商ではなく、EBITDA(税引前利益+減価償却費)や純資産・業種特性を踏まえたバリュエーション(企業価値評価)によって決まります。一般的な中小M&Aでは「EBITDA×倍率(3〜8倍程度)+純資産」といった計算が用いられます。年商30億円でも利益率が低ければ株式価値は低くなり、高収益体質なら高くなります。正確な株式価値は各仲介会社に試算を依頼することをおすすめします。
まとめ:年商30億円以上の会社売却、仲介会社選びのポイント
年商30億円以上の会社売却では、「仲介方式かFA方式か」の選択と「手数料計算方式の違い」の2点が、最終的な手取り額に数千万円単位で影響します。
この記事のポイント
- 東証プライム上場3社(M&Aキャピタルパートナーズ・日本M&Aセンター・ストライク)が実績・ネットワーク・信頼性で有力な選択肢。
- 手数料の計算方式(移動総資産 vs 株価レーマン)の差:負債が多いほど差が大きくなる。株式価値15億円・有利子負債5億円のケースで試算上約1,500万円の差。
- 株式価値30億円超の案件は、FA方式(Big4 FAS・フーリハン・ローキー等)も検討。競合入札で売却価格を最大化できる可能性がある。
- 正式契約前に複数社へ相談し、担当者・提案内容・手数料を比較することが重要。
→ M&A仲介会社全般(年商を問わない)の選び方については「M&A仲介会社おすすめ比較【2026年版】」をご参照ください。
→ M&Aの手数料・費用全般については「M&A費用・手数料の相場ガイド」で詳しく解説しています。
→ 会社売却の全体的な流れについては「M&A売却の流れ【売り手向け完全ガイド】」をご参照ください。
免責事項:本記事の手数料情報は2026年5月4日時点の各社公式情報に基づいています。手数料体系は随時改定される可能性があるため、実際の相談・契約前に各社公式ページで最新情報をご確認ください。M&A取引は高額かつ専門性の高い意思決定を伴います。実際の売却判断・会社選定にあたっては、M&A専門の弁護士・税理士・中小企業診断士へのご相談をおすすめします。
