初回相談の基本:無料・複数社OK・この段階だけが比較できる

初回相談は、M&Aプロセスの中で唯一、仲介会社を自由に比較できるフェーズです。この点を最初に押さえておいてください。
M&Aを正式に依頼するには「アドバイザリー契約(仲介契約)」の締結が必要です。この契約後には「専任条項」が設けられ、他社への並行依頼が原則禁止されます。つまり、初回相談の段階でしか複数の仲介会社を同時に比較することはできません。
項目 | 内容 |
|---|---|
相談料 | 多くの仲介会社で無料。有料の場合は1回あたり数千円〜1万円程度 |
相談できる社数 | 初回相談は何社でも可能(一般的に3社程度を比較することを推奨) |
相談後の義務 | 相談のみでは契約義務は一切なし。専任条項は契約締結後に発生する |
情報漏洩リスク | 相談社数が増えるほどリスクが高まる。初回は最小限の開示に留める |
初回相談は「仲介会社に売却を依頼するかどうかを判断する場」と位置づけてください。担当者の誠実さ・費用体系の透明性・業種への専門性は、この段階でしか対等に比較できません。
相談前に準備する4つのこと
①売却の意思・条件を言語化する(最重要)
初回相談でまず聞かれるのは「なぜ売却を検討しているのか」です。動機が不明瞭なまま相談に行くと、担当者からの提案の質が下がりますし、逆に不必要な情報を引き出されるリスクもあります。
事前に以下を書き出し、優先順位をつけておきましょう。
- 売却の動機・背景(後継者不在・体力的な限界・事業規模の拡大・資金化など)
- 絶対に譲れない条件(従業員雇用の維持・ブランド名の存続・売却価格の下限・希望時期)
- 売却後の自分の関与度(即時退任か、2〜3年の引継ぎ期間を設けるか)
- 家族・配偶者への事前相談(配偶者が株主の場合は特に重要)
「まだ迷っている」という状態でも問題ありません。ただし「検討初期段階であること」は相談の冒頭に伝えておくと、担当者も対応を合わせてくれます。
②財務情報の概要を把握しておく
初回相談では書類の持参を求められないことが多いですが、以下の数字は頭に入れておくと相談がスムーズです。
- 直近期の年商・営業利益(概算で構わない)
- EBITDA(営業利益+減価償却費の目安)
- 総借入金残高と主要取引銀行
- 直近3期の業績トレンド(増収・横ばい・減収)
書類として持参できるなら、直近3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書)があると、より具体的な簡易査定が可能です。ただし、多くの仲介会社が初回相談を「概要ヒアリング」と位置づけており、詳細書類の提出は正式依頼後が一般的です。
③会社の基本情報を整理する
以下を即答できる状態にしておきましょう。
- 業種・主な事業内容・得意先構成(上位5社で売上の何%を占めるか)
- 従業員数(正社員・パート・アルバイト別)
- 株主構成(自分は何%保有か、他の株主は誰か)
- 拠点・不動産の所有状況
- 特記すべき許認可・特許・ブランド資産
また、事前に把握しておくべきリスク事項も整理しておいてください。初回相談で正直に伝えることで、後から発覚するリスクを下げられます。
- 簿外債務・偶発債務の有無
- 未払い残業代・社会保険未加入リスク
- 重要顧客への依存度(売上の30%超を1社に依存する場合は要確認)
- 係争・訴訟リスクの有無
- チェンジオブコントロール条項(支配権変更で契約が解除される取引先)
④売却価格の目安を自分で計算しておく
中小企業M&Aで最もよく使われる簡易算定方式(年倍法)は以下のとおりです。
売却価格の目安 = 時価純資産 + 実質利益(EBITDA)× 2〜5年分
計算例:時価純資産3,000万円、EBITDA年2,000万円の企業の場合
パターン | 計算式 | 売却価格の目安 |
|---|---|---|
下限(2倍) | 3,000万円+2,000万円×2年 | 7,000万円 |
中央値(3.5倍) | 3,000万円+2,000万円×3.5年 | 1億円 |
上限(5倍) | 3,000万円+2,000万円×5年 | 1億3,000万円 |
この計算はあくまで目安です。実際の売却価格は業種・成長性・顧客基盤・市況によって大きく変動します。専門家による本格的な企業価値評価(DCF法・マーケットアプローチなど)とは異なりますが、「初回相談で提示された価格が現実的かどうか」を判断するための感覚値として活用してください。
なお、M&A仲介各社が無料の簡易算定ツールを提供しています。相談前に複数社で試算しておくと比較しやすくなります。
