M&Aキャピタルパートナーズ(MACP)は、中堅・中小企業の事業承継・M&Aを支援する東証プライム上場の独立系M&A仲介会社です。着手金無料・株価レーマン方式の手数料体系と、専任担当制による一気通貫サポートが特徴で、2025年9月期には成約件数248件・売上高224億円と過去最高を更新しています。
この記事でわかること:
- M&Aキャピタルパートナーズの手数料体系と「株価レーマン方式」の仕組み
- 他社(日本M&Aセンター・ストライク・M&A総合研究所)との具体的な違い
- 強み・弱みと、どんな企業に向いているか
- 最新の成約実績と業績データ(2025年9月期)
この記事は、M&Aによる売却や買収を検討している中堅・中小企業の経営者の方に向けて書いています。
M&Aキャピタルパートナーズの会社概要

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社は、2005年設立のM&A仲介専業会社です。東証プライム市場に上場しており(証券コード: 6080)、M&A仲介会社のなかでも独立系の大手として知られています。
項目 | 内容 |
|---|---|
社名 | M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
設立 | 2005年10月 |
代表者 | 中村悟(代表取締役社長) |
資本金 | 29億円 |
上場市場 | 東証プライム市場(証券コード: 6080) |
従業員数 | 連結369名、単体297名(2025年12月31日現在) |
本社所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー36階 |
拠点 | 東京本社、名古屋、大阪、博多 |
グループ会社 | レコフ、レコフデータ、みらい共創アドバイザリー |
出典: 企業概要|M&Aキャピタルパートナーズ(2026年4月2日確認)
グループ会社の役割分担
M&Aキャピタルパートナーズには3つのグループ会社があり、それぞれ異なる領域をカバーしています。
- レコフ — 1987年設立で、日本におけるM&Aの草分け的存在。大型案件やクロスボーダー案件に強みを持つ。2016年にMACPが全株式を取得し子会社化
- レコフデータ — M&Aデータバンク「MARR Online(マールオンライン)」を運営。M&A業界の情報インフラを担う
- みらい共創アドバイザリー — 企業再生M&Aのパイオニア。2021年にグループ参画
MACP本体が中堅・中小企業のM&A仲介を担い、レコフが大型案件、みらい共創が再生案件を担当するという棲み分けです。グループ全体でカバーできる案件の幅が広いのは、同社の構造的な強みといえます。
M&Aキャピタルパートナーズの手数料体系
M&Aキャピタルパートナーズの手数料体系は「着手金無料・株価レーマン方式」が基本です。M&Aが成立するまでの費用負担を抑えたい経営者にとって、注目すべきポイントがいくつかあります。
料金の基本構造
費用項目 | 金額 |
|---|---|
相談料 | 無料 |
簡易企業価値算定 | 無料 |
着手金 | 無料(0円) |
月額報酬 | 無料(0円) |
中間報酬 | 手数料総額の約10%(基本合意時に発生) |
成功報酬 | 手数料総額の約90%(M&A成立時に発生) |
最低報酬額 | 2,500万円(税別) |
出典: 弊社のM&A手数料|M&Aキャピタルパートナーズ(2026年4月2日確認)
着手金・月額報酬がかからないため、基本合意に至るまでの費用はゼロです。ただし、基本合意のタイミングで中間報酬(手数料総額の約10%)が発生する点は押さえておく必要があります。
株価レーマン方式とは
同社の最大の特徴は「株価レーマン方式」を採用していることです。一般的なレーマン方式では「移動総資産」(株式価額+負債)をベースに手数料を計算しますが、株価レーマン方式では株式価額(=純粋な売買価格)のみを基準にします。
取引価格(株式価額) | 手数料率 |
|---|---|
5億円以下の部分 | 5% |
5億円超〜10億円以下の部分 | 4% |
10億円超〜50億円以下の部分 | 3% |
50億円超〜100億円以下の部分 | 2% |
100億円超の部分 | 1% |
株価レーマン方式と移動総資産レーマン方式の差額イメージ