⚠️ 初回相談で非現実的に高い査定値を提示される場合があります。相談後のマッチングで価格が大きく下がるケースが少なくないため、後述の「5つの警戒サイン」もあわせてご確認ください。
相談当日の流れ(仲介会社が聞くこと・提供すること)
初回相談の所要時間の目安は1〜2時間です。一般的に以下の流れで進みます。
〈前半:ヒアリング〉
- 売却の動機・背景
- 希望条件(売却価格・希望時期・従業員雇用の維持など)
- 企業の基本情報(業種・売上規模・従業員数・拠点)
- 財務の概況(年商・利益・借入金)
- 株主構成
- 秘密保持の状況(現時点でM&Aを知っている人の範囲)
〈後半:仲介会社からの説明〉
- 会社概要・実績・担当チームの紹介
- M&Aの流れと標準的な期間の説明(通常6ヶ月〜1年以上)
- 手数料体系(着手金・月額リテイナー・成功報酬)の説明
- 簡易的な企業価値の目安(無料査定・シミュレーション)
後半の「説明」の質が、仲介会社を見極める最も重要な場面です。 手数料の詳細・専任条項・テール条項などを相手から積極的に説明してくれるかどうかで、誠実さを判断できます。
費用体系の比較(完全成功報酬型・着手金型・リテイナー型)
仲介会社の費用体系は主に3タイプに分かれます。初回相談の段階で、どのタイプかを必ず確認してください。
費用タイプ | 着手金(契約時) | 月額リテイナー | 成功報酬 | 不成立の場合のリスク |
|---|---|---|---|---|
完全成功報酬型 | なし(0円) | なし | 移転価値の3〜5%+最低報酬額 | 費用負担なし(原則) |
着手金+成功報酬型 | 100〜500万円程度 | なし〜50万円程度 | 移転価値の3〜5%+最低報酬額 | 着手金は返金されない |
リテイナー型 | なし〜100万円程度 | 50〜200万円程度 | 移転価値の3〜5%+最低報酬額 | 月額累積分は返金されない |
(出典:M&A仲介各社の公開情報を基に作成。2026年5月確認。具体的な費用は各社の公式サイトでご確認ください)
選び方の目安:
- 費用リスクを最小化したい・成約まで時間がかかる可能性がある → 完全成功報酬型
- 大手の安心感と手厚いサポートを重視する → 着手金+成功報酬型
- 中長期の戦略的なサポートが必要な大型案件 → リテイナー型
⚠️ 成功報酬の「移転価値」の定義は会社によって異なります。「負債を含むか否か」によって実際の報酬額が数百万円単位で変わるため、必ず書面で確認してください。また、多くの仲介会社が最低報酬額(ミニマムチャージ)を500万〜1,000万円程度で設定しています。
手数料の詳細な相場については、M&A費用・手数料の相場ガイドで詳しく解説しています。
仲介会社に必ず確認すべき13の質問(中小M&Aガイドライン準拠)

2024年8月に改訂された「中小M&Aガイドライン第3版」(経済産業省・中小企業庁)では、仲介会社・FAが契約前に売り手に説明すべき13項目が明確化されています。
以下に、ガイドラインの13項目を「確認すべき質問」の形式に変換した一覧を掲載します。相談前にプリントしてご活用ください。
出典:中小M&Aガイドライン第3版(2024年8月30日公表)、経済産業省・中小企業庁
参照URL:https://www.meti.go.jp/press/2024/08/20240830002/20240830002.html
# | 確認すべき質問 | 良い回答の目安 | 注意すべき回答 |
|---|---|---|---|
1 | 「御社は仲介ですか、FAですか?それぞれの違いを教えてください」 | 仲介とFAの違いを明確に説明し、自社のスタンスを明示する | 「どちらでも同じです」と曖昧にする |
2 | 「サポートの範囲を具体的に教えてください。どこまでやっていただけますか」 | 対応範囲を書面で明示できる | 「何でもやります」と書面を出さない |
3 | 「報酬の算定基礎と計算方法を書面で見せてください」 | 計算例を具体的に示せる | 「詳しくは後で送ります」と先送りにする |
4 | 「交通費・専門家報酬など実費は別途発生しますか?目安を教えてください」 | 実費の有無と目安を明示できる | 「案件によります」とだけ答える |
5 | 「契約期間はどのくらいですか?自動更新はありますか?」 | 期間・更新条件を明確に答える | 「状況次第で延長します」と曖昧にする |
6 | 「存続条項はありますか?契約終了後も義務は続きますか?」 | 存続義務の範囲を説明できる | 「特にありません」で終わらせる(実際はある場合も) |
7 | 「テール条項の期間はどれくらいですか?対象となる候補先はどこまでですか?」 | 期間(通常1〜3年)と対象範囲を具体的に答える | 「標準的なものです」と曖昧にする |
8 | 「専任条項の内容を教えてください。他社への並行相談は一切禁止ですか?」 | 専任の範囲・禁止行為を明確に説明する | 説明を省略する・求めると態度が変わる |
9 | 「候補先との直接交渉はどこまで制限されますか?」 | 制限の内容と理由を説明できる | 「禁止です」以上の説明がない |
10 | 「情報管理・秘密保持はどのように行いますか?漏洩した場合の責任範囲は?」 | 具体的な管理体制と責任範囲を説明できる | 「安心してください」だけで終わる |
11 | 「中途解約はできますか?解約の条件とペナルティを教えてください」 | 解約条件と費用を書面で示せる | 「解約は難しいです」と圧力をかける |
12 | 「御社が責任を負わない免責条項はどのようなものがありますか?」 | 免責の範囲を書面で確認できる | 「業界標準です」と具体的な説明を避ける |
13 | 「売り手・買い手双方を代理する利益相反はどのように管理していますか?」 | 情報管理体制・ファイアーウォールの有無を答える | 「問題ありません」のみで詳細が出ない |
💡 活用のコツ: これらの質問を事前にメモして持参し、回答について「書面でいただけますか?」と確認するのが最も確実です。中小M&Aガイドライン第3版では、重要事項を書面で説明・交付することが推奨されています。
初回相談で見抜く:不誠実な仲介会社の5つの警戒サイン

初回相談で以下の行動が見られた場合は、依頼前に慎重に再考することをおすすめします。
⚠️ 警戒サイン①:査定額が突出して高い
「御社なら〇億円は間違いなく売れます」と他社と比べて非現実的に高い査定を提示してくる担当者には注意が必要です。相談後に「思うような買い手が見つからなかった」として大幅な値下げ交渉が来るケースが報告されています。
複数社で査定を受け、大きくかけ離れた数字を出す会社は要注意です。特に前述の年倍法で自分が計算した目安から著しくかけ離れている場合は、根拠を書面で確認しましょう。
⚠️ 警戒サイン②:「今すぐ決めないと」という焦らせ営業
「今この瞬間も良い買い手候補が動いています」「この条件は今月限りです」など、意思決定を急かす言葉は典型的な焦らせ営業です。M&Aは通常6ヶ月〜1年以上かかる取引であり、初回相談の場で即決を求めることは本来ありません。
⚠️ 警戒サイン③:費用の詳細を書面で出せない・渋る
「詳しくは契約後に説明します」「案件によって変わります」と言って費用体系を書面で提示しない担当者には慎重になってください。ガイドラインでは契約前の書面での説明・交付が推奨されています。透明性がない場合は別の仲介会社を検討する理由になります。
⚠️ 警戒サイン④:テール条項・専任条項の説明をしない、求めると不機嫌になる
売り手にとって不利になりやすいテール条項(契約終了後も手数料が発生する期間)や専任条項(他社への依頼禁止)を説明しない、または確認を求めたときに態度が変わる担当者は信頼性に疑問があります。これらの条項は経産省のガイドラインで説明が求められている項目です。
⚠️ 警戒サイン⑤:特定の買い手を不自然に強く推してくる
初回相談の段階ですでに「〇〇社という買い手候補がいます」と特定の企業を強く推してくる場合、買い手側との利益相反が疑われます。仲介会社は売り手・買い手双方から手数料を受け取るモデルのため、どちらを優先しているかは常に意識しておく必要があります。
NDA(秘密保持契約)の求め方・タイミング
初回相談の前に、仲介会社にNDA(秘密保持契約)の締結を求めることを検討してください。信頼できる仲介会社は、相談者から求めなくても自発的にNDA締結を提案します。 逆に、NDAを求めても渋る・提案してこない仲介会社は慎重な判断が必要です。
NDAを求めるタイミングとフレーズ例:
初回相談の日程調整メールまたは当日の開始前に、以下のように伝えるのが自然です。
「御社との相談は秘密保持契約を締結した上で進めたいと考えています。NDAのひな形をご用意いただけますか?」
NDAに含めるべきポイント:
- M&Aを検討している事実そのもの(従業員・取引先への漏洩防止)
- 企業の財務情報・顧客情報・その他開示する一切の情報
- 有効期間(一般的に1〜3年)
- 違反時の損害賠償に関する規定
注意点:
NDAを締結しても、情報漏洩リスクをゼロにはできません。初回相談での自社情報の開示は最小限(概要のみ)に留めることを心がけてください。詳細情報の開示は、信頼できる仲介会社を選定した後の正式依頼時が安全です。
NDAの法的な効力や内容については、弁護士にご確認いただくことをおすすめします。
専任契約を結ぶタイミングと注意点
初回相談(無料)と正式依頼(専任契約締結)はまったく別のステップです。初回相談後に「すぐに契約を」と求められても、複数社への相談が終わるまで署名・捺印を急ぐ必要はありません。
専任契約を結ぶ前に確認すること:
- 3社程度の初回相談を終えてから比較する — 相談→比較→選定→契約の順番を守る
- テール条項の期間と対象範囲を確認する — 契約終了後も通常1〜3年は手数料が発生する
- 専任期間(契約期間)を確認する — 一般的に6ヶ月〜1年。長期専任は自社に不利になりやすい
- 中途解約の条件とペナルティを確認する — 解約できない・解約金が高額なケースに注意する
- 担当体制を確認する — 担当者が変わる可能性と、その場合の対応方法
確認事項 | 確認すべき内容 |
|---|---|
テール条項 | 期間(1〜3年)、対象となる候補先の範囲 |
専任条項 | 他社への依頼禁止の範囲、自己開拓(自分で買い手を見つけた場合)は認められるか |
中途解約 | 解約の条件と違約金、着手金・リテイナーの返金有無 |
契約期間 | 自動更新の有無、延長の条件 |
担当体制 | チームの構成、担当者変更の場合の連絡方法・対応フロー |
なお、一部の仲介会社では専任を求めない「一般契約(非専任)」を提供しています。小規模案件や売却難易度の高い案件では、この選択肢も検討の余地があります。ただし、専任案件に比べて仲介会社が優先して動いてくれるかどうかは事前に確認が必要です。
こんな経営者には今すぐ相談をおすすめします / まだ待つべきケース
今すぐ初回相談に行くことをおすすめする経営者:
- 後継者が見つからず、引退・廃業の時期を3〜10年後に想定している
- 体力・健康の問題で事業継続に不安を感じており、早期の選択肢を探したい
- 事業の成長に向けてより大きな資本・ネットワークが必要と感じている
- 売却を考えているが何をすべきかわからず、まず情報収集したい段階にある
- 自社の売却価格の目安だけでも把握したい(無料査定の活用)
もう少し準備してから相談することをおすすめするケース:
- 直近2〜3期で赤字が続いており、業績改善の余地がある
- 株主構成が複雑で、他の株主(親族・元従業員など)の同意がまだ得られていない
- 配偶者・家族に事業の状況を伝えておらず、家族内での合意形成が終わっていない
- 主要顧客(売上の50%超)との関係が現在不安定な状況にある
- 重大な訴訟・係争が進行中で、結果が確定していない
M&Aのタイミングや最適な進め方については、M&A仲介会社だけでなく、顧問税理士・弁護士など信頼できる専門家にも事前相談することをおすすめします。特に税務処理や事業承継税制の活用は、M&Aの前に顧問税理士と検討しておくことで有利な条件が整う場合があります。
相談後の次のステップ
初回相談(複数社)を終えたら、以下の流れで進めてください。
Step 1:各社の印象・条件をメモで比較する(1〜2週間)
相談直後に、以下の項目についてメモを取っておきましょう。時間が経つと印象は薄れます。
- 担当者の誠実さ・説明のわかりやすさ
- 査定価格の根拠の明確さと現実感
- 費用体系の透明性(書面での提示があったか)
- テール条項・専任条項の説明のあり方(自発的に説明したか、求めたら説明したか)
- 同業種・同規模での成約実績の具体性
Step 2:必要に応じてセカンドオピニオンを活用する
特定の仲介会社を通じて交渉が進んでいる段階で内容に疑問を感じた場合は、弁護士・税理士・独立系FPによる「M&Aセカンドオピニオン」を活用することも選択肢の一つです。
Step 3:1社に絞り、専任契約を締結する
比較検討の結果、信頼できる仲介会社を選定したら、専任契約を締結します。この時点から正式なM&Aプロセスが開始されます。仲介会社が企業概要書(IM)の作成・買い手候補のアプローチを進めていきます。
M&A売却の全体の流れについては、M&Aの売却の流れ完全ガイドで詳しく解説しています。各仲介会社の比較・選び方についてはM&A仲介会社おすすめ比較も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 初回相談に行く前に、売却の意思が固まっていなくてもよいですか?