負債が大きい企業ほど、株価レーマン方式の方が手数料が低くなります。以下はイメージです。
例: 株式価額15億円・有利子負債10億円の会社の場合
方式 | 計算ベース | 概算手数料 |
|---|---|---|
株価レーマン方式 | 15億円(株式価額のみ) | 約6,000万円 |
移動総資産レーマン方式 | 25億円(株式価額+負債) | 約9,500万円 |
この例では約3,500万円の差が出ます。ただし、負債が少ない企業では差は縮小するため、自社の財務状況を踏まえて比較する必要があります。
最低報酬2,500万円に注意
最低報酬額は2,500万円(税別)です。レーマン方式で算出した手数料が2,500万円未満の場合でも、2,500万円が適用されます。
具体的には、株式価額が5億円以下の案件では手数料率5%で計算すると2,500万円以下になるケースが出てきます。たとえば株式価額3億円の場合、レーマン方式では1,500万円ですが、最低報酬の2,500万円が適用されます。売却額に対する実質手数料率が高くなるため、小規模案件の場合は他社と比較した方がよいでしょう。
M&Aキャピタルパートナーズの強み

1. 専任担当制(一気通貫サポート)
初期の相談から成約まで、一人のアドバイザーが一貫して担当します。M&A仲介会社のなかには、営業担当と実務担当が分かれる分業制を採用する会社もありますが、MACPでは最初から最後まで同じアドバイザーが対応します。
経営者にとっては「担当が変わるたびに話をやり直す」ストレスがなく、信頼関係を築きやすいメリットがあります。
2. 株価レーマン方式による手数料の低減効果
前述のとおり、株式価額のみを計算ベースにするため、負債が大きい企業ほど手数料を抑えられます。特に製造業や設備投資型のビジネスで借入が多い企業にとっては、移動総資産レーマン方式よりも有利になりやすい構造です。
3. レコフグループによる大型・クロスボーダー案件への対応力
日本のM&A業界の草分けであるレコフをグループに持つことで、中堅・中小企業だけでなく大型案件やクロスボーダー案件にも対応できます。案件が進むなかで想定以上の規模になった場合や、海外企業が相手になった場合でも、グループ内で連携して対応できる体制は強みです。
4. LSEGリーグテーブルでの高い評価
2025年M&A市場リーグテーブル(LSEG=ロンドン証券取引所グループが集計する業界ランキング)で案件数ベース3冠を達成。中規模M&Aのワールドワイドランキングにも2年連続でランクインしています。客観的な第三者データでの評価は、アドバイザーの実力を測る一つの参考になります。
5. 調剤薬局業界での圧倒的な実績
調剤薬局業界のM&A成約件数で国内No.1を公表しています。業界特化の知見があるため、調剤薬局の売却を検討している経営者にとっては有力な選択肢です。
M&Aキャピタルパートナーズの弱み・注意点
強みだけでなく、検討前に知っておくべき注意点も整理します。
1. 最低報酬2,500万円は小規模案件に割高
最低報酬2,500万円(税別)は、M&A仲介大手のなかでは標準的な水準ですが、売却額が数億円以下の小規模案件では実質手数料率がかなり高くなります。年商1〜2億円規模の企業が売却を検討する場合、より最低報酬が低い会社(M&A総合研究所の2,500万円や、バトンズのようなマッチングプラットフォーム)も比較対象に入れた方がよいでしょう。
2. 仲介モデル固有の利益相反リスク
これはM&Aキャピタルパートナーズ固有の問題ではなく、M&A仲介業界全体に共通する構造的な課題です。仲介会社は売り手・買い手の双方から手数料を受け取るため、双方の利益が対立する場面で中立を保てるかという懸念があります。
利益相反が心配な場合は、片側のみを代理するFA(ファイナンシャル・アドバイザー)型のサービスを検討する選択肢もあります。
M&A仲介とFAの違いについて詳しくは「M&A FAとは?仲介との違い・選び方を解説」をご覧ください。
3. 営業アプローチに対する賛否
M&Aキャピタルパートナーズは、会計事務所や金融機関からの紹介だけでなく、企業への直接アプローチ(電話・手紙など)も積極的に行っています。これは「まだM&Aを考えていなかった経営者に選択肢を提示できる」メリットがある一方、「唐突に連絡が来た」と感じるケースもあるようです。
ただし、直接アプローチ自体は同業他社も行っている一般的な営業手法であり、MACPに限った話ではありません。
4. 拠点が4都市に限定される
東京・名古屋・大阪・博多の4拠点です。全国に支社を展開している日本M&Aセンター(全国9拠点以上)と比べると、地方の経営者にとってはアクセスのしやすさに差があります。ただし、オンラインでの相談は可能です。
最新の成約実績と業績
M&Aキャピタルパートナーズの直近の業績は堅調に推移しています。2025年9月期は売上・利益・成約件数すべてで過去最高を更新しました。
業績推移(連結)
期 | 売上高 | 営業利益 | 成約件数 |
|---|---|---|---|
2021年9月期 | 151.6億円 | 65.7億円 | — |
2022年9月期 | 207.0億円 | 97.1億円 | — |
2023年9月期 | 208.5億円 | 74.4億円 | — |
2024年9月期 | 191.6億円 | 63.7億円 | 221件 |
2025年9月期 | 224.4億円 | 77.7億円 | 248件 |
出典: 業績ハイライト|M&Aキャピタルパートナーズ(2026年4月2日確認)
2025年9月期のポイント
- 売上高: 224.4億円(前年比+17.1%)
- 経常利益: 78.7億円(前年比+23.4%)
- 成約件数: 248件(前年比+12.7%)
- 大型案件(手数料1億円以上): 62件
- 累計成約実績: 1,000組以上
2026年9月期の業績予想は売上高269.9億円・営業利益102.8億円と、さらなる成長を見込んでいます。
他社との比較

M&Aキャピタルパートナーズと、同じくM&A仲介を手がける主要上場企業を比較します。
M&A仲介大手4社 比較表
比較項目 | M&Aキャピタルパートナーズ | 日本M&Aセンター | ストライク | M&A総合研究所 |
|---|---|---|---|---|
設立 | 2005年 | 1991年 | 1997年 | 2018年 |
上場市場 | 東証プライム | 東証プライム | 東証プライム | 東証グロース→プライム |
手数料方式 | 株価レーマン | 移動総資産レーマン | 移動総資産レーマン | 株価レーマン |
着手金 | 無料 | 案件による | 無料 | 無料 |
最低報酬 | 2,500万円 | 案件規模による | 1,000万円〜 | 2,500万円 |
担当制 | 専任(一気通貫) | 分業制 | 専任制 | 専任制 |
拠点数 | 4拠点 | 9拠点以上 | 5拠点 | 5拠点以上 |
強みのある業種 | 調剤薬局、製造業 | 全業種(地方に強い) | IT・Web | IT・Web |
主な対象規模 | 中堅〜大企業寄り | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中小企業 |
※各社の手数料体系・最低報酬は案件内容や時期によって異なる場合があります。最新の条件は各社の公式サイトで確認してください(2026年4月時点の公式情報に基づく)。
手数料方式の違いが大きい
最も大きな違いは手数料の計算ベースです。M&AキャピタルパートナーズとM&A総合研究所は「株価レーマン方式」、日本M&Aセンターとストライクは「移動総資産レーマン方式」を採用しています。
負債の多い企業では株価レーマン方式が有利になりやすく、逆に無借金に近い企業ではどちらでも大差ありません。自社の財務状況に合わせて比較することが重要です。
M&A仲介会社の選び方について詳しくは「M&A仲介会社おすすめ比較」をご覧ください。
M&Aキャピタルパートナーズに依頼する流れ

M&Aキャピタルパートナーズへの相談から成約までの一般的な流れは以下のとおりです。
- 無料相談・企業価値算定 — 公式サイトから問い合わせ。簡易企業価値算定も無料で受けられる
- アドバイザリー契約の締結 — 売却(買収)の方向性が決まったら正式契約。この時点まで費用は発生しない
- 候補先の選定・打診 — アドバイザーが条件に合う相手先を探索し、秘密保持を前提にアプローチ
- トップ面談・条件交渉 — 経営者同士の面談。企業文化や経営方針の擦り合わせも行う
- 基本合意 — 大枠の条件で合意。この時点で中間報酬(手数料総額の約10%)が発生
- デューデリジェンス(買収監査) — 買い手側が財務・法務・税務などを精査