はい、問題ありません。「まず情報収集したい」「売却価格の目安だけ知りたい」という段階での相談は一般的です。ただし「検討初期段階であること」を相談の冒頭に伝えておくと、担当者も適切な対応をしてくれます。
Q. 何社に相談するのが適切ですか?
一般的に3社程度が推奨されます。1社だけでは比較ができず、5社以上になると情報漏洩リスクが高まり各社への対応も煩雑になります。業種・規模に強みを持つ仲介会社を選んで3社程度に相談するのが現実的な目安です。
Q. 相談内容が従業員や取引先に漏れる心配はありますか?
M&A仲介会社は秘密保持義務を負っており、漏洩は契約違反となります。ただし、相談前にNDAを締結することで保護がより確実になります。複数社に詳細情報を開示しすぎると漏洩リスクが高まるため、初回相談は概要の提供に留めることをおすすめします。
Q. 初回相談に必要な書類は何ですか?
多くの仲介会社では初回相談時に書類の持参は不要です。直近3期の決算書・月次試算表があると、より具体的な簡易査定が受けられます。書類がなければ頭の中の数字(年商・利益・借入額)を伝えるだけで十分です。
Q. 相談したら必ず売却を進めなければいけませんか?
いいえ。初回相談のみでは何の義務も発生しません。仲介契約(アドバイザリー契約)を締結して初めてM&Aプロセスが正式に始まります。相談後に「やはり売却しない」という判断も自由です。
Q. M&A仲介会社と税理士・弁護士、どちらに先に相談すべきですか?
会社売却を具体的に検討しているならM&A仲介会社への相談が出発点になります。一方、相続・事業承継税制・株式の税務処理については事前に顧問税理士に相談しておくことで、より有利な条件でM&Aを進められる場合があります。判断が複雑な案件では、M&A仲介会社・税理士・弁護士の三者で連携することを検討してください。
Q. M&A支援機関の登録業者かどうか、どう確認できますか?
中小企業庁のM&A支援機関登録制度(https://ma-shienkikan.go.jp/)で検索できます。登録機関は一定の規律・基準を満たしており、非登録業者よりも信頼性の確認がしやすくなっています。相談前に必ず確認することをおすすめします。
まとめ:初回相談で後悔しないための5つのポイント
- 相談前に売却の意思・条件・財務概要を言語化する — 頭の中を整理してから臨む
- 年倍法で自社の売却価格の目安を把握しておく — 提示価格の現実性を自分で判断できる状態にする
- 中小M&Aガイドライン準拠の13の質問で担当者を見極める — 書面での説明を求めることが重要
- 5つの警戒サインを把握しておく — 特に高査定・焦らせ営業・テール条項の不説明に注意
- NDAを事前に求め、専任契約は複数社比較後に締結する — この順番を守ることが最大のリスク管理
M&A仲介会社の費用・手数料の詳細な相場についてはM&A費用・手数料の相場ガイド、どの仲介会社に相談するか検討中の方はM&A仲介会社おすすめ比較もあわせてご覧ください。M&A全般の基礎知識はM&Aとは何か 完全解説でも確認できます。
本記事の内容は2026年5月時点の情報に基づいています。中小M&Aガイドラインの改訂・各社手数料体系の変更については、各社公式サイトおよび中小企業庁の最新情報をご確認ください。法的・税務的な判断が必要な事項については、弁護士・税理士にご相談ください。