- 最終契約・クロージング — 最終条件の合意と契約締結。成功報酬(手数料総額の約90%)が発生
全プロセスを通じて、最初に担当したアドバイザーが一貫してサポートするのがMACPの特徴です。成約までの期間は案件により異なりますが、一般的には半年〜1年程度が目安です。
※M&Aの契約・税務に関する具体的な判断は、弁護士・税理士・公認会計士などの専門家にご相談ください。
こんな企業におすすめ
M&Aキャピタルパートナーズの特徴を踏まえると、以下のような企業に向いています。
おすすめの企業
- 売却額が5億円以上の中堅企業 — 株価レーマン方式のメリットを最大限に享受でき、最低報酬の割高感もない
- 有利子負債が多い企業(製造業・設備投資型ビジネスなど) — 移動総資産レーマン方式と比べて手数料を抑えやすい
- 調剤薬局の経営者 — 業界No.1の成約実績があり、業界特有の事情に精通したアドバイザーがいる
- 一人の担当者に最初から最後まで任せたい経営者 — 専任制なので担当が途中で変わらない
- 将来的に大型案件やクロスボーダーの可能性がある企業 — レコフグループの対応力を活用できる
おすすめしない企業
- 売却額が3億円以下の小規模案件 — 最低報酬2,500万円が実質手数料率を押し上げる。バトンズなどのマッチングプラットフォームや、最低報酬が低い仲介会社の方がコスト面で有利
- 地方で対面相談を重視する企業 — 拠点が4都市に限られるため、日本M&Aセンターなど地方拠点の多い会社の方が利便性が高い場合がある
- 仲介ではなくFA(片側代理)を希望する企業 — MACPは仲介モデルのため、売り手のみの利益代理を求める場合はFA型サービスの方が適している
よくある質問(FAQ)
M&Aキャピタルパートナーズは「怪しい」会社?
東証プライム市場に上場しており、有価証券報告書やIR情報が公開されています。M&A仲介会社として中小企業庁のM&A支援機関にも登録されており、信頼性の面で問題があるとはいえません。「怪しい」という印象は、M&A仲介業界自体への不慣れから来ていることが多いようです。
「しつこい」という評判は本当?
企業への直接アプローチ(電話・手紙など)を行う営業スタイルのため、「突然連絡が来た」という声は一定数あります。ただし、これはM&A仲介業界全体で広く行われている営業手法です。不要な場合は断れば問題ありません。
株価レーマン方式は本当にお得?
負債が多い企業にとっては、移動総資産レーマン方式よりも手数料が低くなる傾向があります。ただし、無借金の企業では差がほとんどなく、最低報酬2,500万円の影響もあるため、一概に「お得」とは言い切れません。自社の財務状況をもとに、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
相談だけでも費用はかかる?
相談・簡易企業価値算定は無料です。アドバイザリー契約を結んだ後も、基本合意に至るまでは費用が発生しません。
成約までどのくらいかかる?
公式には非開示ですが、M&A仲介業界全体の一般的な目安として半年〜1年程度です。案件の規模・複雑さ・相手先の状況によって大きく異なります。
まとめ
M&Aキャピタルパートナーズは、着手金無料・株価レーマン方式の手数料体系と、専任担当制による手厚いサポートが強みのM&A仲介会社です。レコフグループを傘下に持つことで大型案件からクロスボーダーまで幅広くカバーでき、2025年9月期には成約件数248件と過去最高を記録しています。
一方、最低報酬2,500万円は小規模案件には割高で、拠点も4都市に限定されます。売却額5億円以上の中堅企業や負債の多い企業にとっては有力な選択肢ですが、売却額が数億円以下の場合は他社も含めた比較をおすすめします。
M&Aは企業の将来を左右する重要な意思決定です。一社だけで判断せず、複数の仲介会社・FAに相談して比較検討することが、納得のいくM&Aへの第一歩になります。
※M&Aに伴う税務・法務・契約の詳細については、税理士・弁護士などの専門家への相談をおすすめします。
M&A仲介会社の選び方や各社の比較は「M&A仲介会社おすすめ比較」で詳しく解説しています。
M&Aの手数料相場について知りたい方は「M&A手数料の相場と比較ガイド」もあわせてご覧ください。
M&Aの基本を押さえたい方は「M&Aとは?基礎知識を徹底解説」からどうぞ。
